帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「科学警備隊へのチャレンジ!!」

「科学警備隊へのチャレンジ!! ー機械怪獣ヘクトール登場-
『ザ☆ウルトラマン』制作第11話
1979年6月13日放送(第11話)
脚本 吉川惣司
絵コンテ 布川郁司
演出 安濃高志

 

機械怪獣ヘクトール
身長 105m
体重 8万5千t
大河原が5年かけて完成させたブルドーザー兵器で怪獣の探知、捜索、追跡、攻撃を全て行える。
ヒマラヤ山脈内部に生息していた液体怪獣に乗っ取られて暴れ回ってしまう。
液体怪獣は形を持たず、機械にだけ取り憑く性質を持っていて、ヘクトールの他にピグも乗っ取っていたが、熱に弱い事を突きとめられ、最後はプラニウム光線で倒された。
後にヘクトールは破壊した麓の村の復興に使われる事となった。

 

物語
ヒマラヤ山脈から大河原大介なる日本人が怪獣を倒せる機械ヘクトールの開発に成功したとの知らせが入った。
大河原の同僚であったアキヤマキャップが会いに行くが……。

 

感想
今回からサブタイトル画面の音楽が変更されている。

 

ヘクトールを開発した大河原はメカニックデザイン担当の大河原邦男さんがモデルだろうか?

 

かつて地球防衛軍で新兵器開発に打ち込んでいた大河原であったが、5年前にヘクトールのプランを提出しても採用されなかった。
反対した幹部によると、怪獣の存在がまだ確認されていないので慌てて作る必要は無い、現状は守るだけで精一杯なので攻撃に特化した考えは危険との事。
5年前の時点で怪獣の存在を主張していたのは少数だったらしい。あれ? 「見えたぞ! まぼろしの怪獣が…」で10年前に怪獣ザロームの存在が確認されたと言う話があったのだが?とちょっと突っ込みたくなる。
後に大河原が完成させたヘクトールは優れた攻撃能力を持っていたが液体怪獣の侵入を許してしまい、防御より攻撃を優先させた大河原の考えの危うさを示してしまった。

 

マルメ隊員がピグの内部にガスレンジを設置して鍋焼きうどんが食べられるように改造する。ピグの内部が空洞すぎて驚いた。
しかし、この機能が父親が消息不明になって落ち込む一郎少年を慰めたり、ピグの内部から液体怪獣を追い出したり、最終的に液体怪獣本体を倒す事に繋がったりする。
ピグとヘクトールを見ると、今回のテーマの一つは人間と機械の関係と言えるかもしれない。

 

ヘクトール完成を誇る大河原はヒマラヤ山脈内部に怪獣がいる事を突きとめて殲滅に向かうと宣言。
同僚であり友人であったアキヤマキャップが止めても無駄で、せめて状況報告くらいはしてほしいと通信機を渡す。この通信機を通じて科学警備隊は大河原とヘクトールの身に異変が起きた事を知るのだが、通信機の使用がここだけだったのは少し残念。
同僚でなくなっても友人であり続けたアキヤマキャップと大河原を繋ぐ装置として、大河原が消息不明になった後も何らかの形で生かしてほしかった。

 

岩盤を掘り進んでヒマラヤ山脈内部の洞窟へと向かうヘクトールだったが液体怪獣に襲われて消息不明に陥ってしまう。
科学警備隊は掘削機で掘り進むが作業は進まず、やがて日が暮れてしまう。
何故パッセージャー号を持って来ない? 本部に戻るまで時間がかかるとしても一晩かかるとは思えない。先のザロームの件もそうだが、今回は他の話との連携が取れていないのが残念。

 

液体怪獣に乗っ取られて麓の村を襲うヘクトール。こんなに大きかったのか!と驚くほどに大きい。これを大河原一人で完成させたと言うのが凄い。
液体怪獣に乗っ取られてマルメ隊員に襲いかかるピグの顔がかなり怖い。

 

ロボット三原則」と言うわけではないが、基本、ピグは人間の指示には従わなければいけないらしく色々と苦労している。
正確にはロボットではないが、液体怪獣に乗っ取られて「怪獣」となったヘクトールはこの原則をあっさりと破ってしまっている。

 

大河原を発見するもヘクトールに襲われる科学警備隊。スーパーマードックに戻って一時退却しようとするが窮地に陥る。
ヒカリがジョーニアスに変身するが、途中からヒカリがいなくなっているのに誰も気付かないのは不自然だった。
ヘクトールの攻撃能力に苦戦するジョーニアスだったが、一郎少年の助言で液体怪獣が熱に弱い事が判明し、大河原の提案によってスーパーマードックの噴射口からヘクトール内部に熱が送られ、逃げ出した液体怪獣をプラニウム光線で倒すのだった。

 

事件が解決し、大河原は自分が怪獣を倒す事より新兵器作りに熱中していた事を反省し、ヘクトールで破壊された麓の村を復興させる事を誓う。
そして一郎少年は大きくなったら科学警備隊に入隊したいと言う希望をヒカリに伝えるのだった。

 

かつて同僚だったが今は立場が異なるアキヤマキャップと大河原の対立かと思いきや、それは前半に少しあったくらい。新兵器開発に没頭した大河原が自らの過ちを悔いる話かと思いきや、それも大河原が消息不明になっていた時間が長すぎて特に突っ込まれず。一郎少年と科学警備隊の対立もあまり掘り下げられずに終わり、同じ兵器開発担当として大河原とトベ隊員の話があるかと思いきや、それも殆ど触れられなかった。
残念ながら今回の話は全体的に練り込み不足だった。