帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「狙われた隊長 ~マルゥル探偵の事件簿~」

「狙われた隊長 ~マルゥル探偵の事件簿~」
ウルトラマントリガー』第13話
2021年10月16日放送(第13話)
脚本 足木淳一郎
監督 内田直之

 

物語
タツミ隊長との連絡が取れなくなり、マルゥルは基地に残された赤い液体からタツミ隊長が何者かによって消されたと推理する。
果たして名探偵マルゥルは事件の謎を解く事が出来るのか!?

 

感想
恒例のTVシリーズ中盤での総集編。
『トリガー』は本編に組み込まれる総集編をマルゥルが担当し、本編とは別の特別総集編はデバンが担当していて、この後の『ウルクロD』ではマルゥルとデバンがコンビを組んでナビゲートをするようになる。

 

今回は推理編と言う事で推理作品のパロディが多くある。
サブタイトルの「マルゥル探偵の事件簿」と決め台詞の「メトロン星人の名にかけて!」が『金田一少年の事件簿』。
マルゥルが暗い部屋で視聴者に向けて話しかけるのが『古畑任三郎』。
「見た目は子供でも頭脳は宇宙人!」と「真相は一つ!」が『名探偵コナン』。
「小林少年」は明智小五郎の『少年探偵団』。
「牧」と「三沢」は『怪奇大作戦』。
マルゥルが考える時の「ポクポク……」と言う言葉とポーズは『一休さん』。
「謎は全てまるっと解けたぜ」は『トリック』。
他にも「デカ長」とか「カツ丼食うか?」とか昭和の刑事ドラマっぽい台詞も多い。

 

超古代の戦いでトリガーのパワーとスカイの光が遺跡に吸い込まれたと言うケンゴの話を聞いたアキトは遺跡の一部を使って石版が掘られたのではないかと推理する。これによって石版から取り出した光でパワーとスカイのGUTSハイパーキーが作り出せた理由が判明する。

 

マルゥルの部屋は彼の趣味を反映させて昭和レトロな感じになっている。
伏井出ケイの本やザム星人の人形と言った『トリガー』に登場していない宇宙人や怪獣の物もある。
さらに超危険な宇宙ケシの実まである。マルゥル、無害そうに見えてとんでもないものを地球に持ち込んでいたなぁ……。

 

GUTSハイパーキーの怪獣の力は地球人が遭遇した怪獣の他にマルゥルが地球に持ち込んだ宇宙怪獣の情報も使われているらしい。
それにしても宇宙人で能力も高いマルゥルですら理解出来ないGUTSハイパーキーを運用しているアキトはやっぱり凄いな。

 

『ナースデッセイ開発秘話』でマルゥルはタツミ隊長にスカウトされたと語っていたが今回はその詳しい経緯が明らかになる。
子供なのに何故か『男はつらいよ』の寅さんの格好をしているマルゥル。部屋にもパチンコの攻略本があったりと地球の大人に憧れているのかな。

 

ケンゴの正体が「3000万年経って復活したトリガー自身」「トリガーに芽生えた光から生まれた存在」「この時代に転生した」と言葉で分かりやすく説明された。
これらを聞いたアキトは自分がトリガーに変身できなかった理由を理解する。
又、ケンゴの母レイナはケンゴの正体を知っていたらしい事も語られた。

 

アキトとユナに自身の秘密を打ち明けたケンゴは最後に「母さんは母さんだし。僕がこの時代に転生したのもきっと意味があるんだと思う」と言って話を締める。それを聞いたアキトは「強いな、お前は」と珍しく素直にケンゴを称える。その後もユナを守りたいと宣言するケンゴに「信頼してるぞ」と言ったり今回はケンゴに対する好感度がかなり高い。

 

アキトの研究室で初期型のGUTSスパークレンスを見付けたイグニス。アキトによると失敗作で使える代物ではないとの事だがトリガーの力を制御したいイグニスはそれを手に入れ、さらに研究室のデータバンクに怪獣の情報がストックされている事を知るとザイゴーグとホロボロスのデータを使って新しい怪獣キーを作ってしまう。

 

前回の戦いでグリッタートリガーエタニティの力を使いこなせなかったケンゴはもっと頑張らないとと決意を新たにする。又、超古代では結局はユザレを守れなかった事から今度はユナを必ず守るとして、事件解決後も皆を見て「皆の笑顔を守る。光の化身として……!」と心の中で決意している。
元々、周りの笑顔を守る為に自分は笑顔を失って戦っていたケンゴだが、自分が普通の人間ではない光の化身であると知ったからか今回の話では必要以上の覚悟をしてしまったところがある。

 

今回の演出は全体的に実相寺監督を意識しているようだった。

 

タツミ隊長失踪事件の真相は予想通りにくだらないオチであった。
こういう肩の力を抜いた話が出来るのが総集編の面白いところ。
「やっぱり、TVのようにはいかないか……」。

 

 

「宇宙人会議」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第13話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

前回の流れを受けてマルゥルが他部署の宇宙人達と会議をする話。
TPUってこんなに宇宙人がいるの?と驚く。『ティガ』の地球が人間達の手でじっくりと技術を進歩させていったのに対して『トリガー』の地球は宇宙人の協力を得て一気に技術を進歩させた感じがする。

 

マグマ星人の知り合いの知り合いを辿ったらブラック司令に辿り着くらしい。マグマ星人ババルウ星人は色々な作品で共演しているし、内山まもるさんの『レオ』の漫画ではババルウ星人とブラック司令は協力者となっているので、確かにマグマ星人の知り合いの知り合いはブラック司令になる。(因みにブラック指令の名前は『レオ』では「指令」だが内山まもるさんの漫画と今回の『ナースデッセイ開発秘話』では「司令」になっている)

セミ人間の言葉はマルゥル達も理解できないらしい。まぁ、宇宙人と言ってもそれぞれ別の星の出身だもんなぁ。

 

本編もパロディやオマージュの多い回だったが今回の『ナースデッセイ開発秘話』の宇宙人会議も小説『怪獣絵物語 ウルトラマン』にあった宇宙人達の会議をオマージュしたものだったのかな?