帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「生中継! 怪獣輸送大作戦」

「生中継! 怪獣輸送大作戦」
ウルトラマンZ』第3話
2020年7月4日放送(第3話)
脚本 吹原幸太
監督 田口清隆

 

冷凍怪獣ギガス
身長 40m
体重 1万5千t
伊豆原高原に出現した。
セブンガーの新兵器・硬芯鉄拳弾を受けて倒された。

 

古代怪獣ゴモラ
身長 40m
体重 2万t
休眠状態で発見された為、ストレイジによって北太平洋無人島に移送される事となった。実は花粉症で、クシャミと共に目を覚ました。
角から超振動波を発する。
ベータスマッシュのゼスティウムアッパーで粉々にされた。

 

物語
失敗続きのストレイジは2号ロボの予算の獲得が難しくなっていた。
そこでクリヤマ長官はアメリカ本部の事務次長にゴモラ輸送作戦を視察させる事を考える。

 

感想
セブンガーの新兵器・硬芯鉄拳弾は完全にロケットパンチであった。
実を言うと自分は1972年から1974年に放送された『マジンガーZ』は見ていない世代なのだが、それでもやっぱりロケットパンチには心が揺さぶられる。

 

セブンガーとギガスの戦いは『ファイト』っぽい感じになっている場面がある。そして後に『ファイト』の影響を受けた『セブンガーファイト』が制作される事になる。

 

「お前達は何かを壊さないと怪獣を倒せんのかぁ!」とクリヤマ長官に怒られるストレイジ。まぁ、あまり建築物が無い所でピンポイントで観測所に怪獣をぶち込んでしまったのでクリヤマ長官が怒るのも無理は無い。

 

クリヤマ長官がいつも以上にヒートアップしていた理由は特空機の2号ロボの予算が観測所の破壊で保留になってしまったから。ツブイマで配信されている小説『擲命のデシジョン・ハイト ーストレイジ創設物語ー』を読むとクリヤマ長官が怒りたくなる気持ちも分かる。

 

花粉症のハルキ。
ウルトラシリーズで花粉症の主人公は過去に『ティガ』のダイゴがいる。

 

ゴモラ岩が本物の怪獣が眠っていた事が判明し、ストレイジゴモラ無人島に輸送する事になる。「害の無い怪獣を無人島に移送する」と言う展開で思い出すのが『コスモス』。『オリジンサーガ』でアスカとムサシと対立したジャグラーだが、何の因果か『Z』では『ダイナ』や『コスモス』を思わせる話が何度か出る。

 

ゴモラが移送される予定だった島の名前は「スフラン島」で後に『セブンガーファイト』にも登場している。
因みに田口監督が脚本・監督を手掛けた『ゾーン』のドラマコーナーでもスフラン島が舞台となる「スフラン島の秘密」と言う話がある。

 

今回のゴモラ輸送作戦はストレイジの特空機の価値を示すデモンストレーションでもあるのでTVでの生中継が行われている。現在の世の中で特別チームの作戦をTVが中継しないのはあり得ないので、こういうシチュエーションはもっと増えてほしい。

 

ヨウコ先輩にウルトラメダルを渡してほしいゼットだったが言葉が通じないので気合いとボディランゲージで必死に伝える事に。タロウだったら日本語で直接コミュニケーションが取れたのだが……。(その割にゼットの掛け声って他のウルトラマンより日本語っぽいよね)

 

ベータスマッシュ登場。
仮面ライダーに比べてウルトラマンはあまり顔をいじらないイメージがあったので赤いマスク状の顔はインパクトがあった。
「赤いアイツ」に似ていると話題になったが、個人的にはウルトラマンなのでやっぱりゼアスの方が近いかなと思う。

 

ベータスマッシュのファイトスタイルはプロレス。他のウルトラマンに比べて筋肉が付いていて、顔も赤いマスクを付けているように見えて、演出でもゴングや有刺鉄線電流爆破や凶器攻撃があったりと徹底されていて面白かった。ゼットのスーツアクターを担当している岩田栄慶さんがプロレスを知っているので今後もベータスマッシュでは色々なプロレスのムーブが見られる。
昭和ウルトラシリーズの頃はプロレスブームでウルトラマンの戦い方にもプロレス的なものがあったのでベータスマッシュの戦い方は原点回帰とも言える。出来れば肉弾戦のみで戦ってほしかったがエースのウルトラメダルもあるので光線技を使うのは仕方が無いかな。

 

同じウルトラシリーズと言っても作品ごとに設定や考え方が微妙に違っていて、たとえば『コスモス』だと今回のゴモラは倒さないで鏑矢諸島に移送して話が終わっていただろう。
今回は『大怪獣バトル』や『X』で主人公側の怪獣だったゴモラだったので余計に「あ、倒しちゃうの?」と思ってしまうところはあった。ここは同じキャラクターを設定を変えて登場させるニュージェネレーションシリーズの難しいところが出たと言える。

 

「凄いですなぁ、セブンガーは……。ウルトラマンですらあんなに苦戦したゴモラ相手に大健闘だったんじゃないんですか。この調子でいけば、いつの日かウルトラマン以上のロボットを開発する事も可能なんじゃないんですか?」。
セブンガーやストレイジが認められた嬉しい台詞ではあるが、ここで言われている「ウルトラマン以上のロボット」は後に皮肉な形で実現する事となってしまう。

 

 

 

 

「師匠の友達」
ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』第3回
脚本 足木淳一郎
CG 渋谷怜央加
編集 坂口俊昭

 

本編に続いてボイスドラマでも赤いキャラクターが登場。
グレンファイヤーってこういうコミカルな日常系にピッタリだなぁ。