帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「追撃 -クロムチェスターδ-」

Episode20 追撃 -クロムチェスターδ-」
ウルトラマンネクサス』第20話
2005年2月19日放送(第20話)
脚本 赤星政尚
監督 阿部雄一
特技監督 菊地雄一

 

インビジブルタイプビーストゴルゴレム
身長 55m
体重 5万t
口から火球を吐く。
クロスフェーズ・トラップで誘き出され、パーティクルフェザーで口吻を切断されたところをストライクバニッシャーを受けて倒れるが、制御器官を回復させて位相間移動する。
その後は別位相に潜んでいたがクロムチェスターδに制御器官を再び破壊される。
二度目のナイトレイダーとの戦いではバリアーを展開してメガキャノンバニッシャーを封じ、前回より短い時間で制御器官を回復させると言った適応力の高さを見せた。
ネクサスのメタフィールドに捕らわれるが……。

 

物語
クロスフェーズ・トラップを展開するもミッションエリア内に人が残っていた事にナイトレイダーは戸惑う。
ゴルゴレムの進行を阻止する為、孤門はクロムチェスターδに搭乗し、姫矢は消耗した肉体で変身する。
様々な思惑が交錯する中、瀬戸際の戦いの行方は……。

 

感想
ゴルゴレムの火球を受けて左肩が焼損するネクサス。ウルトラマンでここまでスーツが傷付くのは珍しいかな。
かなり前から弱っていたが消耗が激しくなって遂にネクサスのエナジーコアが点滅する。

 

七夏達がいたのでメガキャノンバニッシャーを撃てなかった西条副隊長。「亜空間 -メタフィールド-」では人がいても撃つよう言っていたのだが考えが変わってきたようだ。孤門の影響を受けたのかな?

 

ミッションエリアに入れられた温泉街はTLTによって外との連絡が取れない陸地の孤島状態になっていた。
ところが根来はクロスフェーズ・トラップが展開されている中でミッションエリア内に入り、その後もMPが記憶処理を行っている中で温泉街から無事に脱出している。さり気ないがやっぱり凄いな、根来さん。

 

ミッションエリア内に人が残されていた事について和倉隊長は吉良沢と松永管理官に問い質す。
作戦を成功させれば犠牲者の死は無駄にはならないと言う松永管理官の言葉に「無駄だとか無駄でないとか、人の死と言うのはそうやって量れるものではないと私は考えます!」と訴える。
姫矢と同じく和倉隊長もTLTと言う組織が信用できなくなっていき、この積み重ねが最後に和倉隊長にTLTと言う組織に対しての反乱(リボルト)を起こさせる事になる。(その結果救われる事になるのが姫矢の後を継いでネクサスになった憐である)

 

姫矢が撮った最後の写真で自分の目的が見えた保呂草はビーストと言う真実を写した写真を撮り、その写真は根来の手に渡る事となる。「適能者 -デュナミスト-」で姫矢は根来の協力を断ったが結果的に姫矢から繋がる流れが根来の手助けとなった。
姫矢も根来を信じて保呂草の写真は必ず公表されるだろうと七夏達に伝えている。
ただ、MPの方が一枚上手であったが……。

 

新型機のクロムチェスターδが登場。
登場が唐突だったのがちょっと残念。前の話辺りでその存在に触れてほしかったかな。

 

出撃のBGMが流れる中でのチェスター全機出撃が盛り上がる!
やはりウルトラシリーズはメカ発進シーンを大切にしてほしい。

 

今までの孤門だったらミッションエリア内に人が残されていた事からTLTへの不信でしばらく悩みそうだが、今はビーストを倒すと言う第一の目的にブレが無くなってクロムチェスターδへの搭乗を自ら申し出た。この孤門の変化には和倉隊長も驚いている。
そして今回は見事にゴルゴレムの制御器官を破壊した孤門。西条副隊長に「任せて!」と言わせる程に成長した。ここまで来るのが長かっただけに感慨深いものがある。

 

ゴルゴレムが潜んでいた別位相はまるで地下世界のように演出されていた。
『ネクサス』はドリルメカで地下世界に突入!と言うウルトラシリーズ定番の話は作られなかったが今回の話で形を変えて実現していると言えるかな。

 

夜の街を背に構えを取るネクサスの図は絶対に負けられない戦いを表していて『ネクサス』の中でも屈指の名シーン!

 

結果的に保呂草の死は酔っ払って崖から落ちたと言う不名誉なものに変えられ、撮った写真も後にMPによって色モノ扱いを受ける事になってしまうが、目的が見えた保呂草の姿は七夏と潤平の中に残って二人に新たな目的を見つめ直させる事となる。

 

メタフィールドを展開するネクサスを和倉隊長は「援護する」とはっきりと命令して、孤門と西条副隊長は「了解」と答える。孤門が操縦するクロムチェスターδと西条副隊長が操縦するストライクチェスターがネクサスを援護する為にメタフィールドへと突入するが、そこで見たものは遂に力尽きて倒れるネクサスの姿であった……。
ここまで盛り上がったのだからこのままゴルゴレムを倒してほしかったところであるが、そうすると次の話でネクサスの出番が無くなってしまう。後に深夜で放送された『SEVEN X』ではウルトラマンが登場しない話が作られたが、いかに深夜31時半の気持ちで作っていたとは言え土曜日朝の放送でウルトラマンが登場しない話は難しかったのかな。(総集編と言う形なら後のニュージェネレーションシリーズではウルトラマンが登場しない話が作られるようになるが)