帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」

「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時 ーゾフィ ウルトラマン 帰ってきたウルトラマン ウルトラマンエース ウルトラマンキング アストラ 暗黒星人ババルウ登場ー
ウルトラマンレオ』制作第39話
1975年1月3日放送(第39話)
脚本 田口成光
監督 東条昭平
特撮監督 矢島信男

 

ウルトラ兄弟
アストラを倒そうとするが誤ってレオを倒してしまう。
キングが登場してニセアストラの正体を暴くと、キングの指示でウルトラキー無しでウルトラの星の軌道を変えようとしたがやはり無理だった。
ババルウ星人が倒された後、キングの提言もあって、レオ兄弟をウルトラ兄弟に仲間入りさせる。

 

ウルトラの父と母
レオ兄弟がウルトラ兄弟に仲間入りした事を祝福する。

 

アストラ
身長 50m
体重 4万9千t
レオがウルトラ兄弟に倒されるとウルトラキーを武器として使おうとしたが、そこに現れたキングにウルトラキーを折られ、キングの洗礼光線によってババルウ星人が変身した偽者である事が暴かれた。
本物は北極星の方角にある暗黒星雲の中で氷付けにされていたが、太陽に近付いた事でエネルギーが回復していき、レオの全身発光で氷塊から救出された後、レオと一緒に地球にやって来て合体光線ウルトラダブルスパークで折れたウルトラキーを元に戻した。
その後、レオがババルウ星人を食い止めている間にウルトラキーを持ってウルトラの星に向かい、ウルトラの星と地球の衝突を回避させた。
ババルウ星人が倒された後、キングの提言もあって、レオと一緒にウルトラ兄弟に仲間入りする。

 

ウルトラマンキング
身長 58m
体重 5万6千t
アストラがウルトラキーを武器として使おうとするところに現れてウルトラキーを折ると、洗礼光線でニセアストラの正体がババルウ星人である事を暴く。
ウルトラ兄弟にウルトラキー無しでウルトラの星と地球の衝突を回避するよう指示する。
ダン隊長にゲンの事を頼んで宇宙へと去っていった。
ババルウ星人が倒された後、レオ兄弟をウルトラ兄弟に仲間入りさせるよう提言する。
今回の話でウルトラの星出身である事が判明した。
レオに授けたからか今回はマントを付けていない。

 

暗黒星人ババルウ星人
身長 2m~56m
体重 140kg~2万8千t
以前からウルトラの星を狙っていた暗黒宇宙の支配者。
ニセアストラに変身し、ウルトラタワーを倒してウルトラキーを盗むと、ウルトラキーを使ってウルトラの星の軌道を狂わして地球と衝突させようとした。
実の兄であるレオにも見破れない完璧な変身でウルトラ兄弟とレオ兄弟を戦わせるが、キングの洗礼光線によって正体を暴かれた。
本物のアストラを氷塊に閉じ込めていたが、レオによって救出させられ、レオ兄弟のウルトラダブルスパークで折れたウルトラキーも元に戻された。両手に仕込んだチェーンやカッターを使って再びウルトラキーを奪おうとするが最後はレオキックで倒された。
怪獣の恩返し」のマグマ星人のスーツを改造している。

 

物語
ニセアストラの正体はババルウ星人だった!
ウルトラキーが折れてしまった為、ウルトラの星の軌道を変える事が出来ない。
そんな中、MACはUN-105X爆弾の使用を決定するが……。

 

感想
決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟」の続き。

 

ウルトラキーが武器として使われると言う非常事態だったとは言え、ウルトラキーを折ってしまったのはいくらなんでもやばかろう。(おまけに折れたウルトラキーがダン隊長にぶつかりそうになるし)

 

ウルトラの星と地球が衝突すれば、どちらの星も消滅してしまう。
キングはセブンに自分と一緒にウルトラの星に行かないか?と尋ねるが、ダン隊長は「地球は僕の第二の故郷です。もし、この地球がウルトラの星とぶつかる時は、僕は……、僕は地球と一緒に死にます」と答える。ダン隊長は既に自分の死に場所をウルトラの星ではなく地球と決めていた。
この答えを受けてキングは「そうか、おそらくウルトラマンレオもお前と同じ気持ちだろう。セブン……、ああ、いや、ダン。おおとり君を見てやるんだ」と言って去っていく。キングは2人をウルトラの星のセブンとL77星のレオではなくて地球人ダンとゲンと認めたのだった。

 

今回の前後編にはタロウが登場しない。『T』の最終回「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」で東光太郎がタロウの力を捨てたからだろう。
東光太郎の事だから、タロウに変身できなくても非常事態に混乱している人々を安全な場所に誘導したりしていたと思いたい。

 

さらに地球に接近するウルトラの星。
不気味な煙を上げ、もはや『初代マン』や『セブン』で語られたような光の国のイメージは無く、恐るべき死の星となっていた。

 

ゲンを看護する百子さんを見てダン隊長は「もうすぐ地球と星がぶつかるかもしれない。なのに、あなたはそんなにも冷静だ」と尋ねる。それに対して百子さんは「地球が壊れてしまったら何をしても同じです。だったら、私はおおとりさんの所にいてあげたいんです」と答える。そんな百子さんの姿に、ダン隊長はアンヌ隊員を思い出したのかもしれない。
飛べ! レオ兄弟 宇宙基地を救え!」と今回の話でゲンと百子さんのドラマは一応完結する。

 

高倉長官からUN-105X爆弾の使用を聞かされて驚愕するダン隊長。
ウルトラマンの助けが無ければ怪獣や宇宙人に勝てないのに、ウルトラの星を粉々に吹き消す事が出来るミサイルを持っているとは地球人の科学力はどこか歪んでいる。
この時、ダン隊長はウルトラの星にいる両親や兄さんや弟はどうなってしまうんだと呟いている。これはウルトラの父や母やウルトラ兄弟の事だろうか、それとも本当の両親や兄弟の事だろうか?(裏設定ではセブンの実の両親や兄も設定されていた)

 

他に方法が無いとは言え、自分達が生き残る為に他の存在を滅ぼしてしまう。この展開は『セブン』の「ダーク・ゾーン」を思い出す。しかも、今回は地球人の命の恩人であるウルトラの星の可能性があるのだ。
ダン隊長は「もし、あの星が本当にウルトラの星だったらどうするのですか? ウルトラ兄弟は今まで我々の故郷である地球のピンチを何度となく命を懸けて救ってくれたんです。そんな命の恩人に私は弓を引くような真似は出来ません!」と地球人の良心に訴えるが、高倉長官の「君の気持ちは分かる。しかし、君個人の感情ではどうにもならん事なのだよ。私だって、あの星がウルトラの星でない事を祈っているんだ」と言う答えに沈黙するしかなかった。

 

一方、ウルトラ兄弟の光線を受けて一週間近く寝込んでいたゲンはUN-105X爆弾の事を聞いて、そんなバカな事をさせてたまるかと飛び出し、ダン隊長に「あなたは自分の手でウルトラの星を壊そうと言うのですか!? あなたはウルトラの兄弟を裏切ろうと言うのですか!?」と詰め寄る。
故郷を失う辛さ、兄弟に裏切られる事の辛さをゲンはよく分かっている。それに対してダン隊長は「私は地球を守るMACの隊長なんだ」と自分に言い聞かせるように答え、ゲンの「しかし、あなたはウルトラセブンだ!」と言う言葉にも「分かってくれ……。俺はもはやセブンではない……」と力無く答えるのが精一杯だった。
『セブン』時代から地球人に憧れ、地球人になりたいと願っていたダン隊長。その結果は、第一の故郷であるウルトラの星を自分の手で壊さなければいけないと言う悲劇だった。

 

ここで今までくどいくらい伏線を張っていた本物のアストラの位置が判明し、レオによってアストラが救出される。
思えば、レオはいつもアストラに助けられてばかりいて、アストラを助けたのは今回ぐらいだったりする。

 

その後、ウルトラダブルスパークで折れたウルトラキーを元に戻し、レオがババルウ星人を食い止めている間にアストラはウルトラキーを持ってウルトラの星に向かう。こうして地球とウルトラの星の衝突は回避されたのであった。

 

この時、レオはウルトラサインの意味が分かっていた。おそらくダン隊長に教えてもらっていたのだろう。(成功したか失敗したかの二種類なので短い時間でも覚えられたのだろう)

 

ここからのレオのパンチによるラッシュラッシュラッシュ! そして止めのレオキック!は今までの鬱屈した展開を一気に吹き飛ばす爽快な勝ち方だった。

 

セブンとしての力を失ったダン隊長が地球を守るMACの隊長と言う立場で苦しんでいるのと対称的に、レオはアストラと一緒にウルトラマンとしての奇跡の力で事態を見事に解決した。

 

今回の敵であるババルウ星人マグマ星人のスーツを改造しているのでマグマ星人とイメージが重なる。チェーンでアストラを捕らえたりしていたので、L77星の因縁も含めて、ババルウ星人に改造しないでマグマ星人のままで登場させた方が良かったと思う。

 

全てが終わり、ウルトラタワーにも正義の炎が戻った。
キングの提言でレオ兄弟はウルトラ兄弟に仲間入りし、今までは自称ウルトラマンだったレオは真にウルトラマンの称号を手に入れた。
ダン隊長=セブンと同じウルトラ兄弟となる事でレオは師匠と並び立ったと言える。
こうして第1話時点にあった様々な不安要素は全て解決。このまま完全なハッピーエンドとして物語を終えても良かったのだが、『レオ』はそんなに甘くはなかった……。

 

「おーい! アストラー! 俺達はウルトラ兄弟になったんだぞー!」。