帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ネオメガスの逆襲」

「ネオメガスの逆襲」
ウルトラマンデッカー』第12話
2022年10月1日放送(第12話)
脚本 足木淳一郎
監督 越知靖

 

精強宇宙球体スフィアソルジャー
全長 不明
重量 不明
ネオメガスの細胞片に寄生してスフィアネオメガスを生み出し、さらにスフィアネオメガスに融合する事で傷付いた箇所を修復したりパワーアップさせたりする。
スフィアネオメガスと共にGUTS-SELECTやTPUと戦うが最終的に返り討ちにされる。

 

新創合成獣スフィアネオメガス
身長 65m
体重 3万t
スフィアソルジャーが破砕されたネオメガスの細胞片に寄生して肉体を再生させた。
GUTSグリフォンのハイパーソーンレーザーを受けて角を破損するがスフィアソルジャーが融合する事で修復され、さらに両腕にスフィアソルジャーが融合する事でスフィアザウルスのように腕が巨大な前足に変化し、足下から地中に根のようなものを伸ばして謎のエネルギーを送り込んだ。
両腕をエネルギーを送り込む巨大な前足から鎌に変えてテラフェイザーやデッカーと戦うが最後はテラフェイザーのTRメガバスターで倒された。

 

物語
スフィアによってネオメガスが復活した!
スフィアネオメガスとスフィアソルジャーの猛攻によってデッカーが倒され、GUTS-SELECTとTPUは再戦に向けてTRメガバスターの準備を進める。

 

感想
第1話に登場した怪獣が第10話辺りに再登場するとか一度倒された怪獣が次の話でパワーアップして再登場するとかはあるが途中に違う話を一つ挟んで再登場すると言うパターンは初めてかな。

 

前回の「機神出撃」でテラフェイザーを動かすが途中でオーバーヒートしてしまったハネジローにアサカゲ博士はテラフェイザー用の機体制御や火器管制のシステムをインストールして「ハネジローも立派な戦士だ」と評する。それを聞いたカナタは「元は宇宙開発用だったのにどんどん強化されていくな」と告げるがハネジローは「戦闘は宇宙開発に戻る為の手段と捉えているから問題無い」と答える。
正確には『デッカー』本編の時間軸とアガムスの時間軸は繋がっていないのだが、結果的にアサカゲ博士はハネジローを始めTPUのメカを強化する事で地球人の宇宙進出を手助けしたところがある。

 

ハネジローの話を聞いて「AIなのに将来設計がしっかりしている」と言ったカナタにアサカゲ博士は「カナタには戦ったその先にある目標みたいなものは無いのか?」と尋ねる。
それに対して「まだよく分からない」「目の前の人を助けたいと思ったらそれだけでいっぱいになってしまう」と答えたカナタにアサカゲ博士は「カナタは善意で人助けをしている」として「当ての無い善意は逆に人を傷付ける結果になる事もあるので気を付けた方が良い」と忠告すると「カナタにも何か目標が見付かると良いですね」と告げる。
「当ての無い善意は逆に人を傷付ける結果になる」はこの後に明らかになるバズド星の事なのだがこの時点でも先を考えない善意によってエレキングが暴走してしまった「湖の食いしん坊」が既にあった。結果的にハッピーエンドで終わったので良かったが、もしエリーの暴走を止められなくてデッカーやGUTS-SELECTが倒さなくてはいけない結果になっていたらユウコがイチカやデッカーを逆恨みした可能性はゼロではないと思う。

 

スフィアソルジャーとスフィアネオメガスを相手にする事になってハネジローはデッカーを出現させる為にカナタをGUTSグリフォンから強制射出してしまう。
これまでの作品でもウルトラマンに変身する為に戦闘機から脱出する場面はあったが自分の意思でないのに上空数百mの高さで強制的に脱出させられるのはビビるだろうなぁ。
二度目の変身の時のカナタの近くにテラフェイザーを倒して変身の瞬間を隠すのもだが今回のハネジローはAIと思えない程にムチャクチャな事をしている。これもハネジローが人間らしくなってきた証なのかな。(こうして見ると「破壊獣覚醒」でのぶっつけ本番でのGUTSグリフォンはまだまだ大人しいものだったんだなぁ)

 

上手く説明できないのだがリュウモンとイチカがビルの屋上に来たところでデッカーがスフィアネオメガスに殴り飛ばされて他のビルにぶつかる場面ってよくあるシチュエーションだけれどなんか今まで見た事が無い感じになっていた。

 

「負けた理由を探すより勝てなかった自分を超える努力をしろ」と言うカナタのじいちゃんの話からリュウモンとイチカもトレーニングを始める場面は青春ドラマ全開で良かった。ウルトラシリーズは若者が活躍する作品なのだが先輩後輩関係が描かれる事が多いので『デッカー』のような同い年3人の青春物語と言うのは意外と少ない。

 

巨大な満月をバックにしたスフィアネオメガスの絵が美しい。

 

TPUの総力戦に参加した隊員の名前はノジマ、サトウ、イソザキで「決意のカナタ」に登場した訓練生達との事。

 

TPUの総力戦は見ていて盛り上がる一方で人間が持てる武器だと火力が限られるし人間の足では戦闘機に比べて移動速度が遅い事を考えるとどうにかして戦闘機を増やせないのかなと思わなくもない。

 

ウルトラデュアルソードがたくさん現れるミラクルスカイスクラムが面白い。
ウルトラマンが使うアイテムはウルトラブレスレット並みに何でもありにしてくれる方が好き。

 

GUTSグリフォンのハイパーソーンレーザーでもスフィアネオメガスを倒す事が出来ない中、ハネジローの提案で最終調整がまだ済んでいないTRメガバスターが使われる事になる。
テラフェイザーはデザイン的に正義のヒーロー側っぽくないのだがそれをシチュエーションとストーリーで人類側の希望に見せた流れが面白かった。

 

ハネジローのデータにあった厳重にプロテクトされているファイルを開けたアサカゲ博士はカナタがデッカーである事を知ってしまう。
ウルトラマンの正体バレは色々なパターンがあるが「データを見られた」と言うのはAIであるハネジローならではのバレ方であった。

 

 

「カイザキ サワの場合」
『GUTS-SELECT交流記 ~帰ってきた特務3課~』第1話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

『デッカー』のスピンオフ作品で月一の配信となっている。
『ナースデッセイ開発秘話』は『トリガー』の前日談だったが本作は『デッカー』本編と同じ時期になっていて今回は「ネオメガスの逆襲」と「ジャンブル・ロック」の間の話となっている。

 

ナースデッセイ号の状態の話があるが本作は機体開発よりGUTS-SELECTメンバーの紹介がメインになっていて今回はカイザキ副隊長編となっている。役者の素と思われるリアクションがところどころにあって本編とは違った一面が見られる。