「インター・ユニバース」
『ウルトラマントリガー』第7話
2021年9月4日放送(第7話)
脚本 小柳啓伍
監督 田口清隆
ウルトラマンゼット
身長 2m~52m
体重 120kg~3万3千t
キングジョーストレイジカスタムを奪ったバロッサ星人を追いかけるがブルトンの能力でトリガーがいる次元に迷い込んでしまう。その際にウルトラゼットライザーが壊れてウルトラメダルも奪われてしまうがアキトにウルトラゼットライザーに残っていたエネルギーをGUTSハイパーキーに移された事でGUTSスパークレンスで変身して戦えるようになった。
戦いが終わった後、バロッサ星人からウルトラメダルを盗んでいたイグニスからウルトラメダルを返してもらった。
特空機1号改宇宙セブンガー
身長 55m
体重 3万8千t
バロッサ星人に奪われたキングジョーストレイジカスタムを取り戻す為に出撃するが別の次元に逃げられてしまう。
特空機3号キングジョーストレイジカスタム
身長 58m
体重 5万t
バロッサ星人に奪われてブルトンによって別の次元に飛ばされ、トリガーがいる地球に墜落してTPUの監視下となる。
四次元怪獣ブルトン
身長 60m
体重 6万t
バロッサ星人が持っていた赤と青の隕石を合体させて誕生させた。
ゼットとキングジョーストレイジカスタムとバロッサ星人を別の次元に飛ばしてしまう。
海賊雛怪獣ベビーザンドリアスケダミャー
身長 60cm
体重 5kg
バロッサ星人の相棒的存在で「オヤビン」と呼んで慕っている。
会話が出来る特異種で地球の言葉を喋らないバロッサ星人の通訳を担当する。
バロッサ星人が倒されるとイグニスに糞をかけて親分の仇を取って地球を去っていった。
海賊宇宙人バロッサ星人(4代目)
身長 2m~53m
体重 110kg~2万5千t
キングジョーストレイジカスタムを奪うがゼットやストレイジの追跡を受け、ブルトンを使って逃げようとするが自身も別の次元に飛ばされてしまった。
地球の言葉は喋らずケダミャーに通訳させる。
イグニスにウルトラメダルを奪われるがジュランの実で巨大化して奪い返そうとする。最後はゼットのデスシウムクローとトリガー・マルチタイプのゼペリオンクローインパクトで倒された。
物語
バロッサ星人にキングジョーストレイジカスタムを奪われたゼットとストレイジは追跡するがバロッサ星人が持ち出したブルトンの能力でゼットが別の次元に飛ばされてしまう。そこはトリガーがいる地球だった!
感想
『Z』の後日談。別次元である『Z』のメンバーがどうやって『トリガー』の次元にやってくるのかなと思って見ていたらバロッサ星人が雑にブルトンを出してきて思わず笑ってしまった。かなり厄介な上に対処を間違えたらグリーザが出てくる危険極まりない存在であるブルトンをそんなあっさりと出すなよw
前回の「一時間の悪魔」に続いて今回もロボットであるキングジョーストレイジカスタムが登場する事になって劇中でもGUTS-SELECTがロボット怪獣が続けて出現した事に何か意味があるのかと疑問を出したのが細かくて良かった。
キングジョーストレイジカスタムを分析したアキトは宇宙から落ちてきたロボットに地球の技術が使われている事を不思議に思う。『X』の「勝利への剣」もだったが同じ地球でながら別の次元で違う発展を遂げた特別チームが出会うと言うシチュエーションはウルトラシリーズでもまだあまり無いものなので新鮮でワクワクする。
ケンゴを見たハルキは「もしかしてあなたってこっちのウルトラ……」と言ってしまう。いや、お前、自分も正体を最後まで明かさなかったのに何故にそんな事を言っちゃうの!?
「ナイス・チュー・ミー・チュー。私はウルトラマンゼット」。
ゼットさん、自己紹介するだけで面白いのズルいw
ハルキ「俺はゼットさんと宇宙で一緒に戦っているんです」、
ケンゴ「一緒にってどういう?」、
ハルキ「あれ? あなたもそうなんじゃないんですか?」、
ケンゴ「僕、マナカ・ケンゴって言います。ウルトラマントリガーやってます」、
ゼット「ほぉ。彼がそのウルトラマンご本人と言う事だな」、
ハルキ「あぁ、そういう事ッスか」。
同じウルトラマンと言ってもウルトラマンと地球人が合体するパターン、ウルトラマンが地球人に変身するパターン、人間がウルトラマンの力を得るパターンと色々ある。ここではそのタイプの違いを取り上げているのだが、ここでゼットがケンゴを見て言った「ウルトラマンご本人」と言うのが「人間がウルトラマンの力を得たタイプ」ではなく実は「ウルトラマンが人間に変身したタイプ」だった事が後に明らかになる。この伏線の張り方は実に上手かった。
別次元に飛ばされる際にハルキのウルトラゼットライザーが壊れてウルトラメダルも奪われてしまった。
色々仕方が無い事情があるのだが、前回のジードライザーに今回のウルトラゼットライザーとヒカリが作った変身アイテムってよく壊れる気がする。
自分以外の面子がウルトラマンの中で「俺はウルトラマンじゃ……」とちょっと拗ねるアキトであったがそのウルトラマン達に頼りにされてつい口が緩んでしまう。
「ウルトラマンになりたかったがなれなかった人物」と言う点ではアキトはジャグラーと同じなのだが今回の話のようにウルトラマン達に頼りにされる事があるからかアキトはジャグラーのようにウルトラマンに対するコンプレックスを拗らせる事は無かった。
聴診器にザラブ星人が携帯していた電子頭脳のようなものが繋がれた謎の装置でインナースペースの中の会話を盗み聞きするイグニス。光の国の技術を超えて盗聴できるって凄いな。
イグニスはウルトラマンの力が使えるウルトラメダルに興味を示す。因みにザラブ星人はウルトラシリーズで初めての偽ウルトラマンとなっているが、これは後にイグニスがウルトラマンの力を違法に手に入れる伏線でもあったのかな。
闇の巨人達はいつもは海底にいるのだが別次元から来たバロッサ星人の様子を見に人間大で地上にやってくる。
第5話でユナに引っぱたかれた事を今も考えているダーゴンに第6話でトリガーに倒された時の傷がまだ癒えていないヒュドラムとそれを楽しそうにからかうカルミラ。こういう彼らの戦い以外の場面はもっと色々見たかったな。
海賊のバロッサ星人とトレジャーハンターのイグニスの対決はマニアックなネタでシリーズを昔から追いかけている人ほど楽しめるものとなっている。
そう言えばウルトラシリーズも怪獣や宇宙人の共演が増えてきたが今回の「ものを手に入れる」と言う共通点を持っているバロッサ星人とイグニスと言ったように似た設定の敵キャラをあえて絡ませるパターンは意外と見ない気がする。
バロッサ星人の肩に乗っているベビーザンドリアスのケダミャーは海賊の肩に乗っているオウムをイメージしたキャラクターであろう。
因みに海賊の船長の肩にオウムがとまっているは『宝島』に登場する海賊ジョン・シルバーとオウムのフリントが始まりらしい。
ハルキに「ウルトラマンをやっていて一番大変な事」を尋ねて「ウルトラマンである事は凄い重責ですよね」と同意を求めるケンゴ。それに対してハルキは「大変だとは思っていない」「重責とも思っていない」と答える。実にハルキらしい答えである。一方でケンゴがこれを口にしたと言う事はケンゴはウルトラマンである事は大変で重責を感じていると言う事である。
ハルキはウルトラマンについて何かあったらゼットに相談すれば良いがケンゴはウルトラマンとしての悩みを相談できる相手がいない。アキトはケンゴの事情は知っているが超古代の力は持っていないし逆にユナは超古代の力を持っているがケンゴの事情を知らない。いつも明るいイメージがあるケンゴだが実は孤独を抱えている事が垣間見える場面であった。
ナースデッセイ号の兵装について話が出来る相手はアキトにとって嬉しい存在だと思われるが、残念ながらハルキはどちらかと言うとテッシンに近いキャラクターであった。
ようやく自分と同レベルで兵装の話が出来る相手が現れたと思ったら自分が苦手なタイプでもあったとは気の毒である。
アキトはウルトラゼットライザーに込められているエネルギーをブランクキーに移す事が出来ればGUTSスパークレンスでハルキが変身できる事を思いつく。
GUTSスパークレンスにウルトラゼットライザーにジードライザーと変身アイテムは違うがそこで使われるウルトラマンの力は同じと言う事なのかな。
なんか今回のケンゴは妙にアキトに馴れ馴れしかった。
GUTSファルコンの場面で聞こえてきた謎の奇声ってヒマリ? 何事かと思った。
次元が違っても妙に強い「ショーバイハンジョー!!」。どうしてこんなに強いんだ?
アキトの説明をちゃんと聞いていなかったのでGUTSスパークレンスをちゃんと扱えなかったハルキとゼットに笑う。
やはり『Z』の「ご唱和ください、我の名を!」での変身アイテムの使い方講座は画期的な名(迷)場面だったんだなぁ。
別次元に飛ばされたゼットを見付けてやってくるベリアロク。なんかもうゼロ並になんでも出来るようになったなぁ。
今回の話を見て思ったのだが意外と『トリガー』って『Z』に比べて笑いを狙う場面が少ないのかな。『Z』はシリアスな中にもコミカルな場面を差し込んでくるが『トリガー』はシリアスなところとコミカルなところがきっちり分けられている感じがした。
今回の話は『Z』で軍事考証を担当したら小柳啓伍さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。
「ヒントを探せ」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第7話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介
GUTSファルコンに使う素材の強度不足が解決できない特務3課に食堂の出前のアルバイトをしているペダン星人がやってくる。宇宙でも金属素材の扱いに一流であるペダン星人にホッタさんとマルゥルも期待するがペダン星人でも文系なので詳しく知らないとの事。まぁ、同じ地球人だからと言ってテッシンがアキトのようにウルトラマンの変身アイテムの代用品を用意できるかと言われたら出来るわけないよな。
ホッタさんは関節のジョイント部分のテンションを軽減できれば素材の強度不足を補えるかもしれないと考える。
ホッタ「油を差すとか! そうじゃなかったらええと、磁界の反発を利用するとか!」。
『機動戦士ガンダム』の「マグネット・コーティング」を思い出した。
ペダン星人によると地球は宇宙でも評判の文学惑星らしい。
そう言えばウルトラシリーズは地球の芸術に衝撃を受けた宇宙人が時々出てくる。地球人はキングジョーを作るペダン星人のような技術力は持っていないがペダン星人が憧れてやってくるほどの文化を持っている。ウルトラシリーズの地球は宇宙の中でも芸術方面で発展している珍しい星なのかもしれない。