帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「死神の逆襲」

「死神の逆襲 ー破滅魔人ゼブブ登場ー
ウルトラマンガイア』第48話
1999年8月7日放送(第48話)
脚本 川上英幸
監督・特技監督 北浦嗣巳

 

破滅魔人ゼブブ
身長 66m
体重 6万6千t
ウルトラマンに対抗して死神が変身した姿。
右手の刃、額と角からの電流、右手から発する光弾で相手を苦しめる。追い詰められると卑怯な手段も使う。
ガイアV2に右手の刃を、新型ファイターに搭乗したXIGに角を折られ、奥の手として特殊な電磁波を体に張ってバリアーにするが米田リーダーに目だけは電磁波で覆えない事を見抜かれてバリアーを解除され、最後はガイア・スプリームヴァージョンのフォトン・ストリームで倒された。
名前の由来は旧約聖書に登場する悪魔「ベルゼブブ」かな。

 

死神
身長 計測不能
体重 計測不能
ビル街に現れて破壊活動を行い人類に「ウルトラマンを差し出せ」と迫る。
ウルトラマンが出現すると対抗してゼブブに変身した。

 

物語
エリアル・ベース陥落と言う衝撃の事実にどよめく人々。
それを嘲笑うかのように死神が挑発を繰り返してくる。
その中でXIGはウルトラマンの正体を知るのであった。

 

感想
エリアル・ベースがモキアンに激突して爆発した事で死んだと思われた石室コマンダーだったが我夢が間一髪で救出していた。
『ガイア』は前編のラストでの盛り上がりが後編の冒頭であっさり解決してしまう事が多いのがちょっと気になる。

 

自分のせいでエリアル・ベースを失ったと落ち込む我夢に石室コマンダーは「我夢、自惚れるな。お前一人が戦ってきたわけじゃない。そしてお前一人が戦えば済む事でもない。全てを背負おうとするな。お前は……一人の人間なんだ」と語りかける。
とても先程死にかけたとは思えない落ち着きっぷり。あなたは一体何者なのだ?

 

エリアル・ベースが陥落した事でXIGはジオ・ベースを新たな拠点とする。
根源的破滅招来体と言う共通の敵と戦う為に結束してきた人類だが結束の象徴であるエリアル・ベースが陥落した事で結束に乱れが生じる恐れが出てくる。また、根源的破滅招来体の脅威を見せつけられた人類は失望感に苛まれ、その先には絶望が待ち受ける事になる。
メインライターの小中さんによるとエリアル・ベースはあくまで軍事力の象徴で、人を救うのは軍事力ではなく人一人一人の力であるからあえてエリアル・ベースを陥落させたとの事。
エリアル・ベースに代わる人類を結束させられる存在、人類に希望をもたらす事が出来る存在、それは……。

 

いきなりビル街に死神が現れて破壊活動を始める。
ウルトラマンを差し出すんだ! 人類が助かる道はウルトラマンを生贄に差し出す事!」。
『A』『レオ』『メビウス』等では一部の人間が侵略者は人類ではなくウルトラマンを狙って地球にやって来たのだとしてウルトラマンを侵略者に差し出すよう動くのだが『ガイア』ではそういう展開は無かった。根源破滅教団が人類を扇動してウルトラマンを追い詰める展開があっても良かったかもしれない。

 

モキアンから玲子を連れて脱出した藤宮は街を破壊する死神を見てアグルV2に変身するが死神が変身したゼブブの刃に刺されて倒されてしまう。
展開上仕方が無いとは言え、ちょっと簡単に倒されすぎな気がする……。

 

ゼブブの刃に刺されたアグルV2を見た我夢は思わず「藤宮!」と叫んでしまう。
我夢「僕は行きます! 策はありません。でも、あいつを僕は許さない。一緒に戦っていた友人が苦しんでいる。僕は行きます!」。
そう言って飛び出す我夢を見てリーダー達は驚きを隠せない。
梶尾「コマンダー、まさか我夢は……!?」、
稲城ウルトラマンガイア……」。
アグルV2にエネルギーを与えるガイアV2。
千葉「我夢が……ウルトラマンガイア?」、
稲城「隊員として、ウルトラマンとして……」、
米田「彼はずっと俺達と戦ってきた!」。
ゼブブと戦うガイアV2の映像を見た梶尾リーダーは力任せに机を叩いて悔しさを表す。
梶尾「くっそぉ……! 今の俺達には我夢と共に戦う事すら出来ないのか!」。
我夢との話が多かった梶尾リーダーが我夢の正体に全く気付かなかったのはちょっと意外だった。鈍い人と言うわけでもないし。

 

航空力学の天才でファイターの生みの親と言われているが重病で数ヶ月の命としてずっと入院していた乱橋チーフがジオ・ベースで開発を続けていた新型のファイターSTとGTが登場。「体にはガタが来ていますが頭はちゃんと動きますから」と言う乱橋チーフの台詞が格好良い。
この終盤の時期に特別チームに新戦力が投入されるのは珍しくて驚いた。でも、怪獣出現に対して人類が策を講じ続けるのなら終盤になるほど強力な装備が投入されるのは納得の流れである。

 

我夢の事を想いながら新型ファイターに向かう梶尾リーダー。ここで出される回想シーンは「悪魔のマユ」での花束の場面……。やはりまだ誤解したまま?

 

今回の出撃は梶尾、米田、稲城のリーダー3人。
XIGはメンバーが多いがチームの枠を壊した編成は無かったのでここでのリーダー3人のチームはレア感もあって盛り上がった。

 

堤チーフの「全機攻撃態勢! ウルトラマンガイアを、いや、高山我夢を援護しろ!」は王道であるがやはり燃える!

 

ゼブブのバリアーは強力だったが目だけは覆えないと言う弱点があった。
何かしらの弱点が無ければ攻略できないのは分かるが、ウルトラシリーズは最初にゼットンと言う完璧なバリアーを出しているので、頭上が空いているや目だけ覆えていないとか不備があると「ゼットンのバリアーは完璧だったのにな……」と思ってしまうところがある。

 

スプリームヴァージョンにヴァージョンアップしてフォトン・ストリームでゼブブを倒したガイアは力尽きてしまうが、気が付いた我夢は梶尾リーダーと稲城リーダーに助けられていた。
ウルトラマンは正体を知られずに戦っているので戦いが終わって力尽きた時も何とか一人で立ち上がらなければいけないので、正体を知られた後も特別チームが味方でいてくれて助けてくれるところを見るとホッとする。

 

ゼブブのバリアーの弱点を見抜いた米田リーダーはゼブブに撃墜されてしまうがなんとか生還する。
昭和シリーズと違って平成シリーズではレギュラーが命を落とす事は殆ど無くなるが『ガイア』は稲森博士の件があるのでXIGで誰か殉職者が出るのではないかとちょっとビクビクしていた。(米田リーダーの相手役を演じているのが石橋けいさんなので余計に)
『ガイア』は「命すむ星」の梶尾リーダーから前回の「XIG壊滅!?」の石室コマンダーに今回の米田リーダーと「死んだかと思ったが生きていた!」と言う展開が続いた。初期の平成仮面ライダーシリーズなら誰か一人(下手をすれば3人とも?)死んでいそうだ。