帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラマンキング対魔法使い」

日本名作民話シリーズ! ウルトラマンキング対魔法使い 一寸法師より ーウルトラマンキング 怪獣人プレッシャー登場ー
ウルトラマンレオ』制作第26話
1974年10月4日放送(第26話)
脚本 田口成光
監督 大木淳
特撮監督 東条昭平

 

ウルトラマンキング
身長 58m
体重 5万6千t
L77星でもウルトラの星でも必ずどこかにいると言われていながら、まだ誰も出会った事も無い不思議な力を持った伝説の存在であったが、第二の故郷・地球で正義の為に若い命を懸けているレオの前に姿を現した。
キングハンマーでレオにかけられたプレッシャーの縮小の魔法を解き、伝家の宝刀ウルトラマントを授ける。
レオと一緒にプレッシャーを倒すと再び宇宙へ去っていった。
ウルトラマンで初めてボディカラーに赤と銀以外の色を使っている。

 

怪獣人プレッシャー
身長 195cm~47m
体重 80kg~2万9千t
神出鬼没、おまけに不思議な術を使うと言われている宇宙の魔法使い。ピエロのように常に笑った顔や声が不気味。
爆発と共に現れるなど意外と派手好き。様々な術を使い、レオを縮小の魔法で縮めてしまった。強者の余裕からか、どことなく愉快犯的側面がある。
レオにかけた魔法をキングに解かれ、最後はレオとキングの連続光線で倒された。杖が無いと術は使えないようだ。
名前の由来は「プレッシャー(圧力)」かな。

 

物語
指にたりない一寸法師 小さいからだに大きな望み お椀の舟に箸のかい 京へはるばるのぼりゆく
宇宙の魔法使いと言われるプレッシャーに振り回されるMACとテツオ母子。
魔法で縮小されて絶体絶命の危機に陥ったレオの前に伝説の存在キングが現れる!

 

感想
前作の『T』とは180度違う路線を目指した『レオ』だったが視聴率が伸び悩んだ為、主題歌を変え、ブームだったホラー要素を加え、弟アストラを登場させ、今回からは『T』路線への回帰とも言える「日本名作民話シリーズ」を開始させた。
そう言えば『セブン』も『初代マン』とは違う作品を目指しながら視聴率が伸び悩んだ為、『初代マン』と同じ時間制限とビームランプの点滅が導入された。やはり弟子は師匠と同じ道を歩むものなのだろうか?

 

今回は『一寸法師』がモデル。
縮小されたレオはカマキリに追われ、お椀のお舟に箸の櫂で京の都ならぬMAC本部を目指す。
しかし、宇宙にあるMAC本部にお椀のお舟で行けるわけもなく結局は飛んでいく事に……。
縮小されたウルトラマンの絵は珍しくて面白いのだが、まんま人形に見えてしまうのが残念。

 

小さいおかげでエネルギー消費が少なくて普段より長く変身していられるレオ。
ダン隊長は普段のレオの変身時間を2分30秒だと言っていたが、確か2分40秒ではなかったっけ?
ひょっとしたら、レオが光線技を使うようになってエネルギー消費が激しくなった分、変身時間が短くなったのかもしれない。

 

虹色の煙が出た後、爆発と共に現れるプレッシャー。
今回は爆発が多い他、プレッシャーの魔法で様々な仕掛けが見られて絵的に派手な話であった。

 

プレッシャーは劇中では星人扱いになっている。
目的は不明。彼もマグマ星人に送り込まれたのかな? それとも宇宙のあちこちでイタズラをしていて、たまたま地球に寄っただけだろうか?

 

そのプレッシャーに負けじと雷と共に現れる派手好きなキングのじーさま。
まだ誰も出会った事も無い伝説の存在と言われているが、少なくともアストラは会っているはず。レオを助けたのもアストラとの縁からかもしれない。
ダン隊長はキングの顔を知っていた。伝説の存在と言っても顔の資料ぐらいは残されていたのだろう。(『ウルトラ銀河伝説』で明らかになるが、実際はゾフィとかもキングと面識があったわけだし)
天涯孤独だったレオだが弟のアストラに続いて後見人とも言えるキングが登場して、ウルトラファミリーに対するレオファミリーと言えるものが出来てきた。

 

キングがレオに伝家の宝刀ウルトラマントを授ける場面が格好良かった。
ウルトラマントが変形したレオブレラはプレッシャーの術をも撥ね返す威力を持っていた。

 

典型的な教育ママであるテツオの母親。母親の存在はテツオにとってはプレッシャーだったのだろう。その母親も息子を良い学校に入れねばならないと言うプレッシャーがあった。
怪獣人プレッシャーがテツオ母子につきまとったのも、母子のプレッシャーが怪獣人プレッシャーを呼び寄せていたのかもしれない。
怪獣人プレッシャーが倒されると母子のプレッシャーも無くなったが、母親の心変わりが唐突だったので、心変わりするきっかけの場面を入れてほしかった。

 

テツオの母親曰く「MACが私達を助けるのは仕事だから、お礼を言う必要は無い」。
確かにそうなんだけど、人としてその態度はどうだろうか?
後にダン隊長は「我々の仕事がどんなに大変で命懸けなものか、よく理解してくれる人もいれば、その反対に全く理解しない。いや理解しようとさえしない人々もいる」と語っている。
この台詞の後、ダン隊長はテツオの母親の言葉に思い悩むゲンに向かって、「宇宙人であるお前がそんな問題に心惑わされると言うのも不思議な話だ。お前も段々人間らしくなってきたのかな?」と言っているが、ゲンがこういう問題で心惑わされるのはいつもの事のような気がするが……?

 

今回から松木隊員が登場。現場に出動するところを見ると、桃井隊員の後任だろうか。
松木隊員はテツオの母親の言葉に傷付いたゲンを気遣っていた。
一方、レオ=ゲンが行方不明になった事を心配するダン隊長を気遣うのは、やはり白川隊員。こうして見ていると、ダン隊長、ゲン、白川隊員って、ある意味、三角関係ではないだろうか?

 

今回の話は一部の地域ではタイトルが「ウルトラマンキングのおくりもの」になっていたらしい。こちらの方が内容に合っていたと思う。

 

 

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