「俺と宇宙人と学者さん」
『ウルトラマンオメガ』第2話
2025年7月12日放送(第2話)
脚本 根元歳三
監督 武居正能
水棲毒獣ドグリド
身長 52m
体重 6万t
群馬県伊林市の山中に現れた怪獣。
両生類で乾燥に弱いので水のある場所を目指す。
背中の器官から毒の霧を出す。傷付けられた箇所から毒の液が零れ出る。
オメガのレティクリュート光線を口に受けて毒を出す間も無く大爆発した。
名前の由来は「毒」かな。
物語
怪獣の気配を感じたソラトに連れられて群馬の山中にやって来たコウセイ。
怪獣が出現して立ち入り禁止になった区域で二人は巨大生物の調査をしている生物学者のアユムと出会う。
感想
ヒロインのアユ姉登場回。
番組開始前に発表された情報を読むと『オメガ』はソラトとコウセイとアユムの3人がメインの物語になると感じたが実際に見たら『オメガ』の第1クールは「ソラト&コウセイとアユムとその回のゲスト」と言う作りになっていた。
『オメガ』第1クールのアユムはヒロインと言うより『オーブ』の渋川さんや『タイガ』の佐倉警部と言った「主人公達と公的機関を繋ぐ存在」に近い。コウセイの「怪獣と戦ってくれた巨人は人間の味方ですよね」に対して「怪獣と戦っただけでは人間の味方だとは結論付けられない」と返し、「もし巨人が人間に捕まったらどうなる?」に対して「自由ではいられないでしょうね」と答える等、アユムは公的機関に関わる人として意見を述べ、それを聞いたコウセイはソラトの正体をアユムに明かす事を躊躇って、結果としてアユムは『オメガ』第1クールではメインから少し離れた位置に立つ事となった。
「○○と○○と○○」と言うサブタイトルを見ると『仮面ライダーオーズ』を思い出す。
マサっさんとレミのラジオ番組「丹下マサルのエブリディがトレンディ」で怪獣とウルトラマンが初めて現れた世界の反応を伝えている。ヒーロー作品は現実とは違う設定の世界になっている事が多いので、このようにその作品の世界がどのようなものなのかを教えてくれるものが劇中にあると分かりやすさがグッと増す。
二人のラジオは他にも特別チームに所属していないコウセイ達が怪獣出現を知る情報源になる等、『オメガ』の作品に無くてはならないものであった。
コウセイに北京ダックを要求するソラト。
食事シーンが多くて食事を通して人間関係を示しているところは平成仮面ライダーシリーズに通じるものがある。(特に井上敏樹さんの脚本作品)
ソラトはウルトラマンに変身したり超人的な能力を使ったりしたらお腹が減ってしまう。
ウルトラマンは地球上では3分間しか活動が出来ない燃費の悪いヒーローなので、ソラトが常に何かを食べてエネルギーを補給していると言う設定はなるほどとなった。
ここからさらに「オメガに変身したら急激にお腹が減ってしまう=エネルギーが尽きてしまう」として「オメガに変身すると疲れてしまうのでここぞと言う時以外は変身しない」とウルトラマンが物語のクライマックスまで登場しない理由付けまでしている。
「お腹が減るのでご飯を食べる」の描写だけでウルトラマンに関する設定のあれこれを説明したのは上手かった。
世間ではオメガも怪獣と同じ扱いになっていた。
ウルトラマンも怪獣や宇宙人と同じ括りにされる事は過去の作品でもあったが、「グライムが一体目で、二体目はオメガで、三体目がドグリド」とウルトラマンと怪獣が纏めてナンバリングされるのはあまり無かったかな。ここは『仮面ライダークウガ』でクウガが「未確認生命体4号」と呼称されていたのを思い出す。
警察によって立ち入り禁止になっている区域に超人的な身体能力で入り込むソラト。
ウルトラシリーズは特別チームと言う公的機関があるので主人公達も「公」に属してそれに則った言動をする事が多いのだが、仮面ライダーシリーズはショッカー等の反社会的な組織があるので主人公達も「公」には関わる事が出来ず「私」に基づいた言動をする事が多い。
『オメガ』前半のソラトは記憶を失った為に宇宙観測隊と言う公的機関に関わる事が出来なくなり、地球でも警察や政府と言った公的機関と関われないので、今回の話のように「公」に関わらず「私」に基づいて動く事になる。
アユ姉にソラトの事を聞かれてその場で色々と嘘の設定を作っていくコウセイ。
あの場でとっさに「オオキダ・ソラト」と言う名前が思い浮かんだのが凄い。
それにしてもこういう謎の人物を他の人に紹介する時に「自分のいとこ」と嘘を吐いてしまう作品が結構あるが、いとこって意外とすぐに本当か嘘がバレてしまいそうな気がするんだよなぁ。
いきなり現れた怪獣を研究していた専門家なんていないとして、生物学者等のやれる人達が頑張って怪獣の研究をする事になる。だが、政府の調査チームに所属している人が怪獣出現を訴えてもダムの職員が動かなかったりと怪獣出現に対するシステムはまだ作られていなかった。
『オメガ』はウルトラマンや怪獣が現れたら世界はどのように対応して変化していくのかを非常に丁寧に描写していった。これは2クール全25話があって世界の変化を少しずつ描く事が出来るTVシリーズならではであった。
記憶喪失のソラトは怪獣の気配を感じてそれに関する情報を少しずつ思い出していくのだが、どうしても断片的なものとなってしまう。ソラトが口にした怪獣に関する断片的な情報を聞いてもコウセイはどうする事も出来なかったが、生物学者のアユ姉はそれらを繋げて推測して答えを導き出す事が出来た。
『オメガ』の第1クールはソラトとコウセイ二人の物語になっているが怪獣の謎を解いて物語を進めるにはアユ姉の存在が必要であった。
今回の戦いの舞台はダム。
個人的には毎回街中に出るより怪獣の特性に合わせて場所を変えていく方が印象に残って好き。
今回は「ダムが破壊されたら人間社会に大きな被害が出る」ので「ダムを守る巨人は人間の味方」と言うロジックが成り立つ等、舞台がダムである事にちゃんと意味が用意されていた。
エンディング曲はMindaRynさんとASHさんによる『Missing Link』。
『オメガ』はオープニング曲もエンディング曲も歌詞に作品の伏線が散りばめられていて聞き返すとなるほどとなる。
因みにオープニング曲の『BRIGHT EYES』とエンディング曲の『Missing Link』のMusic Videoは一本のドラマとして繋がっている。深読みしすぎなのかもしれないが、こちらも『オメガ』の伏線として色々考察出来るところがあった。