帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「エミ、かく戦えり」

「エミ、かく戦えり」
ウルトラマンブレーザー』第4話
2023年7月29日放送(第4話)
脚本 継田淳
監督 辻本貴則

 

軟体怪獣レヴィーラ
身長 0~55m
体重 0~3万t
3ヶ月前に突如現出した謎の怪獣。大手化学企業ノヴァイオが開発した新型殺菌剤「FK1」で撃退されるが強力な肉体再生能力を持っていて何度も出現する。
その正体は2001年に隕石に付着して地球に飛来した生物で、そのサンプルを曽根崎が防衛隊から拝借して害魚を駆除する人工クリオネと合成してレヴィーラを誕生させた。
FK1を嫌うように遺伝子操作されていたが何度も使用された事で耐性が付いた。
アースガロンに液体窒素が入ったタンクを投げつけられて凍り付いたところをブレーザーにスパイラルバレードでトドメを刺された。

 

物語
街中に謎の怪獣レヴィーラが出現するが大手化学企業ノヴァイオが開発した新型殺菌剤「FK1」でそれを撃退する。
レヴィーラとFK1の関係を知ったエミ隊員はノヴァイオに潜入して調査を開始する。

 

感想
ウルトラ怪獣ではちょっと異質なデザインのレヴィーラが登場。
ニュージェネレーションシリーズでは人気のウルトラ怪獣の再登場が当たり前になったので段々と出てくる怪獣が『初代マン』や平成三部作に登場した感じに揃えられてきたところがあったので、それらとは雰囲気が大きく異なるレヴィーラは印象に残った。
円谷プロの現状は分かるので人気怪獣の再登場も理解できるのだが、やはり作品ごとに新しい怪獣を出してほしいなぁと言う気持ちはある。

 

今回はエミ隊員の変装・潜入のお話。
バランスが良くて完成度の高い話であったが人間が怪獣事件の黒幕であったと言う話を作品の中で何度もするわけにはいかなかったのか、このパターンの話は今回だけであった。後半のV99関係は怪獣事件が起きている一方でエミ隊員はV99の謎を追っていたと言う感じで今回の話のようにエミ隊員が人間相手に探りを入れるのをメインとした話は無かった。
以前にも書いたが、人間に変身して侵略計画を進める宇宙人がメインの作品の方がエミ隊員の変装・潜入の設定は活かせた感じがする。実際、『セブン』ではウルトラ警備隊が変装・潜入する話が何度かあったし。(そう言えば今回のエミ隊員はウルトラアイのような赤い眼鏡をかけていたなぁ)

 

自身の能力を駆使してノヴァイオの情報を得ていくエミ隊員であったがゲント隊長が曽根崎社長の経歴を得ていた事に驚く。
どうやって曽根崎社長の経歴を入手したのか具体的な説明は無かったが、おそらくゲント隊長は人脈を駆使して得たと思われる。ここは何でも一人でやろうとするエミ隊員とは違ったゲント隊長の能力であった。

 

曽根崎社長が瞑想の時に聴いている歌は何だろうと思ったら彼自身が歌っている歌と知って爆笑した。ゲストだったのにキャラが濃い人物であった。

 

途中で捜査の中止を命じられたエミ隊員が激高した時はこのままミスを犯して危機に陥るのかなと思ったが実際はこれすらも相手を騙す為の行動であった。
振り返ってみると『ブレーザー』はSKaRDのミスは少なかった印象がある。プロフェッショナルらしくて良いが最初から完成されているので成長を描きにくいところもあったかなと感じるところがあった。だから『ブレーザー』の物語は「未熟な者が成長する」ではなくて「熟練した者が状況に合わせて動くようになる」となったのかな。(今回の話でもSKaRDは早くもゲント隊長が途中で不在になると言う状況に「慣れて」いて、隊長不在の中でも状況を把握して事態打開の案を出せるようになっていた)

 

怪獣とその特効薬を使ったマッチポンプを仕掛けた曽根崎社長。その目的はお金か支配かと思ったらなんと「リスペクトを得たい」であった。
組織で埋もれるのが嫌で個人で活動して皆からの賞賛を得たいと言う承認欲求の塊はSNSが発達した時代の悪役と言う感じがした。レヴィーラにFK1が効かなくなったら別の土地に行って同じ事をしようと言うのも焼畑的な炎上商法を思わせるものであった。

 

曽根崎社長は「防衛隊の中にいたら埋もれてしまうので防衛隊から出て人の道から外れる行いをした」となっているが、これは「ウルトラマンと言う人から外れた存在になったが防衛隊の中で自分の信念に基づいて動いている」と言うゲント隊長と対になっているところがある。
そう考えると「会社を作ってワンマン社長で何でも自分の思い通りに動かしていた曽根崎社長」と「組織に用意されたチームと隊員の中でそれぞれの考えを尊重しながら動いていくゲント隊長」と言う対比もあった話だったのかな。

 

エミ隊員が銃を奪ってから曽根崎社長のSPを倒すまでの動きがカッコ良すぎる!
ここは諜報部員と言う設定に問答無用の説得力を持たせるものであった。

 

近くにエミ隊員がいるのにブレーザーブレスが現れてゲント隊長に変身を促すところはブレーザーが人間社会の事をよく知らないと言うのが出ていて面白かった。

 

勝って喜んだ目になっているアースガロンが可愛い。

 

ピンクのガーベラの花言葉は劇中で説明されたとおりに「感謝」なのだが、調べるとその他にも「前進」と言う意味があった。エミ隊員にとってはSKaRDと言う新しい組織で前に進んでいく事を決意したと言う意味もあったのかもしれない。(それ以外の告白の意味もあるがそれはややこしい問題が生じるのでここではカット)