帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「魔神誕生」

「魔神誕生」
ウルトラマンデッカー』第14話
2022年10月15日放送(第14話)
脚本 根元歳三
監督 武居正能

 

騒音怪獣ノイズラー
身長 60m
体重 4万t
アザヌシティで暴れるがデッカーのウルトラデュアルソードのトリプルトリガースクラムとテラフェイザーのTRメガバスターで倒された。

 

精強宇宙球体スフィアソルジャー
全長 不明
重量 不明
世界各地で活動を活発にさせていく。
集まって壁になる事でスフィアザウルスへのナースキャノン直撃を防いだり、スフィアザウルスの傷付いた箇所に寄生する事で肉体を再生させたりする。

 

精強融合獣スフィアザウルス
身長 68m
体重 6万8千t
スフィアネオメガスが残されていたスフィアザウルスの細胞にエネルギーを送り込んで復活させた。スフィアネオメガスの力で以前より強化されている。
前回同様地中に根を張って地球からエネルギーを吸収する。

 

ディメンションカード怪獣ウインダム
身長 ミクロ~40m
体重 0~2万3千t
地球からエネルギーを吸収するスフィアザウルスと敵になったテラフェイザーを止める為にカナタが召喚するが決定打を与えられず時間切れで消滅してしまう。
その後、謎の人物が変身したデッカーに召喚されてスフィアザウルスを押さえ込むがテラフェイザーの攻撃を受けて消滅してしまう。

 

ディメンションカード怪獣ミクラス
身長 ミクロ~40m
体重 0~2万t
謎の人物が変身したデッカーに召喚されてスフィアザウルスを押さえ込むがテラフェイザーの攻撃を受けて消滅してしまう。

 

ディメンションカード怪獣アギラ
身長 ミクロ~45m
体重 0~1万2千t
謎の人物が変身したデッカーに召喚されてスフィアザウルスを押さえ込むがテラフェイザーの攻撃を受けて消滅してしまう。

 

物語
スフィアネオメガスによってスフィアザウルスが強化されて復活する。
デッカーはテラフェイザーと協力してスフィアザウルスを追いつめるが何者かにテラフェイザーを奪われてしまう。
テラフェイザーを奪った者の驚きの正体とは……!?

 

感想
今回からオープニング曲が2番に変わり、エンディング曲が影山ヒロノブさんの『ヒカリカナタ』に変わっている。前回の『カナタトオク』は走り始めたばかりと言う感じで今回の『ヒカリカナタ』は色々な事を乗り越えている感じになっている。

 

デッカーとテラフェイザーの活躍によって怪獣が次々と倒されていく。こういう展開になると「ロボットがあればウルトラマンはもういらない」と言う意見が出てくる事もあるが、『デッカー』の地球では10年前にもウルトラマンが活躍していた事もあってか人々はテラフェイザーとデッカーが協力してどちらも活躍している状況に満足している。今回は他にもウルトラマンであるカナタがテラフェイザーを開発したアサカゲ博士にお礼を述べたりとデッカーとテラフェイザーのコンビは素晴らしいとする場面がある。もちろんこれは後半にある衝撃の展開への前振り。

 

ネオメガスの逆襲」でスフィアネオメガスが地中にエネルギーを送っていたのは残っていた細胞からスフィアザウルスを復活・強化させる為であった。
復活したスフィアザウルスは強化されているのだが以前に登場した「襲来の日」と違ってデッカーはトリガーからウルトラデュアルソードを託され、GUTS-SELECTは訓練生達も隊員になって地上部隊が充実し、GUTSファルコンに新型のGUTSホークが加わってさらにGUTSグリフォンへの合体も完成、テラフェイザーも実戦投入されると地球人側の戦力も大幅に増強していて強化されたスフィアザウルスだけでは勝てない程の戦力差が生じていた。しかし、この状況はまさかのテラフェイザーの裏切りによって大きく変わる事となる。

 

まさかのアサカゲ博士の裏切り!
と言いたいところなのだが『デッカー』が『ダイナ』を元にしているので『光の星の戦士たち』のデスフェイサーを元にしたテラフェイザーが出た時点で開発者のアサカゲ博士もキサラギ博士のように地球人の敵になる展開は予想出来た。
これは過去の作品をモチーフにした作品に付いて回る問題で前作『トリガー』も主人公のウルトラマンが実は闇の巨人だったと言うのは本来ならかなりの衝撃なのだがこちらも『ティガ』の『THE FINAL ODYSSEY』を知っていると放送が始まる前の段階で予想が出来てしまうところがあった。

 

アサカゲ博士=アガムス役は『ベリアル銀河帝国』でゼロが一体化していたランを演じていた小柳友さん。
アサカゲ博士の裏切りは予想できたが、過去にウルトラマンの人間態を演じた役者さんがヴィラン役になるのは驚きであった。

 

バズド星人アガムスとしての本性を現したアサカゲ博士。
フェイズライザーを使う時の動きがスタイリッシュでカッコイイ!

 

ウルトラシリーズは『Z』から巨大ロボや巨大メカを出すようになったがあくまで特別チームの装備なので戦闘機のように乗り込む事が殆どだったのだがアガムスはアイテムを操作して光になってロボットに乗り込む事でテラフェイザーが特別チームの装備ではなくなったと言うのを示した。

 

『Z』の特空機がヒットした事でウルトラシリーズは巨大ロボや巨大メカが出るようになったが、まだスーパー戦隊シリーズのようにフォーマットが定まっていないからか、『Z』の特空機は次々と新型機が登場して、『トリガー』のGUTSファルコンとナースデッセイ号は人型を少し崩したデザインになっていて、『デッカー』のテラフェイザーは前半は主人公側だったが後半は敵側になって、『ブレーザー』のアースガロンは一つの機体に装備を追加していってと作品ごとに設定やデザインや展開が大きく異なっている。

 

長いシリーズになると新しい敵キャラの強さを表現するのが難しくなるが『デッカー』ではテラフェイザーをまずは主人公側のロボットとして出して主人公達の危機を何度か救わせる事で強さを見せてから敵キャラにすると言う見せ方が採られた。
強かった味方がしばらくしてから敵になると言うのはバトル作品では何度か見られる展開だがウルトラシリーズでは意外と少ない。

 

カナタを始末しようとするアガムスの前に謎の人物が現れる。
謎の人物を演じるのは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』や『仮面ライダーアマゾンズ』に出演している谷口賢志さん。
ヴィランであるアガムスとヒーローである謎の人物の対峙なのだが、一見するとアガムスがヒーローのような好青年で謎の人物がどう考えてもヤバい奴に見えちゃうのが面白い。だが、レリアの場面では哀しくも真っ直ぐな瞳になる謎の人物と目を剥いて狂気を出すアガムスとしてちゃんとヒーローとヴィランの構図が出来上がっている。

 

「今までよく頑張ってくれたな。だが、ここからは俺の仕事だ。奴とのケリは俺が付ける」。
仮面ライダーシリーズでは途中で変身者が変わる事が何度かあるがウルトラシリーズではTVシリーズの途中で主人公以外の人間が変身するのはかなりのレアケースで最初に見た時は思わず「嘘っ!?」と声を出す程驚いた。

 

リュウモンは再び現れたデッカーの動きがこれまでと違っていて数段戦い慣れたものになっている事に気付いて驚く。
この「外見は同じだが動きが違う事で異変に気付く」と言うのは『ダイナ』の「死闘! ダイナVSダイナ」でもあった。そう言えば「誰がための勇姿」でグレゴール人が登場したのにニセデッカーが登場しなかったのは今回の話が予定されていたからなのかな?

 

謎の人物が変身したデッカーはこの時代でカナタがケンゴから託されたウルトラデュアルソード以外のデッカーの能力を駆使して戦う。
ちょっとだるい感じに戦うウルトラマンはこれまでいなかったので新鮮だった。

 

ディメンションカード怪獣は今回の話が最後の出番となった。
最初は上手く扱えなかったが段々と有効に使えるようになり、デッカーに変身する前でも使ったり一体だけでなく三体を同時に使ったりとカナタの成長が見られていただけに『デッカー』の後半では使われなかったのは残念。
せっかく複数を同時に出せるようになってきたので接近戦が得意なミクラスと遠距離攻撃が得意なウインダムを組み合わせるとかして戦術の幅を広げる事でカナタが謎の人物のように戦闘経験を積み重ねていったと言うのを見せてほしかった。