「やさしい怪獣お父さん! ーしんきろう怪獣ロードラ登場ー」
『ウルトラマンT』制作第23話
1973年9月7日放送(第23話)
脚本 石堂淑朗
監督 筧正典
特殊技術 大平隆
蜃気楼怪獣ロードラ
身長 48m
体重 3万8千t
箱根付近のハイウェイの地下に潜んでいた。
蜃気楼を発生させる。鼻から吐く息は人間には害は無いが金属を溶かしてしまう。手から電流を流す。首や手を切断されても平気。ストリウム光線と同等の威力の光線を持つ。
タロウスパウトでバラバラにされ、ミニカーになってしまった。……何故に?
名前の由来は「ロード(道路)」かな。
物語
健一君の友達である六郎の家はかかあ天下。そんな情けない父親に六郎は失望していた。ある日、一家でドライブに行った先で怪獣ロードラが出現する。
感想
六郎の母親の身勝手振りがとにかく印象に残る話。
怪獣が出たと言う人達を無視したのは先程馬鹿にされた怒りからと言う事でまだ分かるのだが、その時の車には白鳥姉弟も乗っていた。もし二人の身に何かあったらどうするつもりだったのだろう?(白鳥姉弟の存在をすっかり忘れていたみたいだったが……)
サブタイトルは「やさしい怪獣お父さん!」となっているが、個人的には「こわい怪獣お母さん!」の方が合っていたと思う。
六郎の父親の運転がかなり危なっかしい。安全第一と言っていたが、車線ははみ出るわ、駐車場に停める時は斜めになっているわで、よく免許を取れたなぁと思うレベル。
怪獣に車を溶かされたから怪獣は私達のものと言う六郎の母親の理屈が分からない。
でも、六郎の母親が言うようにロードラは使い方次第ではかなり役立つ怪獣だった事は間違い無い。
ウルフ777溶ける!
ZATの車はマニアからの評判は悪いが個人的には好き。普通の車と違ってウルフ777やラビットパンダには面白い装置がたくさん付いていそう。どうせなら普通の車より突飛な車に乗ってみたい。
「話せば分かると思うのよ!」と言ってロードラへの説得を試みる六郎の母親。「相手は畜生だ!」とか「怪獣を信じられるか!」とか言われている中、話し合えば分かり合えるかもしれないと言う考えが出てくるのが凄い。動機はかなり不純だったが……。
今回の光太郎の変身はどう考えてもバレたような……。皆、怖くて目を閉じていたとするか……。
唐突に現れ、首や手を切断されても平気で、最後はバラバラにされてミニカーになると言うわけの分からない怪獣ロードラ。どう考えても普通の生物ではないし、妖怪の類いとも少し違う。出来れば『A』のヤプールが残した超獣の生き残りと考えたいが肩書きは超獣ではなくて怪獣になっている。う~ん。謎だ。分からない……。
六郎役は『A』で梅津ダンを演じた梅津昭典さん。「六郎」と言う名前は「ウルトラ6番目の弟」を意識しているのかな? ひょっとしたら超獣っぽいロードラの描写も『A』を狙った確信犯だったのかな?
今回の話は大平監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。