帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「地底怪獣現わる! 現わる!」

「地底怪獣現わる! 現わる!」
ウルトラマンデッカー』第6話
2022年8月20日放送(第6話)
脚本 中野貴雄
監督 辻本貴則

 

地底怪獣パゴス
身長 30m
体重 2万t
「パゴトータス」と言う学名を持っている怪獣。
オスの出現時に「金色の虹」と呼ばれる発光現象が起きる。
餌である超臨界メタルを人間に採掘された事で縄張りを侵されたと解釈して地上を襲った。
地底の大洞窟で他の怪獣達と協力してデッカーを追いつめるがGUTSファルコンのニュートリノマーカー弾を目印に撃たれたネオマキシマナースキャノンで倒された。

 

地底怪獣グドン
身長 50m
体重 2万5千t
パゴスに続いて現れた二匹目の地底怪獣。
デッカーを地底の大洞窟に引きずり込んでパゴスと一緒に襲う。
デッカー・ミラクルタイプに地上に移動させられ、最後はレアリュートウェーブで倒された。

 

地底怪獣テレスドン
身長 60m
体重 12万t
地底の大洞窟に引きずり込まれたデッカーを援護しようとしたGUTSファルコンの前に現れた三匹目の地底怪獣。
パゴスとグドンと一緒にデッカーを苦しめるがアギラによって倒された。

 

地底怪獣ツインテール
身長 45m
体重 1万5千t
群れの状態で姿を現した地底怪獣。
ネオマキシマナースキャノンで一掃される。
従来の肩書きは「古代怪獣」であるが今回は他の怪獣に合わせて「地底怪獣」になっている。
着ぐるみが無かったので少年リックのソフビを使っているとの事。

 

ディメンションカード怪獣アギラ
身長 ミクロ~45m
体重 0~1万2千t
地底怪獣に囲まれて危機に陥ったデッカーが出現させた。
角にエネルギーを集中させた突進攻撃でテレスドンを倒す。

 

物語
天変地異の前触れと言われるサザメダケが花を咲かせ、直後に地底怪獣パゴスが出現する。調査を開始したGUTS-SELECTはソラフネ地下エネルギー精製工場に着目する。

 

感想
怪獣の生態を軸にした話。
サザメダケの話は『Q』の「虹の卵」ではジンクス的なものだったが今回は根が地下で広範囲に広がっているので地底で何かあると影響を受けやすいと言うロジックが用意された。今回は他にも金色の虹はパゴスの活動による地盤の歪みが引き起こした地磁気の乱れによって空気中のイオンがプラズマ化する現象など色々なものにロジックが用意されている。

 

パゴスは『Q』の「虹の卵」ではウランを狙っていたが今回は超臨界メタルを食料にしている。今のご時世で原子力関係の設定が変えられるのは仕方が無いが、「地底に眠る新しいエネルギー」と言うのは『ダイナ』のネオフロンティアっぽい設定なので逆に『デッカー』らしくなったと思う。
今回の話は実は人間が怪獣達のテリトリーを侵したのでパゴス達が地上に出てきて、ツインテールに至っては自分達の巣でワラワラいただけなのに全て滅ぼされてしまうのは気の毒だった。でも、こういうのも『ダイナ』のネオフロンティアっぽいと言える。

 

それにしてもあんな小さいエリアに地底怪獣が10体以上いたってかなりヤバいよなぁ……。今回の話で地底怪獣は一掃されたっぽいが土地の価格が大きく変わりそう……。
そう言えば『トリガー』の「嗤う滅亡」でもウルトラマンや怪獣がすっぽり入る巨大な地下の大洞窟があったが『トリガー』『デッカー』の地球はこういう地底の大洞窟があちらこちらにあるのだろうか?

 

タイトルの「地底怪獣現わる! 現わる!」はピンク・レディーの『透明人間』を思い出す。作詞の阿久悠さんによると1949年に公開された映画『透明人間現わる』が元ネタらしい。因みに映画の特殊技術を担当したのは円谷英二監督であった。

 

タイトルに「現わる」が複数あったがまさか本当に怪獣が複数登場するとは思わなかった。グドンだけでなくテレスドンツインテールの群れにとこれでもか!と出てきたのは良いサプライズであった。
今回の話は怪獣がたくさんいたのでデッカー、GUTS-SELECT、ディメンションカード怪獣の全てに見せ場を作れる事が出来た。

 

主人公と対立するメンバーが「100点でなければ0点と同じだ」「完璧じゃなきゃいけない」と言う発言をすると大抵は主人公によって訂正されるものなのだが今回は「人命救助にミスは許されない」として肯定されている。
そして今回のような「人命救助にミスは許されない」と言う話になると最初に誰かがミスを犯して人命が危険にさらされる展開が多いのだが今回の話では実際にミスが起きる事は無く無事に終了している。
今回の話は昔からよく取り上げられるテーマをブラッシュアップして新しい時代に合わせた内容になっていた。

 

今回の話もオーソドックスな内容でありながら細かい部分や映像の表現等に新しいものが見られた。『トリガー』を始めとするニュージェネレーションシリーズの多くが「仮面ライダースーパー戦隊の作りをウルトラマンでやった」と言う感じになっているのだが『デッカー』は「昔のウルトラマンを今の技術と考え方で作った」と言う感じになっている。