帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「緑の逃亡者」

「緑の逃亡者 ーサイドバクター登場ー
ウルトラマンコスモス』第41話
2002年4月13日放送(第41話)
脚本 荒木憲一
監督 石井てるよし
特技監督 佐川和夫

 

強襲アンドロイドエクステル・レイダー
身長 2m
体重 1.5t
エクステル星人に送り込まれたアンドロイドで、惑星間戦争で侵略したグリーンベルト星の生存者を追跡・抹殺するようプログラムされている。
グリーンベルト星人最後の一人であるプラテアを地球で処理するが、カスミの体内にグリーンベルト星人の種がある事を知って今度はカスミを狙うようになる。
緩慢な動きだが怪力を誇る。
フブキ隊員のラウンダーショットを受けて活動を停止したが、それはサイドバクターの活動開始の合図になっていた。

 

破滅可変マシンサイドバクター
身長 62m
体重 7万3千t
エクステル・レイダーが活動を停止すると自動的に活動を開始するマシンで、グリーンベルト星人の種を持つカスミを狙った。
飛行形態から戦闘形態に変形する。光線を撃つ。
コロナモードのネイバスター光線で倒された。

 

グリーンベルト星人プラテア
身長 180cm
体重 48kg
植物的な特徴を持つ地球外生命体。
惑星間戦争でエクステル星人の侵略を受け、生き残った最後の一人プラテアはエクステル・レイダーに追われて地球に逃亡するが最終的に処理されてしまった。
右手の装置から緑色に光るロープを繰り出す。
死の間際に近くにいたカスミに接触して体内に種を植え付ける。

 

物語
謎の宇宙生命体を追ったフブキ隊員はオカルト女子大生カスミと再会する。
またもや振り回されるフブキ隊員だったが実はカスミにはある危機が迫っていた。

 

感想
編成の都合等もあって『コスモス』は特撮ヒーロー作品では珍しく全5クール構成となった。第3クールはカオスヘッダーや防衛軍と言った作品のメインに関わる話が続いたが、第4クールでは少し余裕が出たのかサブエピソードや以前の話の後日談等が多くなった。

 

またもやオープニングの映像が一部変更された。
テックスピナーが加わってEYESのメカ大集合となったが逆にEYES隊員の映像が少なくなったのが寂しい。

 

ルナ対ルナ」に登場したオカルト女子大生の三条寺カスミが再登場。
人型宇宙植物生命体の写真を宇宙人の心霊写真として心霊ジャーナルのグラビアを飾ろうとするが、この心霊ジャーナルは法勢大学オカルト研究会発行で編集・発行者はカスミ本人となっている。
今回は前の話でも垣間見られた友達のいないカスミの寂しさを取り上げていて、彼女の驚嘆すべき行動力も実は全て自分一人でしなくてはいけない寂しさを表している事が分かる。

 

原看護婦が登場。カワヤ医師の近くにこんな大人しそうな女性を配置して大丈夫なのかとちょっと心配。

 

サイドバクターに襲われるカスミは死を覚悟する。
「私……私……、カラオケに行った事無いの……。連れて行ってくれる恋人もいないし……。もし……、カラオケボックスで女の幽霊を見たら……私だと思って……」。
悲しむべきかツッコむべきか迷う台詞だ……。
その後、サイドバクターはコスモスによって倒され、カスミは医療室に戻される。眠り続けるカスミにフブキ隊員はカラオケに連れて行く事を約束し、翌朝、朝日が昇ると共に目を覚ましたカスミにフブキ隊員は「よく頑張ったな……」と告げ、カスミは笑顔で「忘れないでね……、約束」と返す。
フブキ隊員がカラオケの約束した時にカスミ自身は眠っていたので、これはその時はまだ残っていたプラテアの能力のおかげなのかもしれない。

 

体内にグリーンベルト星人の種を植え付けられたカスミは突然変異で宇宙人の体になるがその変化に耐えられず体調を崩してしまう。さらにプラテアの記憶も受け継いだカスミは自分の死を予感するが、サイドバクターはコスモスによって倒され、カスミ自身もSRC医療班によって細胞の変化を抑えられて元気を取り戻す事が出来た。
特にフォローが無かったのでグリーンベルト星人の種は医療班によって処理されたのかな。カスミが助かったのは良かったが実はグリーンベルト星人が根絶させられたと言う事実は変わらなかったりする。
今回の話でエクステル星人はエクステル・レイダーとサイドバクターを破壊されたが星人自身は何の攻撃も受けておらず、グリーンベルト星人の根絶と言う当初の目的も達している。そう考えるとちょっと釈然としない結末だった。

 

今回からエンディング曲が変更される予定だったらしいが、エンディングでフブキ隊員とカスミがカラオケで『ウルトラマンコスモス~君にできるなにか』を歌っているので新曲『心の絆』の披露は次回へと持ち越された。
カラオケの場面は二人がエンディングの歌に合わせて歌っている事に注目。
カスミはカラオケに行った事が無いと言っていたが、その割にはカスミよりフブキ隊員の方がカラオケに不慣れな感じがするのは気のせいか?

 

今回の話も『ターミネーター』のオマージュがあるなど全体的にB級っぽさが漂っていて肩の力を抜いて見られる話になっている。一方で「ルナ対ルナ」でも垣間見られたカスミの孤独をフブキ隊員と絡ませて上手く展開していた。
ただ、ゲルワームのドッペルゲンガー能力をオカルトバカ話として上手く物語に組み合わせていた前回に対して今回は宇宙人の心霊写真以外にオカルト要素が無かったので出来ればもう少しオカルト女子大生に合った物語にしてほしかった。

 

同じカスミの話でもギャグ演出の北浦監督とホラー演出の石井監督で違いが出るのが面白かった。