「Episode17 闇 -ダークネス-」
『ウルトラマンネクサス』第17話
2005年1月29日放送(第17話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 八木毅
ダークメフィスト
身長 50m
体重 5万t
ガルベロスを倒そうとネクサスが放ったクロスレイ・シュトロームを片手で受け止めるとガルベロスを連れて退却する。
フィンディッシュタイプビーストガルベロス
身長 52m
体重 3万9千t
姫矢がネクサスに変身して初めて戦った相手。
両肩から生えた頭の眼から赤い光を発して人間を催眠状態に陥れて自在に操る。口から火球を発する。
ネクサスの左腕に噛み付いて大ダメージを与えるがネクサスとナイトレイダーに追いつめられるとメフィストに助けられて退却する。
物語
ビーストヒューマンやガルベロスとの戦いを終えたナイトレイダー。
再び動き出した溝呂木に対し、孤門は一年前の出来事に関心を抱き、西条副隊長は闇との対峙を決意する。
果たして和倉隊長が語る真相とは……?
感想
ガルベロスとの戦いで和倉隊長は吉良沢に指示を仰がないで現場指揮官としてネクサスへの援護を判断する。
通信不能で吉良沢と連絡を取れなかったのもあるがこれまでの流れでネクサスへの信用が生まれたのもあるのだろう。
逆に今まで独断専行をしてきた西条副隊長が和倉隊長の判断に異議を申し入れたのは判断の内容が「ネクサスを援護する」だったからだと思われる。
「怪物と戦う者は気を付けるがいい。深き闇を覗き込むと闇もまたお前を覗き込む」。
一年前の溝呂木に伝えた和倉隊長の言葉。元々はニーチェの言葉で簡単に言うと「ミイラ取りがミイラになる」と言う意味らしい。実際、優秀なビーストハンターだった溝呂木は自身が人外である闇の巨人となってしまった。
和倉隊長は自分も溝呂木と同じだったのかもしれないと語っている。和倉隊長が闇に魅入られていたとは思えないが、一年前の話の時に和倉隊長は溝呂木の提案を受け入れて吉良沢の命令に逆らっていた。ひょっとしたら、上からの命令を聞いて組織の為に戦うと言う本来の任務から外れる事を和倉隊長は自身の闇と考えていたのかもしれない。そう考えると溝呂木とは正反対であるが命令に逆らう事が多かった孤門を和倉隊長が溝呂木と同じものを感じて危惧したのも理解できる。
しかし、溝呂木の時と違って、孤門と一緒に上の命令に逆らって組織から外れていく事で最終的に和倉隊長はウルトラマンの光を守る事となる。
ガルベロスの幻影能力でナイトレイダーを翻弄する溝呂木に向かって姫矢は「人の心に恐怖を植え付けて弄ぶ卑劣で薄汚いいつものやり口だ」と断じる。
溝呂木は言われるだけの事をしてきたのだが、それでも姫矢がここまで言うのは珍しい。
この会話の中で姫矢は溝呂木に向かって「然るべき場所で倒す」と発言している。
「然るべき時」ではなく「然るべき場所」としたのが気になる。二人の最終決戦の場となった終焉の地の事を指しているのかと思ったが、ここは姫矢ではなく溝呂木が用意した場所だったし。
前回の話で迷いを振り切った孤門だったがビーストヒューマンに驚いてディバイトランチャーを奪われたり、ガルべロスの幻影能力でネクサスとガルベロスの姿をはっきりと認識できない状態で攻撃してネクサスを危機に陥れてしまったりとまだまだ上手くいかないところがある。
西条副隊長がビーストヒューマンを麻酔銃で眠らせるが、孤門が何かにつけて西条副隊長は本当は撃ち殺してしまったのではないかと疑っているのを見てつい笑ってしまった。今までが酷かったとは言え、あまりにも信用が無いw
今回の話のラストシーンでビーストと倒れた人々と一緒に溝呂木が監視カメラに映っている。
過去の場面か現在の場面か一瞬迷うが次回を見るとこの監視カメラの場面は一年前の回想だと思われる。
おそらく溝呂木はメフィストとの邂逅後にフォートレスフリーダムでビーストを使った大量虐殺をして姿を消したのだろう。従えていたビーストはノスフェルだろうか?
今回はAパートで戦闘を済ませてBパートは会話中心となっている。これまでのフォーマットを崩したのは『ネクサス』らしいが、ウルトラシリーズはウルトラマンの戦闘が話のクライマックスになっていたので、それを冒頭に持ってきた事で話の収まりが悪くなったところがある。
だが、次回と合わせて見ると最初に視聴者を引きつける戦闘があって、その後に会話中心の場面があって、クライマックスに再び戦闘が来ると綺麗な形になっている。この辺りも『ネクサス』は週一で見るよりまとめて見るのに向いていると言われるところなのかな。
満月に向かって飛び立つクロムチェスターがカッコ良かった!
一方で一年前の溝呂木と西条副隊長がビーストヒューマンと戦う時のアクションはイマイチな出来で残念。
今回の話から「英雄 -ヒーロー-」の最終決戦までわずか数日の話となっている。
ここから姫矢の消耗が激しくなっていくが時間経過を考えたら仕方が無いと思えるほどの連日連戦となっていた。