帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「レオ兄弟対怪獣兄弟」

「レオ兄弟対怪獣兄弟 ーレオの弟アストラ 兄怪獣ガロン 弟怪獣リットル登場ー
ウルトラマンレオ』制作第22話
1974年9月6日放送(第22話)
脚本 田口成光
監督 深沢清澄
特撮監督 高野宏一

 

アストラ
身長 50m
体重 4万9千t
レオの双子の弟。
赤い玉で兄弟怪獣に苦戦するレオのもとに現れる。実の兄弟だけあって息の合ったコンビプレーで兄弟怪獣を圧倒し、レオとの合体光線ウルトラダブルフラッシャーで勝利を収める。
劇中では語られていないが、L77星が滅ぼされた時にマグマ星人に捕らえられ、捕虜となっていたところをウルトラマンキングに助け出された。左足の鎖はマグマチックチェーンと言うマグマ星人の捕虜の証で、ウルトラマンキングでも取り外す事が出来なかったらしい。
兄弟怪獣を倒した後も地球には留まらず宇宙に旅立っていった。
意外にもレオよりアストラの方が体重が重い。マグマチックチェーンの分かな?

 

兄怪獣ガロン
身長 63m
体重 4万2千t
街中に突如現れて破壊活動を始めた。口から火花やミサイルを撃つ。マッキー2号を2機、マッキー3号を4機撃墜して、死者3名、負傷者16名と言うMAC始まって以来の大損害をもたらした。
レオの出現に劣勢に陥るが弟怪獣リットルの出現で形勢逆転してレオを撃破する。ダン隊長のウルトラ念力で一時地中に逃亡するが、その後、再び出現してレオを追い詰める。最後はアストラの出現で形勢逆転されてウルトラダブルフラッシャーで倒された。

 

弟怪獣リットル
身長 58m
体重 3万7千t
レオに苦戦する兄怪獣ガロンのもとに現れた。
実の兄弟だけあって息の合ったコンビプレーでレオを撃破する。ダン隊長のウルトラ念力で一時逃亡するが、その後、再び出現してレオを追い詰める。最後はアストラの出現で形勢逆転されて倒された。
名前の由来は兄と共に液体容量の単位から。
必殺拳! 嵐を呼ぶ少年」のアンタレスの着ぐるみを改造している。

 

物語
百子さんの誕生日に怪獣ガロンが出現する。
そこでゲンはれおとあすかと言う兄弟と出会い、生き別れになった弟アストラに思いを馳せる事に……。

 

感想
レオの弟アストラが遂に登場。レオに似ていながら違うデザインが見事。
問題なのは、やはり劇中でアストラの背景が全く語られなかった事だろう。何せナレーションが「レオの弟アストラはどうして生きていたのか? どこから来たのか? そして又どこへ行くのか? それは誰も知らない」と言うぐらいだ。「アストラに直接聞けよ!」と思わず言いたくなってしまう。
基本的に『レオ』は主人公であるゲンとダン隊長が知らない事は視聴者にも知らされない作りになっている。当時の雑誌にはアストラの特集記事が組まれて背景も殆ど語られたらしいが、やはり劇中でも説明してほしかった。

 

今回の話で大村さんが退場。実は大村さんの登場回数はわずか10回で『T』の朝日奈隊長より少なかったりする。
今回はガロンとリットルが兄弟と言う事を一発で見抜き、アストラの正体も見事に言い当てると凄い洞察力を見せた。
因みに大村さんは「MAC全滅! 円盤は生物だった!」でシルバーブルーメの犠牲者の欄に名前が無く、その後も城南スポーツクラブは登場し続けているので最後まで生きていたと思われる。

 

今日は百子さんの誕生日。
照れてドギマギしているゲンが面白い。ここは「今日はバースディ・イヴだろ」とさらりと言える『T』の光太郎とは違う。
ゲンが緊急出動する事にむくれる百子さん。珍しく百子さんのゲンへの想いが表れた。

 

「助けてー! レオ兄ちゃーん!!」と言う声の聞こえる方に向かったゲンが見たものは、かつての自分と同じく瓦礫の下敷きになった弟あすかを助けようとする兄れおの姿だった。
「君の力であすか君を助けたんじゃないか! 頑張れよ! あすか君の為にも。僕も出来るだけの事はしよう。必ずあの怪獣を倒してあげる。君やあすか君の為にも、もうこんな事はさせない!」。
自分と同じく両親を失い、今度は弟も失いそうなれおに対する台詞を聞くとゲンも成長したなぁと思う。

 

そこにやって来たダン隊長はゲンがレオに変身しなかった事を責める。
「なぜ子供達の事を我々に知らせなかった? 今のお前の使命はレオに変身する事ではなかったのか? もちろん子供の命も大切だ。しかし、その為に、より大きな犠牲が生まれている。どんな理由があろうとも戦うべきは戦わねばならん!」。
今回のゲンの行動は正しかったと思ったが、確かにゲンがレオに変身して怪獣を倒さなければ被害は大きくなる一方であった。ここはダン隊長の言う通り、MACに連絡を入れて助けてもらうべきだった。

 

今回登場のガロンはかなり強く、MACは今までで最大の損害を受ける。
MACは全員出動の総力戦を展開しても太刀打ち出来ず、全滅寸前まで追い詰められる。それでもレオならガロンを必ず倒せるらしい。レオが強くなったのか、MACが弱いのか……。
リットルの出現で窮地に陥ったレオをダン隊長がウルトラ念力で救うが命をさらに縮めてしまう。
ダン隊長は兄弟怪獣が現れる事を想像できなかった。セブンとしての能力は確実に弱まっている……。
MACの隊長としてはレオなどには頼りたくはない。しかし、同じ宇宙人としては、お前だけを信頼しているんだ」と本音を漏らすダン隊長。もはやMACにもダン隊長にも地球の平和を守りきれるだけの力は無い。地球の平和はレオ一人にかかっているのだ。

 

この辺りになるとダン隊長は初期の頃にあった「地球の平和は地球人の手で守っていかなければならない」と言う考えを捨てているように見える。
今回のダン隊長はMACにレオの援護を命令し、MACの援護を受けたレオはガロンを確実に倒そうとしていた。
地球人であろうと宇宙人であろうと、地球を故郷と思える者達が力を合わせて地球の平和を守っていけば良いと考えるようになったのだろう。
「ゲン、見てみろ。この平和な地球が宇宙人や怪獣が現れる度に荒らされていくんだ。MACはいまや全滅寸前だ。しかし、MACは全滅を覚悟で、愛する地球を守る為に戦おうとしている」、
「僕も、地球を愛する気持ちに変わりはありません!」。

 

レオはガロンを後一歩まで追い詰めながら病院の近くに現れたリットルの方を攻撃して、結果、ガロンのダメージも回復して敗北を喫してしまう。
気持ちは分かるが、ダン隊長が子供達の事は任せろと言っていたので任せた方が良かった。まぁ、こういう部分がゲンらしいと言えるが……。

 

「あの怪獣、名前は何て言うんだ?」と言う大村さんの質問に「ガロンです!」と即答するゲン。どうやって名前を知ったのだろう? ひょっとしたら、MAC内での呼称なのかな?
ガロンとリットルの正体だが、単なる地球怪獣なのだろうか? それとも、マグマ星人に送り込まれてきた宇宙怪獣だろうか?

 

今回はマグマ星人に襲われた時のL77星を見る事が出来る。
ダン隊長の「お前達兄弟を引き裂いた宇宙人や怪獣を憎いと思うか?」と言う問いかけにゲンは頷く。もはやマグマ星人に対する憎しみは捨て去ったように見えたが、やはり、そう簡単には捨て去れるものではなかったか……。

 

兄弟怪獣との再戦の時に人気の無い一本道を走って変身するゲンが格好良い。そのすぐ後に苦戦するのだが……。
しかし、この世の終わりの大ピンチに、遂にアストラが登場!
『A』の「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」以来のタッグマッチで見事勝利を収める。
さすがに兄弟だけあってかなり見事なシンクロ具合であった。

 

戦いが終わり、百子さんの誕生日にゲンを借り出してしまって申し訳無いとバラの花束を贈ったダン隊長。初期の頃はダン隊長の事をあまり快く思っていなかった百子さんも「隊長さんって優しい人ね」と印象を改めている。

 

さて、戦いを終えたアストラはその後どこに行ったのか? 自分なりに解釈してみた。
アストラはマグマ星人に捕らえられたがキングに助け出されて、死んだと思っていたレオの生存を知ると、地球にやって来て兄弟怪獣に苦戦するレオを助けた。
戦いの後、レオとアストラは無言で握手を交わしているが、この時に二人はテレパシーか何かで語り合っていたと考えられる。
お互いに死んだと思っていた兄弟が生きていた。それならば死んだと思われている両親や仲間達もどこかで生きているかもしれない。しかし、今のレオは地球を離れられないので、アストラが両親を捜しに宇宙へ旅立ったと言うのはどうだろうか?
その後、劇中に両親が出てこなかったのが難点だが……。

 

今回の話は1979年4月に『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』と同時上映で劇場公開された。