帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』プロローグ編・Episode1

『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』
脚本 足木淳一郎
監督 坂本浩一
2021年12月27日~2022年7月1日配信

 

ギャラファイシリーズの第3弾で「TSUBURAYA IMAGINATION」で世界最速先行配信された。
2021年12月にプロローグ編が配信され、翌年の2022年4月から本編が配信される形となっている。

 

プロローグ編
2021年12月27日配信

 

『運命の衝突』の本編配信の4ヶ月前に配信されたプロローグ編。

 

伝説の力であるレジェンドやサーガを呼び起こす鍵となるコスモスを超危険人物と判断したアブソリューティアンはコスモスとムサシがいる遊星ジュランに軍隊を送る。
アブソリューティアンの兵士達はウルトラシリーズの敵と言うよりスーパー戦隊シリーズの敵キャラクターに近いが内山まもるさんの漫画に出てきそうなキャラクターでもある。
ウルトラシリーズは怪獣や宇宙人が起こす事件を解決する話なので兵士がたくさん出てくる事は珍しいが今回はウルトラマンとアブソリューティアンの壮大な戦い=戦争なので大人数が戦場に出てくるのは納得出来る。

 

今回のコスモスはルナモードは防御、コロナモードで攻撃、そしてエクリプスモードでリドリアスの救助と敵の撃破を同時に行うとそれぞれのモードの特徴が出ている戦いだった。久し振りの高速移動など『コスモス』を思い出す演出があって嬉しかった。

 

タルタロスによる光の国の明け渡し要求についてウルトラの父は「無論、聞き入れるわけにはいかない」と答える。判断をウルトラの父が下すと言う事は王家があるけれど光の国の運営には関わっていないと言う事かな。日本の象徴天皇制みたいな形になっているのかもしれない。

 

タルタロスの特殊な空間を発生させて移動する能力を解析しないとユリアンの救出は難しい。だが、ゲネガーグの襲撃で科学技術局は機能出来る状態ではなかったのでギャラクシーレスキューフォースに解析任務を委ねる事になる。
『タイガ』と『ニュージェネレーションヒーローズ』に比べて『Z』と『大いなる陰謀』は関わりが薄いイメージがあったが、アブソリューティアンの襲撃があったのでセレブロはウルトラメダルを入手出来たし、光の国はアブソリューティアンに対抗しようにもゲネガーグ襲撃による損害が大きかったと実はお互いに大きな影響を及ぼしている。

 

ユリアン救出がギャラクシーレスキューフォース中心となって80がメロスに「あなたに託します」と頼むのは『80』の次のウルトラ作品が『メロス』であった事を考えると思わずニヤリとする場面だった。

 

グリージョは自分もゼロや兄達のように強くなりたいとメビウスに指導を求める。
アサヒのようなキャラクターは戦いを嫌がる作品が多い印象があるが、意外とグリージョは皆を守る為には戦わなくてはいけない強くならなくてはいけないと考えている。ここは親友だったツルちゃんを守る力がかつての自分には無かった事が関わっているのかな。

 

キングに助力を求めるようウルトラの父から指示を受けたタロウは「キング星にどうやって?」と驚き、それに対してウルトラの父は「キング星に繋がるゲートを開いてくれる」と答える。
どうやらキング星に行くには特殊なゲートを抜けないといけないらしい。『T』の「これがウルトラの国だ!」でタロウはトゥインクル光線で光の扉を開けてウルトラの国に入っているので、それと似たようなものなのかもしれない。(そのわりには光の国は侵入者がガンガン入っている感じがするが……)

 

ザ・キングダムの本星が登場。アブソリューティアンと同じく全体が金色で構成されていてベリアルが言っていたように目がチカチカする。

 

光の国のウルトラマンがディファレーター光線で進化したようにアブソリューティアンはカスケード光線で究極生命体に進化したが、プラズマスパークと違ってエルドラタワーはカスケード光線の増幅をコントロールする事が出来ず、結果として惑星の寿命は残りわずかになっているとの事。この事でザ・キングダムは光の国のIFの姿となった。
よく考えたら太陽が爆発したので人工太陽プラズマスパークを作ったら放射されるディファレーター光線を浴びてウルトラマンに進化出来たって偶然が重なってたまたま良い結果に辿り着けただけなので、一歩間違っていたらウルトラマンも太陽を失って自分だけが生き残ったエンペラ星人やカスケード光線が強すぎて滅びの可能性が生じたアブソリューティアンのようになる恐れは十分にあり得た。

 

『トリガー』の「黄金の脅威」「オペレーションドラゴン」に先行登場した(時系列は本作の方が先だが)ディアボロと新キャラクターのティターンが登場。ティターンの名前の由来はギリシア神話の「ティターン」かな。

 

ザ・キングダムにやって来たベリアルとトレギアを見たディアボロティターンは「ここは神聖な場所だ。お前らが入れるような場所じゃねえ」「この場所を汚す事は許さん」と排他的な面を見せる。これは光の国出身ではない人達も歓迎し、光の国以外の星の存在も加えた混合チームのウルトラリーグやギャラクシーレスキューフォースを結成したウルトラマン達と対になっている。

 

アブソリュート粒子を注入されてパワーアップするベリアルとトレギア。
本来の歴史ではレイオニクスやグリムドと言った闇に近い力を得た彼らが今回はディファレーター光線に近い光の力を得ると言うのが興味深い。

 

ザ・キングダムの状況を分析していくトレギア。
何だかんだ言って根は科学者なのだなぁと言う事を感じる場面。

 

ユリアンは監禁場所でコスモ幻獣拳を習得した証を持つりゅう座D60ウルトラマンと遭遇する。
「リューシー」って何だろう?と思って調べたら中国語で「60」と言う意味らしい。

 

アブソリューティアンとの戦いに向けての戦力強化としてゾフィーはU40最強の戦士であるジョーニアスを宇宙警備隊の戦術指南役として迎える。
そしてウルトラコロセウムで指導に当たるジョーニアスのところにゼロがやって来る。時系列的にここは『Z』の「陛下のメダル」の後のようだ。

 

明かされし野望 ーThe Appearanceー」でウルティメイトシャイニングの力を使ってもタルタロスに敵わなかったゼロは今のところ一対一でタルタロスと渡り合えたのはジョーニアスだけだったとして自分を鍛えてほしいと頼む。
もうウルトラマンの中でも最強クラスになったゼロより強いって凄いな、ジョーニアス。まぁ、あの時のゼロは不利な場所での戦いに加えて無理矢理なパワーアップだったところもあるので単純にゼロよりジョーニアスが強いと言う話ではない感じもする。
ドラゴンボール』の人造人間編で精神と時の部屋に入ったベジータやトランクスが戦闘力をかなり増大させたが全体のバランスと肉体への負担を考えた孫悟空の方が総合的に見たら強くなったみたいな感じでジョーニアスは全体的にバランスが良いのかなと思う。

 

キングに謁見したゾフィーとタロウは片膝を付いて敬語で話をしている。
先輩後輩や兄弟や親子や師弟と言った上下関係があるウルトラマンでもここまで畏まるのは珍しい。

 

レオとアストラはウルトラ兄弟の中ではゾフィーやタロウの弟なのだが今回はゾフィーとタロウが片膝を付いているのをキングの隣で立って見下ろしているのでレオとアストラの方が地位が高いように見えてしまう。(『水戸黄門』で水戸黄門の横で印籠を出す時の助さん格さんみたいな)


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Episode1
2022年4月29日配信

 

『運命の衝突』の本編開始。

 

『トリガー』の世界の超古代の力であるエタニティ・コアについて既にアブソリューティアンは調査して狙っている事が判明。
ディアボロは「根こそぎ奪ってやる!」と豪語していたが、残念ながら『トリガー』の「オペレーションドラゴン」で逆にディアボロのアブソリュート粒子が奪われてしまう事になる。

 

タルタロスが様々な時空から調達したロボット達の調整が完了した事を報告に来るバット星人。
サーガ』で「私は全ての宇宙に死をもたらす神となった!」と言っていたバット星人がタルタロスを様付けで呼んでいそいそと働いている姿は見ていてちょっと哀しいものがある。

 

ザ・キングダムへの潜入ルートを探す為にアストラは以前にタルタロスがナラクを発生させた惑星エビルに行って残留思念を追う事に。エースの説明によると宇宙拳法で鍛え抜かれ研ぎ澄まされた感覚で残留思念を追っているとの事。これまでアストラはレオのフォローと言う位置でアストラ個人のエピソードは殆ど無かったので今回の話でアストラだからこそ出来る任務が出てきたのは驚きでありまた嬉しかった。

 

息子のゼロが登場してからセブンはゼロとの親子関係が強調されるようになったが今回は久し振りにレオとの師弟関係が描かれる。
キングの側近として威厳が出たレオもセブンの前では弟子に戻るところは『レオ』を見ている者としてはちょっとした笑いが出てしまう。

 

ゼロは『ウルトラ銀河伝説』でレオからの特訓を受けたK76星で今度はジョーニアスからの特訓を受ける事になる。
ジョーニアスによると全ての動きを読めるタルタロスと戦うには本能に従って動くしかないとの事。なんなんだその『キン肉マン』でファイティングコンピューターのウォーズマンと戦うような理論は……!

 

ゼロの野生を再び呼び起こす為にセブンはゼロに再びテクターギアを装着させる。
テクターギアを装着した状態で荒野でセブンとレオとジョーニアスを相手に戦うって考えられる中でもトップクラスに過酷な特訓だなぁ……。
そしてゼロの特訓の直後に出てくるグリージョの練習のなんと平和な事かw

 

コメディリリーフとしてゼアスとナイスとボーイが登場。
ゼアスとナイスはショーやイベントや企画で何度か目にする事があったが映像作品に登場するのはかなり久し振り。

 

惑星グアの帝国跡地ではレイバトスによってギナ・スペクターが復活。
『X』に登場したギナ・スペクターは漫画版の『ウルトラ超伝説』と同じく人間の顔をしていたが今回は『メロス』と同じくマスクの顔になっている。
今回のギナ・スペクターは『メロス』のギナに比べてちょっとスッキリしたデザインになって幼くなった感じ。後に同じ妹キャラのグリージョと絡む為の変更かな。

 

ウルトラリーグのメンバーを集める事になったトライスクワッドはニュージェネレーションヒーローズに声をかける事にする。
ニュージェネレーションヒーローズはデビルスプリンターの影響で凶暴になった怪獣達の対処に当たっていた。「ウルトラマン達をそれぞれ別の任務に就かせたい」「特に物語を展開させずにウルトラマン達を戦わせたい」となった時にデビルスプリンターの設定は非常に使い勝手が良い。

 

ベリアルの銀河帝国跡地で戦うタイタス・ジード・エックスの組み合わせは『タイガ』でブレスレットのやりとりをしたメンバー。

 

『タイガ』ではO-50出身のフーマがいるのにオーブ・ロッソ・ブルのO-50メンバーは何故かフーマではなくタイガにブレスレットを託したが今回の水の惑星リクエターでは素直にO-50関係者が集結している。

 

ジードの援護に駆けつけたゼットであったがハルキはとある惑星の復興支援で奮闘中との事。ゼットとハルキって分離出来たんだ!?とちょっと驚いた。『Z』の終盤のハルキはもう人間ではなくなった感じがしていたがゼットといつでも分離出来るとなると本当に盆と正月に気軽に地球に帰る事も出来そうだ。

 

ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』の「黒いウルトラマン」ではタイタスの筋肉を見て引いていたゼットだが今回はベータスマッシュの筋肉をタイタスに褒められて「ありがとうございます!」と喜んでいる。やっぱりベータスマッシュに変身するようになって筋肉に目覚めたか?

 

ベムスターがギンガとビクトリーとタイガ相手に善戦したのはデビルスプリンターの影響かなと思われるがそう言った強化の可能性が無いのにオーブとロッソとブルとフーマ相手にデビルスプリンターの回収に成功したギナ・スペクターが凄い。こんなに強かったっけ?

 

ザ・キングダムとの戦いに不安を見せるタイガに向かってギンガが語った「真っ直ぐ前に進む力こそが希望」は『ギンガ』の「きみの未来」でタロウがヒカルに向けて言った言葉。『ギンガ』から始まったニュージェネレーションシリーズもここまで発展したのかと感慨深くなる今回の話であった。

 

21世紀のウルトラシリーズは基本的にそのウルトラマンを最初に担当した役者や声優をそのまま使っているが本作ではウルトラ兄弟の担当が大幅に入れ替わった。黒部進さん達が高齢なのでこの変更は納得出来るところがある。
昭和のウルトラシリーズは変身前の役者の変更は殆ど無かったが変身後の声優は話毎に違っていたので今回のウルトラ兄弟の声の担当が大幅に入れ替わったのも受け入れられるところがあったが、これがゼロ以降になると大きな違和感が生まれそうでちょっと不安がある。実際、メビウスは時代が進んで成長したと言っても五十嵐隼士さんのと福山潤さんのとでは印象がかなり違っている。

 

オープニング曲は鈴木このみさんの『Now or Never!』。テンポが良くてアクション主体の作品に合っている。
エンディング曲は「ウルトラヒーローズEXPO2021 ニューイヤーフェスティバル」の挿入歌だった矢野水音さんの『Super nova』。ちょっと切なさを感じる歌が心に沁みる。


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