帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪獣とピグだけの不思議な会話」

「怪獣とピグだけの不思議な会話 ー同居怪獣オプト登場ー
『ザ☆ウルトラマン』制作第12話
1979年6月20日放送(第12話)
脚本 平野靖司
絵コンテ 寺田和男
演出 石田昌久

 

同居怪獣オプト
身長 チョウ・83m ジン・80m サン・79m
体重 チョウ・5万3千t ジン・4万2千t サン・3万4千t
チョウ、ジン、サンと言う兄弟が一つの殻に同居している怪獣。
以前は優しくて大人しかったが、人間の環境汚染で兄2匹は凶暴化してしまった。残るサンは兄達の栄養分で生きていて、兄達への愛情を心の支えにして凶暴化するのを防いでいた。
兄2匹は資源を乱獲して自分達の食べ物を奪った人間達を恨み、陸に上がって人間達を襲う。サンは兄達を説得するが失敗して逆に殻から追い出されてしまう。
兄2匹はプラニウム光線で倒され、目の前で兄2匹を殺されたサンは怒りから凶暴化するが、ジョーニアスと戦う前に力尽きてしまう。その後、ジョーニアスによってサンの亡骸は南極の海深くに葬られた。
ピグの目測によると、高さ約63m、重さ約2万5千tとの事。身長は殻に隠れている部分があるのでともかく、体重が10万t以上もズレてしまったのはピグらしくないなぁ。

 

物語
人間の環境汚染で凶暴化した怪獣オプトが出現。まだ優しい気持ちが残っていたサンは兄達を説得するが失敗してしまう。
サンと心を通わせたピグはオプトを倒さないでほしいと訴えるが……。

 

感想
絵作りの面白い話。冒頭の嵐、オプト上陸に備えて沿岸一帯に待機している防衛軍、夕闇に黒い影として立つオプト、寝ているオプトに寄りかかるトベ隊員、オプトの街破壊シーン等、下手な実写作品より怪獣作品の絵作りが出来ている。
物語も定番となった人間の環境破壊問題にオプトとピグの話も盛り込んでいて、かなりレベルの高い出来となっている。

 

極東ゾーンの喫茶店で野島ユリコが初登場。あまりにもさり気なさ過ぎるので油断していると見過ごしてしまいそう。

 

実は動物の言葉が理解できたピグ。唐突な紹介ではあったが、モンキとの関係があったので違和感は無い。今回はサンと心を通わせ、オプトのドラマを展開させている。
波長に意味があると説明しているので、全ての動物や怪獣の言葉が分かるのではなくて、波長が合う相手に限られると思われる。
ピグモンがモデルのピグで怪獣とのコミュニケーションが行われるとなると、『初代マン』の「小さな英雄」を思い出す。

 

オプト上陸に備えて東京湾一帯に厳重体勢を敷く防衛軍。
まるでゴジラ映画のようで、予算の関係で人数や装備が限られる実写とは違う、アニメならではの利点が生かされている。

 

上陸したものの眠ってしまったオプトを見て、トベ隊員は今のうちにスペースシップで宇宙に捨ててしまおうと考える。
海中を汚しているのは人間だと指摘していたトベ隊員だったが、迷惑な存在を宇宙に捨ててしまおうと言う考えはそれと同じ。気を付けなければ、人間によって汚染された宇宙で新たな怪獣が生まれてしまう。

 

兄達を説得するサンだったが、人間への怒りを解かない兄2匹はサンを噛んで殻から追い出してしまう。
話の雰囲気から説得に失敗する展開は読めていたが、兄に噛まれる弟の図は衝撃だった。

 

兄達を殺さないでほしいと傷を負った体で追いかけるサン。
一方、チョウとジンに襲われる母子を見たヒカリはジョーニアスに変身する。細かい部分だが、ここは母子ではなく兄弟にしてほしかった。
サンの話を聞いていたジョーニアスは攻撃せず、海に帰るよう説得するが、チョウとジンは2匹がかりでジョーニアスに襲いかかる。
ラニウム光線の構えを取るジョーニアスだったが、そこにサンがやって来て兄達を助けてほしいと懇願。一瞬、間が開くが、襲いかかるチョウとジンを前にジョーニアスはプラニウム光線を撃つ。
目の前で兄達を殺されたサンは最後の心の砦であった兄達への愛情を奪われて遂に凶暴化。「ウルトラマン、殺さないで!」と叫ぶピグ。ジョーニアスのカラータイマーが赤く点滅する。しかし、傷付き衰弱していたサンにはジョーニアスと戦うだけの力は残されていなかった。
ジョーニアスはサンの亡骸を抱き、宇宙に捨てるのではなく、地球上に残された数少ない汚染されていない場所である南極の海深くに葬る。
人間が足を踏み入れていない世界、サンは元の姿に戻って安らかに眠った。

 

事件が終結して、マルメ隊員は怪獣は人間の住む世界に来てはいけなかった、仕方が無かったとするが、ヒカリは人間がオプトの住んでいた世界を汚染したと語り、アキヤマキャップも人間が自然と共にある事を認識しなければオプトのような怪獣がまた現れると締める。
オプトの鳴き声でサンに「さようなら」と呼びかけるピグ。
はたして人間は変わる事が出来るのだろうか?
今回はウルトラシリーズで定番となった人間の環境破壊が怪獣を生み出してしまう話。環境汚染でオプトが変異していく様が直接描写されているので印象が強くなっている。

 

今回の話は平野靖司さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。

 

 

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