帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「山が吠える」

「山が吠える」
ウルトラマンブレーザー』第5話
2023年8月5日放送(第5話)
脚本 継田淳
監督 辻本貴則

 

山怪獣ドルゴ
身長 69m
体重 6万5千t
秋田県の霧野山に千年以上眠り続ける守り神「土留牛様」で周りの土を豊かにして水を浄化すると言われている。
山の上に鎮める祠があったがメガショットを設置する工事で祠が壊された為に封印が解けて目覚めた。
放電攻撃の他、設置されたメガショットが自動照準機能で相手を攻撃する。
スパイラルバレードでメガショットを取り除かれ、最後はアンリ隊員に祠のご神体を刺されて眠りに就くと再び山となった。

 

物語
近年増加する怪獣の現出に備えて防衛隊が開発中の新型レールガン「メガショット」の演習が行われる。
演習の舞台となった場所はアンリ隊員の出身地だった。

 

感想
ブレーザー』の物語をまとめるとV99関連を中心としたものになるだろうが実際に作品を見ると今回のような土着の怪獣の話の印象の方が強いところがある。
ニュージェネレーションシリーズでは放送期間が短くなったので少なくなったがこういうメイン敵との戦い以外の話もやれるのは仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズには無いウルトラシリーズならではのものだと思う。

 

演習の舞台がアンリ隊員の出身地だった事で故郷の話題になるがアンリ隊員はその話にあまり乗り気ではない。何かあったのかなと思ったが悲しかったり嫌だったりした過去は特に無かった。
とは言え、仕事中に故郷の話をされてちょっと困ると言うのも分かる。特に中学校で引っ越したとなると話せる話題って意外と無いんだよね。自分も中学校で引っ越しているので今回のアンリ隊員の気持ちは分かるところがある。

 

アンリ隊員の故郷の話なのだが舞台が演習場から移動しないでアンリ隊員の家族も登場しないとあくまで「ドルゴと言う怪獣をどうするか?」と言うテーマに絞っていたのが怪獣をメインに据えた『ブレーザー』らしかった。

 

アンリ隊員の幼馴染みであるミズホは村の古い神社の孫で動物や虫や草花の声が聞こえるとの事。かなり不思議な人物であるが意外と掘り下げが無かったのが驚いた。
最初に『ブレーザー』の設定を聞いて第1話を見た時はガチガチのSF作品になるのかなと思ったが、守り神のような怪獣や不思議な能力を持つ人間が出たりと『T』を思わせるお伽噺的な雰囲気の話が結構あった。

 

ドルゴを倒そうとする防衛隊に反発するミズホ。
今回はアンリ隊員の主役回なのでエミ隊員の出番は少なめだったが、本来ならエミ隊員の変装・潜入の能力はミズホのような防衛隊に良い印象を抱いていない人から情報を引き出すのに役立つと思う。

 

落下しながらの変身が良い!
これは手順が色々あったこれまでのニュージェネレーションシリーズの変身では難しかった場面と言える。

 

ドルゴは四足歩行の土着の怪獣が防衛隊の最新兵器で攻撃してくると言うギャップが面白くて印象に残った。

 

今回は設定や雰囲気等が『X』の「怪獣は動かない」を思い出すものであった。

 

この回の翌週は特別総集編として「巨大生物の正体を追え」が放送された。
『トリガー』『デッカー』と違って『ブレーザー』は『ガイア』がモチーフになっているわけではないが特別総集編に登場したTV局の3人は『ガイア』のKCBを思わせるものとなっていた。
TV局の3人はリポーターのキヨシマダイラ・レイコが第1話の「ファースト・ウェイブ」に登場していた。リアルな世界観を作るのにマスコミの存在は外せないので本編でもTV局の話をやってほしかった。
因みに特別総集編のラストでスポンサーの圧力でアニメが放送される事になるがそれに合わせてか特別総集編の第2弾からはパグとげ~どすくんともぐ~じょちゃんが登場するアニメに切り替わっている。
パグの元ネタは『ガイア』のPALだと思われる。『ブレーザー』は本編では『ガイア』を思わせる部分はあまり無かったが特別総集編では『ガイア』の要素が結構盛り込まれていた。