帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「揺れるココロ」

「揺れるココロ」
ウルトラマントリガー』第10話
2021年9月25日放送(第10話)
脚本 林壮太郞
監督 辻本貴則

 

変身怪獣ザラガス
身長 40m
体重 2万t
地下で眠っていたところをダーゴンの地団駄による衝撃を目を覚ました。
攻撃を受けると細胞変化を起こしてパワーアップし、堅い甲羅に身を包んだ第一形態、強烈な光で相手の目を潰す第二形態、光る角から電撃を発する第三形態へと変化した。
GUTSファルコンの液体窒素を受けて細胞変化を抑えられたところをトリガー・パワータイプのデラシウム光流で倒された。

 

物語
以前に顔を引っぱたかれてからユナの事が頭から離れないダーゴン。
それを見たイグニスはダーゴンが恋をしているとアドバイスをする。

 

感想
空気イスで苦悩したり怪人の姿で真っ昼間から街中で学生姿のユナを尾行したりイグニスに教えられた恋のテクニックを間違った形で披露したりとダーゴンさんが面白い回。
前回の話で『トリガー』と『ティガ』の世界の関係が判明して『トリガー』の世界で何かあっても『ティガ』の世界に直接影響を及ぼす事は無いとなったからかこの辺りから『ティガ』とは違った『トリガー』独自の要素が強化されていく事になる。
今回のダーゴンラブコメ編は『ティガ』とは全く違う雰囲気の話だが『トリガー』ならではの雰囲気が定まった話と言える。

 

3000万年前や現在の地球に怪獣が頻繁に出現するようになったのはエタニティコアが原因であったと推測される。
100年前にヒュドラムの封印が解けて、6年前から怪獣が出現するようになって、今年に入ってカルミラやダーゴンが復活するとそれぞれにタイムラグがあるのだが以前に書いたように3000万年における100年は100年における2時間か3時間くらいなものなのでこのくらいのズレはあり得るのかなと思う。

 

アキト「何のつもりだ?」、
ダーゴン「この顔を見て分からんはずがなかろう」、
アキト「分かるか!」、
ダーゴン「では、これは?」、
アキト「何だ?」、
ダーゴン「笑っている顔なんだが」、
アキト「さっきと変わんないだろ! 誰が分かんだよ」、
ケンゴ「いや! 確かに笑っている気がする!」、
アキト「嘘だろ!? じゃ、さっきの顔は何だったんだよ?」、
ケンゴ「多分だけど、あれは恋する顔だ!」、
ダーゴン「その通り!!」。
マスクなので表情が変わるはずが無いダーゴンと何故か分かってしまったケンゴと言うギャグシーンなのだが、実はこれはケンゴもダーゴンと同じ闇の巨人だったので表情を読み取る事が出来たと言う伏線だったのが上手かった。(実際、この直後にケンゴはトリガーダーク時代の記憶を一瞬蘇らせる)

 

戦う事が全てだったダーゴンがユナに攻撃されるのを嫌がるって相当重症だよなぁ。

 

ヒュドラムには故郷の仲間達を喰われた恨みがあるが恋するダーゴンにはちゃんとアドバイスをしていたイグニス。
一部の人間の罪を広げて人間全て滅びるべしと言う存在もいる中、同じ闇の巨人であっても一括りにしないでヒュドラムとダーゴンを分けて考えて接する事が出来るのがイグニスらしい。

 

電車が走ったり少し前まで人がいたであろうTVが点けっぱなしの部屋だったりと辻本監督回の特撮は実際に人間が出る事が無くてもちゃんとその街には人間が住んでいる事を感じる作りになっている。

 

ダーゴン「何故逃げない? 弱き者が何故抗う? 何故そうも立ち向かうのだ?」、
アキト「力の強さは関係無い!」、
ユナ「誰かを守りたい誰かを助けたいと言う強い気持ちが私達を動かしているだけ!」。
このやりとりを経て今まで物理的な強さばかり追い求めていたダーゴンは精神的な強さに着目するようになり、トリガーとザラガスの戦いからユナとアキトを守ると物理的な強さでは天と地ほど違うアキトを自分の好敵手として認めるようになる。

 

ダーゴンにお前もユナに恋をしているなと指摘されて「何言ってんだよ!?」と慌てて否定するアキト。それに対してユナは特に驚かず「分かってた」と言う感じの表情をしている。と言うか、おそらくGUTS-SELECTの全員がアキトの気持ちはとっくの昔に分かっていたんだろうなぁ。アキトだけが自分の気持ちは周りにバレていないと思っていそう。

 

「生きとし生けるものは恋を重ねて強くなる。その強さとはすなわち「誰かを守りたい」と言う強き心。決して侮るなかれ、強き心を持つ弱き人間達を……」。
ダーゴンさん、アンタはもう光の巨人だよ……と言いたくなる台詞。
だが、「恋」は人を強くするだけでなく弱くする事もあるし「誰かを守りたい」だけでなく「誰かを滅ぼしたい」と言う心を生み出す事もある。皮肉にもこの後のダーゴン達闇の巨人はカルミラの恋によって破滅していくのだった。

 

 

「休息」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第10話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

タイトルにあるように息抜き回。ホッタのおじさんは息抜き出来なかったが。