帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「MAC全滅! 円盤は生物だった!」

恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった! ー円盤生物シルバーブルーメ ブラックドーム ブラック指令登場ー
ウルトラマンレオ』制作第40話
1975年1月10日放送(第40話)
脚本 田口成光
監督 深沢清澄
特撮監督 大木淳

 

ブラック指令
身長 189cm
体重 80kg
シルバーブルーメ襲来と前後して地球に現れた謎の怪人物。水晶球で円盤生物に指令を送る。
シルバーブルーメがレオに倒されても、ブラックスターから新たな円盤生物を次々と地球に呼び寄せる。

 

円盤生物シルバーブルーメ
全長 40cm~29m
体重 1.2kg~1万t
地球から1千万kmの彼方に位置するブラックスターから地球にやって来た円盤生物1号機。
円盤形態の超スピードでMAC基地を強襲してMACを全滅させる。宇宙でレオを振り切って地球に襲来すると戦闘形態に変形して街を破壊し、カオルちゃん、百子さん、猛の命を奪った。その後、小型化して身を潜めてエネルギーを充填した後、再び戦闘形態に変形してレオと戦うがスパーク光線で倒された。
長い触手と黄色い溶解液が武器。人間にとって有害な黄色いガスも吐く。
全長が最大29mとなっているが全長143mのMAC基地を飲み込んでいる。

 

物語
ブラックスターから地球に襲来した円盤生物シルバーブルーメによってMACは全滅し、ダン隊長も消息不明になってしまう。さらにカオルちゃん、百子さん、猛もシルバーブルーメによって命を奪われてしまった。
生き残ったゲンとトオルの長く辛い戦いが始まる。

 

感想
物語半ばにしての特別チームが全滅すると言う前代未聞の展開。
予算の関係で基地のセットを存続できなくなり、MACを全滅させてホームドラマのセットを借りる事になったらしい。
このブログではMAC隊員を1人1人取り上げていたので、さすがに全滅はショックだった。
因みに今回の路線変更ではMACが全滅する事は決まっていたが、新たに加えられる設定には「美山家を中心としたホームドラマ」の他に「ウルトラマン達が宇宙船に乗って戦う」と言う案があったらしい。

 

地球から1千万kmの彼方に位置するブラックスター。
ガラスのような壁を割った先に存在しているので、異次元か反宇宙に存在しているのかもしれない。

 

予算の関係で円盤生物は着ぐるみが毎回は用意されなくなったのだが、結果として、これまで見られなかったデザインを持つものが多く誕生し、ウルトラ怪獣の幅を広げる事となった。

 

松木隊員の誕生パーティー。何故かダン隊長にヒゲが生えている。
初期のギスギスした雰囲気に比べて最近のMACはとても良い雰囲気だった。
そして、この幸せの直後に最大の悲劇が訪れる。

 

何故MACシルバーブルーメの襲来を捕捉出来なかったのか?
一つはシルバーブルーメの円盤形態のスピードが速すぎた事、もう一つは前回の「決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟」「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」でのウルトラの星接近で各種レーダーがボロボロになった事が考えられる。

 

マッキーで脱出しようとするが、シルバーブルーメに飲み込まれてしまった隊員達。その後の絶叫が辛い。

 

MACの最後は俺が見届ける!」と言い、ゲンに脱出するよう告げるダン隊長。
今のゲン=レオはダン隊長が不可能だと言った事も成し遂げられる程に成長しているので、もはやゲン=レオは自分がいなくても大丈夫だと判断したのだろう。
前回の「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」でセブンとしての自分を捨て去ってMACの隊長として生きる事を選んだ以上、生き残るより、今まで自分に付いてきてくれた隊員達と運命を共にする事を選んだのだろう。
その後、破壊されていく基地の中で赤いスポットライトを浴び、セブンのテーマ曲と共に「お前はレオだ! 不滅の命を持ったウルトラマンレオだ! お前の命はお前1人のものでない事を忘れるな! 行けぇー!!」と言い残して消えていくダン隊長がカッコ良すぎ!
こうしてモロボシ・ダンは地球を守るMACの隊長として隊員と共に果てたのだった。

 

ダン隊長は『帰マン』の坂田さんをモデルにしていると思われるが、坂田さんは必要以上にMATに口出しをする事は無かった。MATには加藤隊長や伊吹隊長がいるので自分がでしゃばるのは失礼だと考えたのだろう。坂田さんがアドバイスをする時は郷秀樹がMATから逃げ出した時ぐらいだった。
いくらなんでも主人公が何回も逃げ出すわけにはいかないので、中盤以降になると坂田さんの出番は少なくなってしまった。一方、ダン隊長は坂田さんのキャラクターを特別チームの隊長にする事で最後まで物語に関わる事が出来た。

 

遂に完全にシルバーブルーメに飲み込まれてしまったMAC基地。
中からレオが現れるが、シルバーブルーメに逃げられてしまう。
そしてシルバーブルーメは街に降り立つ……。

 

買い物に行ったビルがシルバーブルーメに襲われたカオルちゃん、百子さん、猛。その後、ビルの下敷きになる最期が辛い。
3人の死んだ直後にカオルちゃんの人形が喋り出す場面は思わず背筋がゾクッとした。
「お勉強しなきゃ駄目じゃない、また先生に叱られるわよ」、
カチッ、
「私ね、眠くなっちゃった。お兄ちゃん、子守唄歌って。ウフフフフ……」。
ある意味、カオルちゃんからトオルへの遺言にも聞こえる。
ウルトラシリーズで子供が怪獣に殺されてしまう話は他にもあるが、さすがにレギュラーの子供が惨殺されてしまうのは衝撃だった。

 

野戦病院と化した避難所の場面は『レオ』の中でも被害者が生々しく描かれていた。死亡者の発表欄での人々の痛々しい悲鳴はもはや聞くに堪えられない辛さ。ウルトラシリーズで、この場面以上に怪獣による被害を生々しく描いた場面は無いだろう。

 

3人を捜すゲンとトオル。ここにいないのなら、もしかしたら助かったのかもしれないと一瞬期待を抱くが、この直後、ウルトラシリーズ最大の悲劇が訪れる。
ゲンがカオルちゃんと百子さんの事を振り返る場面は『星空のバラード』の歌詞を思い出す。(猛がいないのが可哀相……)
こうしてL77星に続いてゲンは再び大切なものを失ってしまった……。

 

全身黒尽くめのブラック指令。人々が逃げ惑うの中、一人だけ悠然と逆方向に歩いていく姿が印象的。
水晶球を使った演出等、ブラック指令は光と影を上手く使った見せ方がされている。雨と雷が鳴り響く中での姿も格好良い。

 

その後、美山家で何事も無かったかのような平穏な日々を送るゲンとトオル
まるで、あの悲劇は全て夢だったかのような気さえする。

 

「私って十分女らしいわよねぇ?」とゲンに尋ねるいずみ。居候であるゲンには答えづらい質問だ。

 

小型化したシルバーブルーメを見て街を襲った円盤とそっくりだと言うトオル。そっくりかい?

 

シルバーブルーメが発する音を心臓の鼓動音か機械の音かで意見が分かれる子供達。
先生が預かる事になったが、結局、生物か機械か分からなかった。果たして円盤生物は生物なのか機械なのか、それとも……。

 

学校の先生を襲った後、シルバーブルーメは巨大化する。
この直後に翌日の場面に変わるが、この切り替えが急すぎて最初に見た時は混乱してしまった。
今回の話は要素がありすぎて1話にまとめるのは無理があった。やはり前後編にしてほしかった。

 

学校に車で駆けつけるゲン。この車は元はMACの物で、ゲンが退職金代わりに貰ったらしい。

 

今回のゲンはシルバーブルーメに対して皆の仇として我を忘れる事はせず、まず逃げ遅れたトオル達の救助を優先している。これはレオに変身した後も変わっておらず、まずシルバーブルーメの動きを止めてトオル達が救助されるのを待っている。似た状況があった序盤の話と見比べるとゲンが成長した事がよく分かる。

 

スパーク光線で止めを刺す前にシルバーブルーメの体内からマッキーを引きずり出すレオ。マッキーがドロドロに溶けているのが辛い。
レオは隊員の生存に一縷の望みをかけたのか、それとも仲間の遺体がまだ体内にあるうちに止めを刺すのを嫌ったのか……。

 

「むぅ……。今度こそ負けるものかぁー! ブラックスター2号機、ブラックドーム、来ぉーいー!」。