帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「マイフレンド」

「マイフレンド」
ウルトラマントリガー』第23話
2022年1月8日放送(第23話)
脚本 ハヤシナオキ
監督 坂本浩一

 

邪神メガロゾーア
身長 60m
体重 6万t
ヒュドラムとダーゴンの闇を吸収したカルミラがエタニティコアの力に触れて変身した姿。
世界を暗黒に塗り潰す闇の支配者。

 

物語
カルミラがヒュドラムを手にかけた事を知ったダーゴンは遂にカルミラと決別する事を決めるがカルミラは強力になった闇の力でダーゴンを操ってしまう。
闇の一族とは違う強さを持つ人間に惹かれたダーゴンが最後に求めた望みとは……。

 

感想
ナースデッセイ号で記念写真を撮るGUTS-SELECT。もちろん元ネタは『ティガ』の「輝けるものたちへ」のラストシーン。
ふと思ったのだが『トリガー』の「スマイルスマイル♪」は「輝けるものたちへ」の「1+1は?」「ニー!!」の笑顔から来ていたりするのかな?

 

カルミラはダーゴンに闇の力を込めて自分の支配下に収めてしまう。
これまで闇の巨人達は闇の力を込めた闇怪獣達を使役していたが今回のカルミラはダーゴンにそれをする事でダーゴンを自分と対等の立場である仲間ではなく道具として扱う事を示した。

 

カルミラの呪術で暴走したダーゴンだったがユナの危機を救って正気に戻る。
イグニスが変身したトリガーダークの話で闇は必ずしも負ではない事は分かったのだがそれでもつい「ダーゴンさん、アンタ本当に闇の巨人?」と言いたくはなるw

 

闇の一族には無い強さを持つ人間に惹かれている事を語るダーゴン。それを聞いたユナ達はダーゴンに仲間にならないかと告げるが、ダーゴンはその前に悔いが残らないよう3000万年前からのトリガーとの決着を望む。
ダーゴンのキャラクターはウルトラシリーズと言うより少年漫画のバトル作品に近い。自分の世代だと『キン肉マン』のバッファローマンやサンシャインやアシュラマンと言ったところであろうか。
ウルトラシリーズはSFや怪獣の要素があるがバトル要素もかなりある作品なのでバトル漫画の展開やキャラクターもドンドン取り入れていってほしい。

 

トリガーとダーゴンの決闘で「全力で来い!」と言うダーゴンの言葉にケンゴが最初からグリッタートリガーエタニティに変身して戦うのが良い。やはりこう言うのは出し惜しみの無い戦いをしてほしい。

 

トリガーとの決闘を邪魔するカルミラにダーゴンが「我が最後の願いさえも踏みにじると言うのか!」と怒るが、この時のダーゴンの状況は「人間に惹かれて仲間になる事を考え、その前にケジメとして光となったトリガーとの正々堂々の戦いを望む」なので、そりゃカルミラはそんな事知ったこっちゃないになるよなぁ……。(ただ、ダーゴンはトリガーとの決着を「最後の願い」と言っていたので人間の仲間にならず死ぬつもりだった可能性があるが)

 

もう攻撃力では太刀打ち出来なくなってしまったが機動力で暴走したダーゴンを振り回したGUTSファルコン。やはりヒマリの操縦技術は凄い。

 

ダーゴン「トリガー……! そして強き人間達よ……! 我を、カルミラに操られた我を止めるのだ! 我の誇りの為に……! この強さを教えてくれたユナを我が剛力で傷付けない為に……!」、
アキト「お前も……ユナを守りたいんだな」。
アキトとダーゴンはユナを巡っての話が序盤からあったが最終的に二人の目的が「ユナを守る」で一致する事になる。目的は同じなのだが今回の話でユナを危険にさらすのがダーゴン自身となったので、「ユナを守る」と言う目的の為にアキトがダーゴンを倒す事になるとして二人の決着へと繋げるのが上手かった。

 

タツミ隊長の命令が「暴走するダーゴンを止め、シズマ隊員を救出するんだ!」なのが良かった。立場上、トリガーとダーゴンの決闘に対して出撃の準備をしていたタツミ隊長だったがダーゴンは悪ではないし倒す相手でもないと言う事を分かっていた。

 

ダーゴンの願いを受けてアキトはナースデッセイ号のバトルモードでリブットのGUTSハイパーキーを使ったマキシマ・ギャラクシウムでダーゴンを倒す。
ウルトラマンに変身してユナを守りたかったがそれが叶わなかったアキト。しかし、彼が開発したGUTSハイパーキーとナースデッセイ号バトルモードでウルトラマンの力を使ってユナを守る事になる。アキトはウルトラマンの力でユナを守る事が出来たと言える。

 

ダーゴンの最後の言葉となった「マイフレンド」は『ティガ』の『THE FINAL ODYSSEY』のダーラムの言葉が元ネタ。これまでダーゴンは日本の武人みたいなキャラクターだったので最後にいきなり英語を使ったのにはちょっと驚いた。

 

ダーゴンにトリガーとの決着を付けさせてあげたかったなと思ったが、古今東西、こう言うのって何故か望んだ決着を付けられないで終わる事が多い。

 

『ティガ』の『THE FINAL ODYSSEY』ではティガダークがダーラムとヒュドラの闇を吸収していたが『トリガー』ではカルミラがヒュドラムとダーゴンの闇を吸収する事となった。

 

今回の話で視聴者からのヘイトを集めそうなカルミラであるが、今回のアキトとダーゴンにとってのユナのような存在を失ったのがカルミラだったりする。
今のカルミラはもう自分が愛したトリガーがいない事を理解している。だから今回のカルミラはトリガーの事を「トリガー」ではなく「マナカケンゴォ!」と呼ぶ。

 

ダーゴンは人間の「心の強さ」に惹かれたが、そう言えば闇の巨人は意外とメンタルが弱かった。仲間割れのきっかけもキリエル人の精神攻撃だったし。

 

今回の話を見て思ったが『トリガー』と言う作品は「アキトが中心にいて超古代のウルトラマンであるケンゴと宇宙人のウルトラマンであるイグニスを自分が開発したアイテムでサポートしてヒロインのユナを守っていく」とアキトを中心に置いた方が色々とスッキリするところがある。

 

 

「GUTS-SELECT」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第23話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

マルゥル以外の本編キャラクターは登場しない本作であるが今回の話でヒマリが声だけ登場している。「ファルコンちゃぁん!!」だけで彼女と分かってしまうw さすがだw