『セブンガーファイト』
2021年3月17日~4月23日配信
脚本 足木淳一郎
監督 田口清隆
『Z』のスピンオフ作品でツブイマで全7話が配信された後、スフラン島三部作が『ウルトラマンZ完全超全集ストレイジBOX』の特典DVDに収録された。
第1話と第2話は『Z』本編の前日談、第3話から第5話までとスフラン島三部作が『Z』本編の幕間、第6話と第7話が『Z』本編の後日談となっている。
円谷プロは2021年3月に「TSUBURAYA IMAGINATION」のサービスを開始し、そのオリジナルコンテンツの一つとして本作が配信された。
サブスクはTV作品や劇場作品に比べて低予算なイメージがあるが『ファイト』だと逆に低予算ならではを売りに出来るところがある。50年以上前に円谷プロの危機を救った『ファイト』だが、その後も色々なところでその形を参考にした作品が出てきているところを見ると、色々と厳しい意見も言われたがあの時に『ファイト』を制作した事はウルトラシリーズだけでなく円谷プロにとっても大きかった事が改めて分かる。
「必殺! セブンガーかすみ斬り」
2021年3月17日配信(第1話)
いきなり「エリマキが取れたジラース」と言うギリギリなネタをやってきたのに驚いたw
セブンガーの出撃シーンは『Z』本編の流用。『ファイト』でもセブンが飛んで宇宙に帰る場面では本編の流用があった。
ジラースとの決着は『初代マン』の「謎の恐竜基地」の再現となっている。
『Z』の「二号ロボ起動計画」でカブラギが入手したジラースのサンプルは今回の話で回収されたものだったのかな。
ところで本作はどの辺りまで台本があってどこからアドリブなのかな? ハルキにジラースの分析をしているのか尋ねられた時のユカのリアクションが完全に素の黒木ひかりさんになっていた感じがする。
「本家特空機の意地を見せろ」
2021年3月17日配信(第2話)
再登場の機会が少ない『コスモス』の怪獣の中でも特に再登場が難しそうなヘルズキング改の登場に驚き。
宇宙人のロボットを地球人が回収して防衛に転用しようとするのはキングジョーストレイジカスタムと同じだがヘルズキング改は『コスモス』の「禁断の兵器」の時と同じく暴走してしまったようだ。
違う宇宙なので強さも違っていると思われるが『コスモス』では改造前の時点でコスモスのコロナモードを上回る戦闘力を誇るヘルズキングをセブンガーが真正面から倒したのは驚いた。
「その銃弾で血に染めろ」
2021年3月26日配信(第3話)
前回までは『Z』本編の前日談だったが今回は「神秘の力」の後日談でピット星人が地球に持ち込んでいたエレキングが登場している。
ライフルに岩投げと戦いの中でセブンガーの動きを真似ていくエレキングの学習能力の高さに驚く。
エレキングがライフルを使うのは『ファイト』の「ヤクザ番付」の再現。
ライフルを持った怪獣との追いかけっこだと「怪獣わんぱく戦争」の再現でもあったのかな。
「ダンカン捕獲作戦!」
2021年4月2日配信(第4話)
これまで山奥が舞台だったが今回は街が舞台。街中で追いかけっこをするのは『セブン』の「蒸発都市」の再現。
ダンカンの肩書きを「発泡スチロールの発泡」と言ったユカがヘビクラ隊長に違うとツッコまれるが漢字自体は発泡スチロールと同じ発泡で合っていたりする。
『セブン』のダンカンはかなり知能の高い生命体だったが今回のダンカンは小動物のようなキャラクターになっている。
セブンガーがダンカンをあやす時の言動は『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』のムツゴロウさんかな。
『Z』の「滅亡への遊戯」でウルトロイドゼロに吸収されたダンカンは今回登場した個体なのかな。
「壮絶! セブンガー引退試合」
2021年4月9日配信(第5話)
コミカルでシュールなイメージが強い本作であるが今回はセブンガーの退役前最後の戦いとしてかなり盛り上がって泣ける話になっている。
全く同じ姿だからか共演が難しいガラモンとピグモンが一緒に出ると言う面白い回。大きさも違うがガラモンは敵でピグモンは味方と言う違いもある事が改めて分かる回。
ピグモンが踏み潰されてしまったのは驚いた。
このあっさりと怪獣が命を失ってしまうのもある意味で『ファイト』らしい。
『ファイト』関係の作品は低予算の印象が強いので最後の予想以上の大爆発には驚いた。
「怪獣無法惑星」
2021年4月16日配信(第6話)
今回と次回の前後編は『Z』本編の後日談となっている。
『Z』の「遙かに輝く戦士たち」で宇宙に旅立つハルキを応援する為に宇宙用ロボットを作ると言う話があったが本当に宇宙セブンガーが作られる事になる。
今回はブルトンを解析して他の星へのワープ実験を行ったとの事。ユウキ・マイ以上にヤバい技術に手を出しているじゃないかw
寝ていたエレキングをガゾートが踏みつけて喧嘩になってしまう。
怪獣がその辺りで寝ていると言うのが実に『ファイト』らしい。
知名度はあるが再登場の機会が少ないガゾートの登場に驚いた。
「帰ってきた赤いアイツ」
2021年4月23日配信(第7話)
宇宙セブンガーは見た目は同じだが中身はキングジョーストレイジカスタムのデータをフィードバックしているらしく、かなり強くなっている。
ガンダー、ガラモン、イカルスが崖の上に現れてセブンガーの周りに降り立つところは昭和の仮面ライダーシリーズのような演出だった。(因みに本作のロケ地は東映のヒーロー作品でよく使われる岩船山だったらしい)
サブタイトルにもあるように今回は「赤いアイツ」こと『レッドマン』の再現シーンがある。
『ファイト』に倣って本作でも宇宙人に「星人」が付かなくなっている。
『セブンガーファイト』はジャグラーを始めとしたストレイジのメンバーが戦いの解説をしているが今回の完全プロレスな戦いを見ていると『ファイト』のようにプロレスの実況や解説者が解説をするパターンも見てみたかった。
『シン・ウルトラマン』が2021年に公開される予定だったので『Z』は劇場版が制作されなかったが今回の話でゼットやハルキやジャグラーとの再会や宇宙セブンガーの開発と『Z』のその後が見る事が出来たのが嬉しかった。
この後、第8話「恐怖の要塞ロボット」と第9話「灼熱! 凍結! 大地獄!!」と第10話「獅子の瞳が輝く時!」のスフラン島三部作が『ウルトラマンZ完全超全集ストレイジBOX』の特典DVDに収録された。
レオとセブンガーの再会も驚くがそれ以上にビームミサイルキングの再登場に驚いた。
セブンガーが主役の作品として本作の他に『てれびくん』で2021年4月号から2022年4月号まで連載された『戦え! セブンガー』がある。『Z』本編の前日談で、ウルトラシリーズでありながらウルトラマンが主役ではないと言うかなり驚きの作品となっていて、当時のセブンガー人気の凄まじさを感じる。