帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「湖の食いしん坊」

「湖の食いしん坊」
ウルトラマンデッカー』第5話
2022年8月6日放送(第5話)
脚本 継田淳
監督 辻本貴則

 

変身怪人ピット星人
身長 155cm
体重 60kg
地球での名前はユウコ。
銀河の一人旅を続けていたら宇宙船が故障してしまい、地球に不時着して仲間の救援を待っていたがスフィアのバリアーによって地球から出られなくなってしまった。
友達のエリーと一緒に正体を隠しながら地球で暮らしていた。
食料を与えすぎて巨大化してしまったエリーが元に戻るとカイザキ副隊長の指導の下でエリーの世話を続ける。

 

宇宙怪獣エレキング
身長 53m
体重 2万5千t
ユウコの友達で名前はエリー。
電気をエネルギー源としている。地球の環境の影響もあってピット星では考えられない速度で急成長を遂げた。お腹を減らしたのでTPUのメガアースを与えられた結果、エネルギー過多になってしまった。
ダイナ・ミラクルタイプによって電気エネルギーを吸収されて元の姿に戻った。

 

ディメンションカード怪獣ミクラス
身長 ミクロ~40m
体重 0~2万t
エレキングにエネルギーを吸収されたデッカーが出現させて危機を脱するがミクラスもエネルギーを吸収されて消滅した。

 

物語
湖から現れた怪獣エレキングは街の電気を吸収する。
住民の避難誘導に当たっていたイチカは「エリーは悪い子じゃない」と攻撃中止を求める女性と出会う。

 

感想
2022年は『ダイナ』放送開始25年だが『セブン』放送開始55年でもあるので今回はディメンションカード怪獣に続いてピット星人とエレキングの登場となった。
エレキングは湖に出るのが『セブン』、人間の動きを真似するのが『T』、孤独な女性といるのが『マックス』、幼体が『マックス』と『メビウス』、ピット星人が育てているところを強調するのが『ジード』と言ったところかな。

 

ピット星人の家族の映像にはユウコと母親は映っていたが父親はいなかった。やっぱりピット星人は女性だけの種族なのかな。

 

『トリガー』は殆ど全ての話がメインストーリーに絡んでいたが『デッカー』はその辺りがちょっと緩くなって今回のようなメインに絡まない話もいくつか作られた。
今回は全体的にちょっとゆるめで平和的な内容になっている。個人的にイチカがメガアースを持ち運ぶのをカナタとリュウモンが目撃する場面とデッカーとエレキングが同じ動きをして心が通じ合ったと思いきやそんな事は無かった場面は見ていて大笑いした。

 

ムラホシ隊長の「眼鏡を取った顔を見せない」で怒りを表現している場面が印象に残った。ハッキリと怒るより怖さを感じた。
それだけに最後のカイザキ副隊長に叱られておどおどする表情がギャップがあって面白くなった。

 

「星は違えどスフィアの被害者同士」としてピット星人とエレキングの保護を上に要請するムラホシ隊長。
スフィアのバリアーによって地球と他の星の移動が出来なくなった状態はコロナ禍で日本と海外の往き来が出来なくなったのを元にしていると思われるが実際にコロナの影響で日本から母国に帰れなくなった外国人はたくさんいた。

 

ピット星人の事情を知ったイチカがTPUに保護してもらおうと考える事が出来たのは前作『トリガー』の時点でTPUに多くの宇宙人がいたからであろう。
TPUはその事をあまり公にしていないようなのでユウコはTPUに助けを求めると言う発想が出てこなかったと思われる。
イチカはピット星人は保護してもらえるがエレキングは保護してもらえるか分からなかったので独断でメガアースを持ち出そうとしてしまう。そう言えば『トリガー』のTPUには多くの宇宙人がいたが怪獣をTPUに持ち込んだ宇宙人はいなかった気がする。ワイルド星人のナースは怪獣と言うより宇宙船と言う扱いだったし。

 

カナタの「奇跡を起こすんだ!」の声に応じてミラクルタイプのウルトラディメンションカードが現れ、デッカーはミラクルタイプに変身する。ミラクルタイプは退場の仕方が空を飛ぶではなくてフッと姿を消すのが超能力戦士らしくて良かった。

 

今回の話を見てやはりディメンションカード怪獣は扱いにくいと感じた。
一応今回の話でミクラスの一撃がデッカーの危機を救う事になっているのだがGUTS-SELECTの援護でも成り立つ場面だったと思う。
しかも今回からミラクルタイプが登場した事でパワーによる逆転も能力による逆転もデッカー一人で出来るようになったので、これにGUTS-SELECTを加えたら、ディメンションカード怪獣を使わなくても大抵の危機は脱する事が出来てしまうようになった。

 

今回は怪獣のエネルギー問題をペットの問題に落とし込んだのが上手かった。前回の「破壊獣覚醒」の温泉街の話もだが『デッカー』は怪獣や宇宙の話を身近なものに絡めるのが上手い。