帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「雷音寺、荒ぶる」

「雷音寺、荒ぶる」
『ウルトラマンオメガ』第21話
2025年12月6日放送(第21話)
脚本 本田雅也
監督 辻本貴則

 

ウラン怪獣ガボラ
身長 50m
体重 2万5千t
岐阜県角田市で目撃された「巨大なタケノコ」こと「氷山怪獣イッカクキング」の正体。
開いたヒレを回転させてヘリコプターのように空を自由に飛ぶ事が出来る。
隕石に含まれていた地球には無いエネルギー物質のカエン102を狙う。
攻防に使えるヒレでオメガとヴァルジェネスを追いつめるが最後はヴァルジェネスハルバードカッターでヒレを切り取られ、剥き出しになった頭部にヴァルジェネスハルバードクアドランズを叩き込まれて倒された。

 

物語
国際組織の発足準備の為にサユキが海外に出張したのでアユ姉が班長代理を務める事になる。
そんなある日、ウタ斑の仕事ぶりを見る為に本部からサユキのライバル?で監督官の雷音寺マコトがやって来る。

 

感想
他の作品に比べて『オメガ』はゲストのキャラが妙に濃いところがあって今回登場した雷音寺もかなり濃いキャラをしていた。

 

オオカミ君辺りから顕著になってきたが『オメガ』のゲストは自己中心的で周りを振り回す人物が多くて雷音寺もそのタイプ。その為、『オメガ』のゲストはキャラが濃い人物が多いのだがキャラの方向性が同じで似たり寄ったりなところがある。個人的にはもう少しキャラの方向性をバラけさせても良かったかなと思う。

 

雷音寺は自己顕示欲が強い上にマウントを取りたがると言う視聴者からのヘイトを集めやすい人物となっているが実際に見ると意外とヘイトを感じなかった。
雷音寺にあまりヘイトを感じない理由はいくつかあって、まずは脚本、演出、演技によって滑稽な人物に仕上がっているので、視聴者は雷音寺を見ても「怒り」より先に「笑い」が出て「嫌な奴」ではなく「面白い奴」と言う感想になった。
次に雷音寺は権力や権威を笠にして威張る人物ではあるが人望はかなり薄くてアユ姉だけでなく現場の怪特隊員にも反感を持たれていて発電所の責任者にも反論されるなど現場では孤立している人物となっている。なので、班長代理のアユ姉が監督官の雷音寺にいじめられている構図になっているのだが一方でアユ姉を始めとする雷音寺に反感を抱いている人達がマジョリティで威張り散らしている雷音寺がマイノリティと言う構図にもなっていて、一歩間違ったら雷音寺は現場にいる人全員が敵に回って自分の持っている権力や権威が全て失われてしまう恐れがあると言ったように雷音寺を絶対的な強者として描いていなかった。
三番目は雷音寺が困ったり痛い目に遭う場面が細かく積み重ねられている事。主人公達や視聴者に不快な思いをさせた人物が最後に特大のダメージを負う事で主人公達や視聴者の溜飲が下げられると言う展開がよくあるのだが、この場合、その人物が最後に特大ダメージを負うまでの十数分間を視聴者は不快感を溜め続ける事になる。それに対して雷音寺は序盤の熱いお茶でヤケドする場面から始まって、現場で周りの人間から白い目で見られ続け、最後にアユ姉にやり込められる場面まで全編に亘って程度は小さいがダメージを負う場面が数分ごとに入れられていたので視聴者はその度に不快感が解消されて長時間に亘って不快感を溜め続ける事が無かった。
最後に雷音寺は登場シーンから駄目そうな感じがしていて実際にミスも色々あったのだが終わってみたら実は彼の言動が重要なものに繋がっていた事がいくつかあって「指示を出すのは駄目だけれど研究関係では凄い人だったのかも」と評価が後から上がる形になっていた。
物語を作る上で主人公達を苦しめる事になる人物が必要になる場合もあるのだが描き方を間違えると視聴者からの批判が一気に来るリスクがある。そんな中で雷音寺はヘイト管理が上手くいったキャラクターだったと自分は感じている。

 

いきなりの「きのこたけのこ論争」に何事だと思って見ていたら、そこからヒレを閉じた状態のガボラが現れて巨大なたけのこに間違えられると言うオチに繋がっていったのはなるほどとなった。

 

怪獣の正体が判明したところで「氷山怪獣イッカクキング」のテロップが砕けて「ウラン怪獣ガボラ」のテロップがバシッと出てくる。
劇中で怪獣の名前をテロップで紹介する形はかなり昔からあるが、こういう遊びが出来るのかと唸らされた。

 

ガボラのヒレが攻撃にも防御にも使えるものだったのがかなり面白かった。
ガボラのヒレは一度見たら記憶に残る印象的なものなので、このくらい色々活用しても良いと思う。

 

ガボラの肩書きは「ウラン怪獣」で好物も放射性物質のウランであるが福島原発事故が起きた現在の日本では扱いが難しいのか今回の話では隕石に含まれている「カエン102」を狙っていると言う設定になっている。(ただし、ガボラが襲った発電所の形で色々と仄めかされている)

 

ヴァルジェネスは二本足で立つのでオメガと並ぶとWヒーローっぽく見えて格好良い。

 

事件が解決してめでたしめでたしと思いきやソラトの前にもう一人のソラトが現れる。
「本当にそれで良いのか? それが、お前のやるべき事なのか?」。

 

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