帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「戦士の心得」

「戦士の心得」
ウルトラマンZ』第2話
2000年6月27日放送(第2話)
脚本 吹原幸太
監督 田口清隆

 

透明怪獣ネロンガ
身長 45m
体重 4万t
地中から静岡に現れてクリーンインフィニティ発電所を目指した。
透明になる事が出来る。透明になっている間は体温も周りと同化している。
角から電気を発したり逆に吸収したりする事が出来る。
ストレイジに電界放出弾を打ち込まれて電気の力を失い、最後はアルファエッジのゼスティウム光線で倒された。

 

物語
透明になり電気を発する怪獣ネロンガに返り討ちにされたセブンガー。
ストレイジネロンガに対抗する為の作戦を進め、一方のハルキはインナースペースでゼットと再会する。

 

感想
ゲネガーグの襲撃から地底で眠っていた怪獣達の生体反応が大きくなっているらしい。どうやら『ガイア』でコッヴが地球怪獣を目覚めさせたようにゲネガーグも地球怪獣にとって目覚まし時計のような存在となったらしい。
これまでストレイジウルトラマンがいなくても怪獣事件に対処できていたのだが、ここからはより強力な怪獣が続けて出現するようになって現在の戦力では太刀打ちできなくなっていく。

 

体に異常は無いかとハルキに尋ねるヘビクラ隊長。前回の「ご唱和ください、我の名を!」で死にかけたのを心配しての発言なのだが、ウルトラマンの存在を知っているジャグラーなので「ウルトラマンと一体化した事で体に異変が起きていないか?」と言う意味も含まれていたと思われる。

 

腕相撲で自分に勝った相手と付き合うと言うヨウコ先輩。
こういうキャラ設定って何か80年代90年代っぽいなぁと感じる。

 

枯れ専のヨウコ先輩の憧れの人であるバコさん。
ニュージェネレーションシリーズは若い人が多かったのでこういうベテランの人が入ってくれると安心感が生まれる。
バコさんを演じるのは『ゴジラVSスペースゴジラ』で主人公・新城功二役だった橋爪淳さん。あの若い熱血漢がこんな渋いおじさまになっていたとは四半世紀の時間を感じる……。
ストレイジの整備班は『機動警察パトレイバー』の影響が大きいが、田口監督が『ゴジラVSスペースゴジラ』のファンなのでバコさんに関しては『ゴジラVSスペースゴジラ』を思わせる描写も多い。

 

組織の紹介ナレーションと共にロボットが出撃する場面が格好良い!
ウルトラシリーズは段々とナレーションが使われなくなっているのだが個人的には第1期ウルトラシリーズのようにナレーションを多くしてほしいなと思っている。(『80』並みに多いとちょっと困るが)

 

オリジナルのセブンガーがロボットなのに体表が柔らかくてシワがある仕上がりだったからか本作のセブンガーも平成ゴジラシリーズのメカゴジラやモゲラに比べると硬さを感じない作りになっているのだが動いているところを見るとブリキっぽい感じが出てメカゴジラとは違う方向でのロボットっぽさが出ている。この辺りがロボットだけれどゆるキャラっぽくもあって幅広い層に受けたのかな。

 

ネロンガが出現したのは静岡県ウルトラシリーズは地方ロケとかでないと東京以外の地名が出る事は少ないのだが『Z』は静岡や埼玉と地名が出る事が多い。実際に地名が出ると各地に怪獣が出ている感じが出て物語のスケールが大きくなる。

 

ニュージェネレーションシリーズから変身者がウルトラマンの力を使う場所インナースペースが本格的に使われるようになった。これまでは変身する時にいつの間にかインナースペースに変わっていたのだが本作ではヒーローズゲートと言う扉を通ってインナースペースに入る場面がある。

 

ネロンガと戦っていた時にゼットが現れなかった事に不満を漏らすハルキ。それに対してゼットは「ちゃんとギリギリまで頑張って、俺達の気持ちがグッ!と出来上がってからじゃないとウルトラマンにはなれないんでございますよ」と答える。言っている事に間違いは無いのだが、これまでの作品と違って重みを全く感じないのが凄いなw

 

宇宙でデビルスプリンターと言う邪悪な因子を飲み込んだ怪獣が凶暴化して暴れ回る事件が続いていて、その対応策としてヒカリがウルトラマン達の力を込めたウルトラメダルを開発したのだがゲネガーグに飲み込まれてしまったとの事。
作品ごとに設定がガラッと変わる仮面ライダーシリーズと違ってウルトラシリーズは光の国と言う基本の設定が続いているので様々なアイテムも光の国関係である事が多い。その為、科学者であるヒカリが様々なアイテムを開発する事になるのだが、ストーリーの都合でせっかく開発したアイテムを何度も奪われる事になってしまった……。

 

光の国に突撃したゲネガーグ。さすがに無傷でいられるわけはなく、前回の話をよく見ると体のあちこちに傷を負っている事が分かる。

 

ゼットが自分より年上だと分かると敬語に切り替えるハルキ。まさに体育会系と言う感じがするが、こういうキャラクターはウルトラシリーズでは意外と珍しいかも。上下関係に厳しそうな昭和時代でもどっちが先輩だったっけ?と思ってしまうやり取りが結構あった。

 

ハルキがゼットホルダーが目立つ事を気にするがゼットは地球人には見えない物質で出来ているので大丈夫だと答える。因みに「ゼットホルダーが地球人には見えない」と言うのは途中で追加された設定らしく、ウルトラメダルとウルトラゼットライザーは初期設定のまま地球人にも見えるようになっている。
「ヒーローに変身する人間は変身アイテムをどのように持ち歩けば良いのか」と言うのは結構昔からある問題で、今回の「地球人には見えない物質で作られている」は上手いアイデアだなと思ったが、ウルトラメダルもウルトラゼットライザーも地球人に見えなくしてしまうと物語を作る際に色々と不都合が生じてしまうからか、変身アイテムのセットなのに地球人にも見える物質で作られているウルトラメダル&ウルトラゼットライザーと地球人には見えない物質で作られているゼットホルダーがあると言うちょっとおかしな状態になってしまった。

 

ウルトラマンに変身しようとしたが出来なかった」「隊長との組み手を通して主人公が何かに気付く」等、今回の話は『帰マン』や『ダイナ』を思わせる要素があるが昭和の『帰マン』や平成の『ダイナ』とは違った令和ならではの要素もあるので古くささを感じる事は無い。

 

ヘビクラ隊長の「見えるものだけ信じるな」はまさにジャグラーの話し方になっていた。この時点ではヘビクラ隊長=ジャグラーはまだ確定していなかったが改めて見ると思った以上にジャグラーである事を匂わせている。
因みにヘビクラ隊長がここで言った「見えるものだけ信じるな」は今回の敵であるネロンガの事だけでなく最終的にはジャグラーである自分の事も含めて言っている。

 

姿を消すネロンガを相手にハルキは目を閉じて気配を感じて攻撃する。
「心眼」で戦うウルトラマンと言えばレオ。これはハルキの力だけでなくウルトラメダルに含まれているレオの力も関係していたのかな。

 

ネロンガとの戦いを通してゼットに惚れたヨウコ先輩。
そう言えばゼットはハルキとの会話でアホの子っぽいところを見せているが、そのやり取りを見ていないヨウコ先輩から見たらゼットは神秘的な宇宙の戦士になるんだなぁ……。
それにしても、いくら年上好きとは言え5000歳にときめくヨウコ先輩はさすがにちょっと変……。

 

 

活動報告だけ見たらストレイジのセブンガーがネロンガを倒したと思っちゃうよなぁ。

 

 

「透明怪獣に出会ったら」
ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』第2回
脚本 足木淳一郎
CG 渋谷怜央加
編集 坂口俊昭

 

ゼロは不良漫画の主人公に見えると言われる事があるからかゼロと学校の話題が思った以上に合っている。

 

透明怪獣の対策としてゼロがゼットに教えようとしたのはおそらく心眼であろう。ひょっとしたら師匠のレオから教わったのかもしれない。
5000歳のゼットは心眼の発想が出てこなかったが、ネロンガとの戦いで23歳のハルキは心眼を使う事に成功している。こういうところがウルトラマンと人間の関係の面白いところだと思う。

 

ネロンガの名前について「美味しそうな感じの名前」と感想を述べるゼット。因みにネロンガの名前の由来はメロンでもネオンでもなくローマ帝国の暴君ネロからである。