帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「SKaRDを作った男」

「SKaRDを作った男」
ウルトラマンブレーザー』第2話
2023年7月15日放送(第2話)
脚本 小柳啓伍
監督 田口清隆

 

深海怪獣ゲードス
身長 50m
体重 2万t
江戸時代中期にも現れていた海の魔物。
いつもは深海にいるが腹が減ると浅瀬に上がって魚を食い荒らす。
防衛隊の攻撃に怒り狂って上陸した。
頭部から延びる触手で相手を捕らえて電気を流す。
SKaRDに触手を切断されて海に逃げるがスパイラルバレードに釣り上げられてそのまま串刺しにされた。

 

物語
司令部参謀長のハルノに呼び出されたゲントは特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD」の隊長に命じられる。
隊員を集めて準備を進めるゲント隊長であったが怪獣が現れたとの報告を受けて……。

 

感想
第2話の今回からオープニング曲であるきただにひろしさんの『僕らのスペクトラ』が登場。
映像ではブレーザーやSKaRDの他に怪獣達も紹介されていて本作が怪獣にも力を入れている事が分かる。

 

地球防衛隊が怪獣の対処において後手に回っている状況を打破する為、ハルノ参謀長は怪獣の動向を調査分析し必要な場合は直接行動によってこれを排除する特殊部隊SKaRDを設立する。
今回の話のタイトルは「SKaRDを作った男」となっているが、まずハルノ参謀長が書類や人員と言った形を作り、次にゲント隊長が組織の雰囲気や方向性と言った中身を作っていくとなっていて、正確には「SKaRDを作った男」と言った内容になっている。
SKaRDの隊長はゲントなのだが、個人的にはハルノ参謀長は『ティガ』のイルマ隊長のように組織の中で立ち回って、ゲント隊長は『ティガ』のムナカタリーダーのように怪獣事件の現場で隊員達を引っ張ると言う形に見えるところがある。

 

ハルノ参謀長はゲントをSKaRDの隊長に任命した後にウルトラマンの話題を出しているので、ひょっとしたらゲント=ブレーザーと言う事が分かっていてゲントをSKaRDの隊長にしたのかと思ったが後の話を見るとそれは無さそうな感じ。怪獣に続いて巨人も出現するようになったので、それらに対処できる人材としてゲントを選んだと思われる。

 

高圧的な印象があるハルノ参謀長であるがゲント隊長の「ウルトラマンが我々を助けてくれたのは事実」と言う意見を聞いた後はウルトラマンの存在を「排除すべき敵」から「調査対象」「敵か味方か見極める」に改めていて部下の意見をちゃんと汲み取る人である事が分かる。

 

宇宙人のコードネームとして「ブレーザー」と言う言葉を出したゲント隊長。
ひょっとしたら一体化しているブレーザーに教えてもらったのかなと思ったが後の話を見るとこの時のブレーザーはそう言った言葉のやりとりをするようには思えないので、これはあくまでゲント隊長がウルトラマンに抱いた印象から付けた名前だと思われる。

 

エミ隊員は前回のバザンガ戦でお偉いさんの伝言ゲームで現場に正しく伝わっていなかった作戦を正しく知っていたりと通常とは違うラインで情報を得ている事が分かる。
エミ隊員に正しい作戦を伝えたのはおそらくハルノ参謀長であろう。今回もゲント隊長よりSKaRD結成の経緯について詳しい情報を知っていたりとゲント隊長の部下でありながらゲント隊長より深い情報を持っていた。
今後はエミ隊員の情報は直でSKaRDに行く事になるがそれはハルノ参謀長が正規のルートとは別にエミ隊員経由で情報を送ってSKaRDの行動を誘導できると言う事でもある。

 

冷静に戦況を分析し指揮官に意見具申もしたテルアキを「俺の部隊には君みたいな副隊長が必要なんだ」と誘うゲント隊長。
SKaRDの人員はハルノ参謀長が選んでいるのでテルアキを副隊長にするのもハルノ参謀長の判断だと思われるが、この「冷静に戦況を分析して上官に意見具申が出来る」と言うテルアキ副隊長の特徴は実はゲント隊長と同じだったりする。なので、ゲント隊長がブレーザーに変身して不在の間はテルアキ副隊長がSKaRDを動かす事になる。偶然なはずなのだが結果として見たら最初からゲント隊長がウルトラマンに変身して不在になる事を想定していたような人事になっている。

 

ゲント、エミ、テルアキと言った第1話から登場していたキャラクターに続いてアンリ隊員とヤスノブ隊員が今回から登場。
第1話から特別チームが結成されていないのも珍しいが隊員が第1話で全員登場していないと言うのも珍しい。

 

ゲント隊長の「探すところからやりたかった」「この低予算感」と言った台詞がなんだか田口監督達スタッフの声に聞こえてしまうw

 

「お互いの名前を呼ぶ時は下の名前かあだ名である事」と決めるゲント隊長。
隊員集めの時のエミ隊員とのやりとりもだがゲント隊長はちょっと他の人との距離が近いところがある。防衛隊の上司部下と言うより学校の部活やサークルの先輩後輩と言った感じであろうか。

 

チームの絆を強める為の「名前を呼ぶ時は下の名前かあだ名かルール」だと思われるが、それを押しつけちゃうのがゲント隊長のちょっと問題な部分。後の話でもゲント隊長は息子のジュンに対して自分の考えを押しつけちゃっているところがある。
本人は部下や息子とも出来るだけフラットな関係を作りたいのだろうけれど、「隊長」や「父親」と言う肩書きがある以上どうしてもそれは「命令」「指示」になってしまう。

 

テルアキ副隊長の「撃沈!?」が実に面白い。
よく考えたら全く笑えないヤバい状況なのだがテルアキ副隊長のリアクションで笑える場面になっている。この場面以外にも『ブレーザー』は意外とヤバい状況があるのだが演出でコミカルにして見やすくしている場面がある。

 

趣味がコスプレのエミ隊員の潜入捜査が登場。
「コスプレが趣味」は発表時にかなりのインパクトがあったが作品が終わって振り返ると意外と印象に残らない設定となった。
今回も次回もエミ隊員が変装して怪獣事件が起きる場所に潜入しているのだが今回の漁師も次回の研究員もエミ隊員がSKaRDの隊員として普通に訪問しても話をしてくれそうな感じだったので、あまり変装や潜入に意味を感じなかった。エミ隊員の変装が活かされるのは「エミ、かく戦えり」のように防衛隊に対して何か隠し事をしている者を相手にしている時なので、『ブレーザー』のような怪獣作品より『タイガ』のような宇宙人が街に潜伏している作品の方が活かせたかもしれない。
一応、作品の後半でもV99関係でエミ隊員が潜入して情報収集をしている場面があったので、「エミ、かく戦えり」のようにエミ隊員が変装と潜入のスキルを活かしてドバシの妨害と戦うのをメインにした話があっても良かったかなと思う。(『ブレーザー』は怪獣中心の作りなので人間ドバシの暗躍はいくつかの話で少しずつ触れられるくらいでドバシの暗躍をメインにした話は意外と無い)

 

今回の舞台は港。
今回の話を見て思ったがウルトラシリーズで港が舞台になる話は珍しい。
怪獣は出現した場所のイメージも強く残るので他とは違う場所に出ると印象に残りやすくなる。

 

銛を手にして怪獣に立ち向かうおじいさんを見て『T』を思い出した。
ゲント隊長は怪獣の表皮に刺さらないと思うと言っていたが『T』だったら刺さる上に逆転の一撃になっていそう。

 

何も無いところから少しずつSKaRDの形が出来ていくのが面白い。
そう言えば特別チームが一から作られていく過程が描かれるのって意外と少ないなぁ。

 

スパイラルバレードを釣り竿にしてゲードスを釣り上げたのには驚いた。
こういうところも『T』のキングブレスレットを思い出す。
こうして見ると「明るく楽しい感じの特別チーム」「伝承に記されている怪獣」「コミカルな動きをするウルトラマン」と今回の話は全体的に『T』っぽかった。

 

ハルノ参謀長からSKaRDへの最初の正式な命令は「アースガロンでウルトラマンブレーザーより先に怪獣を倒してみせろ」であった。ここで「ブレーザーを倒せ」ではなく「ブレーザーより先に怪獣を倒せ」と言った事でハルノ参謀長はブレーザーを人類の敵ではなく怪獣と戦ってくれる存在だと認識した事が分かる。
ハルノ参謀長にとってブレーザーは「敵対する存在」ではなく「自分達と同じく人間を守って怪獣を倒す存在」となった。しかし、ゲント隊長達がブレーザーを「自分達と同じ事をする存在=仲間」としたのに対してハルノ参謀長は「自分達と同じ事をする存在=競争相手」としてしまった。