帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「美しい転校生」

「美しい転校生」
ウルトラマン80』制作第12話
1980年6月18日放送(第12話)
脚本 広瀬襄
監督 深沢清澄
特撮監督 高野宏一

 

ビブロス星人ミリー
身長 152cm
体重 42kg
全宇宙支配の第一歩として地球に基地を作ろうとしたビブロス星人が邪魔な80を消す為に宇宙戦士ゴラと一緒に送り込んだ。
透視能力、赤い光線、爆発物等を使って猛殺害を狙う一方、ゴラの存在から猛の目を逸らす為に青山ミリーとして1年E組に転校して博士(ハカセ)と友達になるが、本当に博士(ハカセ)の事が好きになって地球攻撃の意思を鈍らせてしまう。
計画が失敗に終わった後、80に敗れたゴラの死に悲しそうな顔を見せる。その後の消息は不明。
声のみで司令官らしき存在が登場している。

 

マグマ怪獣ゴラ
身長 59m
体重 4万t
80抹殺の為にミリーと一緒にビブロス星人が地球に送り込んだ宇宙戦士。
隕石の落下に見せかけて卵の状態で浅田山火口内部に侵入してエネルギーを溜めていた。
80のウルトラショットを手で弾き、互角の光線を発する。さらに手やたてがみから発する熱線で80を追い詰めるが、バックルビームとサクシウム光線の連続攻撃を受けて敗北した。
炎をイメージしたかなり強そうなデザインだが死に間際の声は意外と可愛かった。

 

物語
ハカセは転校生のミリーと言う少女と仲良くなるが、実はミリーは地球攻撃を画策するビブロス星人の手先だった。
果たしてハカセは? ミリーは? そして矢的先生は?

 

感想
学園編の最終回。その為か第1話から活躍していたハカセが話の中心となっている。
ミリーと初めて出会った時、ハカセは自分の方から腕を組みにいっている。その後もミリーがマリ達に絡まれている時も格好良く助けに行き、マリ達に向かって「メダカはしょせんメダカさ。金魚にはなれない。とかくメダカは群れたがる。悲しい習性さ」と吐き捨てると「行こう、金魚さん」と言ってミリーと一緒に行ってしまう。
意外と積極的だったんだなぁ……。

 

冒頭、偽のラブレターでハカセを引っ掛けて驚かそうとするマリ達。性格悪いなぁ。
このゲームがミリーの登場で失敗してしまったので今度はミリーに因縁をつける。それは逆恨みだぞ。
ファッションもマリ達と一緒にいたが、ハカセは偽のラブレターには引っ掛からないかもと言ったり、マリ達がミリーとハカセに因縁をつける時もあまり絡まなかった。
マリ達に意見する気は無いが、友達のハカセを困らせる気もそれほど無かったようだ。

 

青山ミリーとして矢的先生のクラスに転校してきたミリー。
父親はアメリカ人で母親は日本人のハーフと言う設定だが、何故か今までいた所はアメリカではなくてオランダとなっている。

 

自転車で通勤するようになった矢的先生。遅刻しない為の対策であろう。
しかし、ミリーが仕掛けた爆発物によって自転車は哀れおしゃかに……。

 

その自転車に仕掛けられた爆発物は地球以外の星の元素で作られていた。
オオヤマキャップは猛に命を狙われる心当たりはあるかと尋ねるが、当然、猛は答えられない。それは猛が80だからだ。
その後、オオヤマキャップがこれは猛個人にではなくてUGM全体に対する挑戦だろうと言った事で猛が80であると疑われなくて済んだ。(オオヤマキャップは猛が80である事を知っていて、これはUGM全体に対する挑戦だとわざと言った可能性もある)

 

未成年でありながらハカセとミリーが休日に2人だけで遠出をした事が問題になる。その問題に対して矢的先生が述べたのがこれ。
「教師や親に言われるままにひたすら受験勉強に打ち込んできた少年が年頃になって親にも言えない秘密を持つ事があるんです。そんな時、ちょっとしたつまずきで、今、世間を騒がせているような悲劇が生まれてくる事があるんです。家庭内暴力とか……、非行とか……。これは一つには子供の時代を子供らしく正常に育てない結果なんです。子供の成長と共に自然に芽生えるものを無理矢理摘んでしまった結果です。博士(ハカセ)は少年らしく男らしく成長しているんです。安心してください」。
今まで矢的先生と対立していた教頭先生も、この言葉には感心したのか反論は一切しなかった。(場面では教頭先生の代わりにハカセの母親が矢的先生の言葉で自分の考えを改めている)
矢的先生は教師として様々な人生論を語ってきたが、これが学園編での最後の人生論。上の言葉を聞くと、やっぱり学園編はやめないでほしかったなと思うが今更言っても仕方が無いか……。

 

ミリーの正体が宇宙人だと知った猛は80の超能力で浅田山に向かう。
矢的先生の姿を見たミリーは思わず「先生……」と呟く。
そして矢的先生もUGMの隊員服は着ず、教師としてミリーに接する。
地球侵略の為ではなく、本当に博士(ハカセ)の事が好きになったと言うミリーに対し、矢的先生は「その好きと言う気持ちをもっと大事に出来ないか? 今のまま博士(ハカセ)のいい友達であり続ける事は出来ないか?」と説得するがミリーの答えは「NO」であった。
これ以降、ミリーは矢的先生の事を「先生」と呼ばず「80」と呼び続ける。
そして、遂に80とゴラの戦いが始まった。

 

80とゴラの戦いは止め絵もあって印象に残った。
ゴラはなかなかの強敵であった。
死に間際のゴラの声や、それを悲しそうな顔で見つめるミリー等、敵側のドラマもあって良かった。

 

その後、博士(ハカセ)にはミリーはオランダに帰ったと告げられる。
ビブロス星人の司令官らしき存在は地球攻撃の中止はミリーの死を意味すると言っていたが実際はどうなったのだろう? どこかで生きていると思いたいが……。
どちらにせよ、残ったのは博士(ハカセ)への別れの言葉が入っているテープのみだった。
「中学と言う素晴らしい時代を思いっきり生きてください……」。

 

最後に学園編終了について。
『80』の中では矢的先生が教師を辞めたと言う描写が無いので、劇中で描写されていないだけで教師は続けていたと言う解釈も可能だが、この後の話で教師絡みの話が全く無い事から辞めたと解釈した方が自然だろう。
では、なぜ教師を辞めたのか?
今回、矢的先生は学校でミリーが仕掛けた爆発物に襲われている。幸い周りに人がいなかったので良かったが、もしいたら巻き添えにしていたところだった。80である矢的先生が桜ヶ岡中学校で教師を続けている限り、学校が侵略者に狙われる危険があるのだ。まだ今回の敵がミリーだったから良かったものの、もしこれが『帰マン』のナックル星人や『A』のヤプールや『レオ』のブラック指令だったら、絶対に生徒を人質に取ったり危険な目に遭わせたりしただろう。
普通の学校である桜ヶ岡中学校には侵略者に対する備えが無いが、特別チームであるUGMは猛がいようがいまいが侵略者に狙われているし、侵略者に対する備えも一応出来ている。だから矢的先生は学校の皆を危険から遠ざける為に教師を辞めてUGMで一所懸命頑張る事にしたのだろう。
因みに『80』の中では教師に関する設定がこの後どうなったのか描写されていないが、後に『メビウス』の「思い出の先生」でフォローが行われている。学園編の完結編と言っても良い内容になっているので、学園編のきっちりとした結末を見たかった人は是非一度見てほしい。

 

今回の話は深沢監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。

 

 

ウルトラマン80 COMPLETE DVD-BOX

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