帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「恐怖は地底より」

「恐怖は地底より」
ウルトラマンブレーザー』第16話
2023年10月28日放送(第16話)
脚本 継田淳
監督 辻本貴則

 

幻視怪獣モグージョン
身長 54m
体重 5万9千t
手の平から発する電磁波で人間の扁桃体に影響を及ぼして心の中で怖れているものを現出させてパニック状態に陥らせる。
幻視光線は地上に出る前は威嚇に、地上に出てからは捕食に利用する。
舌や手を伸ばし、トサカを激しく振動させて相手を攻撃する。
ブレーザーのチルソナイトブレードで倒された。

 

物語
突如開いた大穴を見た作業員達はそれぞれ奇怪な化け物を目撃する。
SKaRDの隊員も影響を受けていく中、残されたエミ隊員はAI対話システムを実装したアースガロンで出撃する事になる。

 

感想
穴の底に化け物を見た作業員達だったが「デッカイくちばし」「毛むくじゃらの巨人」「巨大なサソリの尻尾」「吸盤みたいな丸い塊がブヨブヨしているタコ」とそれぞれの証言がバラバラだったので作られた怪獣予想図がなんともカオスな事に……。まるで『仮面ライダードライブ』でドライブを見て描いた源さんの絵みたいだ。

 

モグージョンの能力は「その人が心の中で怖れているものを見せる」で、皆は様々な化け物を見るがゲント隊長は「破壊されたアースガロン」と言う「今日はまだアースガロンが出撃していないので絶対に自分の目の前に現れない光景と確信できるもの」を見た事でこれは現実ではない事を理解していち早く行動に移れたのが上手かった。

 

隊員達が入院した病院の看護師さんが実に良いキャラをしていた。
出来れば準レギュラーで何度か出てほしかったが、さすがに何度も隊員を入院させるわけにはいかなかったか。

 

アースガロンにAI対話システム「EGOISS」が実装される。
『Z』から巨大メカが続けて登場しているがコミュニケーションが取れるのは今回のアーくんが初めて。ここはコミュニケーションを一つのテーマとしている『ブレーザー』ならではと言える。
しかし、アーくんの声が石田彰さんなのは驚いた。喋るAIが主人公達をサポートするのは『ガイア』のPALや『デッカー』のハネジローと過去に例があるが今回は声のせいでいつかどこかで裏切るのではないかとヒヤヒヤしたw

 

モグージョンの能力は『ダイナ』の「君を想う力」のモルヴァイアや『ウルトラ10勇士』のエタルガーに近い感じ。あとモグラの怪獣なので『コスモス』の「怪獣一本釣り」のモグルドンも思い出す。
モグージョンはブレーザーが音を頼りに戦おうとしているのを理解すると手で自分の口を塞いで音を立てないようにしようとするなどかなり知能が高かった。怪獣なのに知能が高いところは第2期ウルトラシリーズの怪獣を思い出すところがあった。

 

エミ隊員の心の中で怖れているものが「自分自身」なのは『平成セブン』の「パーフェクト・ワールド」のユキ隊員に通じるものがあった。
エミ隊員はモグージョンの能力を理解していても自分一人で乗り越える事が出来なかったがSKaRDやアーくんと言った仲間達の声で乗り越える事が出来た。「月下の記憶」でゲント隊長が、今回の話でその他の隊員達が、エミ隊員にとって信じて頼れる存在となったのだった。

 

今回は展開自体は王道の怪獣作品だが、ところどころのやりとりや演出がコミカルになっていてなんだか不思議な感じの話になっていた。
今回の話を見て思ったが『ブレーザー』は『X-ファイル』のような陰謀論的な話がメインになっているが実は『機動警察パトレイバー』のTVアニメ版のようなはっちゃけたギャグ編の方が相性が良い感じがするところがある。