帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「破壊獣覚醒」

「破壊獣覚醒」
ウルトラマンデッカー』第4話
2022年7月30日放送(第4話)
脚本 中野貴雄
監督 辻本貴則

 

破壊獣モンスアーガー
身長 65m
体重 6万8千t
ユノハナ温泉街の地下から現れた巨大カプセルの中に収められていた。
メラニー遊星が他の星に販売した文明を根絶する怪獣との事。
今から1300年前に宇宙から飛来して地中に埋まっていた。その光景は「空から稲妻と一緒に「阿賀大明神」が降臨した」と伝説に記されていた。
ダイアモンドより硬い体表で通常兵器は通用しない。神経が集中している頭部が弱点だが防御シールドで保護されている。デッカーのかかと落としでシールドを破壊されたところをGUTSグリフォンのホークタロンビームでとどめを刺された。

 

物語
スフィア合成獣に対抗する為にGUTSファルコンとGUTSホークを連結させたGUTSグリフォンが発表される。
一方、温泉街の地下から巨大なカプセルが出現する。

 

感想
冒頭のベムラーやシャプレー星人との戦いはシミュレーション。『ダイナ』の「目覚めよアスカ」でも建物の中でのシミュレーションがあったのでおそらくそのオマージュであろう。『ダイナ』では手書きの怪獣や宇宙人が使われていたが今回はVRが使われると技術の進歩を感じる。

 

前回の「出動! GUTS-SELECT」での戦いを分析したカイザキ副隊長はスフィアはまだ完全に復活していないので怪獣に寄生するのだと考える。
スフィア合成獣はスフィアによって怪獣が遺伝子を書き換えられた存在で能力が何倍にも強化されているとの事。現在のGUTS-SELECTの戦力ではスフィア合成獣に対応出来ないのでアサカゲ博士はGUTSファルコンとGUTSホークを連結させたGUTSグリフォンを発表する。

 

ゲストの町長を演じるのはウルトラシリーズの常連である堀内正美さん。電話のやりとりは『メビウス』の『メビウス&ウルトラ兄弟』で神戸市長役だった時のオマージュ。神戸市長の場面は布川敏和さんと山田まりやさんと言った『ダイナ』出演者が登場していた。

 

真相は不明のままであったがスフィアのバリアーの影響で温泉が出なくなった可能性が示されている。
怪獣等によって地球の環境が変わると言う話は過去の作品でも何度かあったが今回は「温泉が出ない」と言うイメージしやすい被害が描かれた事でリアリティが増した。

 

『デッカー』は『ダイナ』に比べて「ネオフロンティア」を強く打ち出してはいないが今回の話で「大明神の伝説があるパワースポットの森を切り拓くのは心苦しいが温泉がこの街の生命線なので仕方が無かった」と「開拓」の善し悪しについて触れられている。

 

イチカの趣味がツーリングなので事件が起きた土地の伝承を知っていたと言うのは設定の使い方が上手いと思った。

 

『ダイナ』の「幻の遊星」に登場したモンスアーガーは「遊星に辿り着いた相手を叩く」と言う「待ち」の罠だったが今回は「宇宙に進出出来そうな星を叩く為に怪獣を売りさばく」と言う「攻め」の罠になっている。

 

カナタの口調を真似たハネジローの喋り方に微妙な反応をしたり宣伝を続けるメラニー遊星のカプセルにツッコミを入れたりとデッカーの人間臭い動きが面白い。そう言えばダイナもティガやガイアに比べて人間臭い動きが多かったなぁ。

 

今回は温泉街が舞台なので特撮でも水を使った演出が多くあって他の話には無いオリジナリティがある話に仕上がった。

 

GUTSファルコンとGUTSホークが合体したGUTSグリフォンが登場。
今回の話で『デッカー』は人間とウルトラマンが合体したデッカー、スフィアと怪獣が合体したスフィア合成獣、GUTSファルコンとGUTSホークが合体したGUTSグリフォンと「合体」が一つのキーワードとなった。