帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「白い悪魔の恐怖」

白い悪魔の恐怖」
ウルトラマン80』制作第27話
1980年10月1日放送(第27話)
脚本 南川竜
監督 外山徹
特撮監督 高野宏一

 

泡星人アルゴ星人
身長 2m~45m
体重 59kg~6万t
80にもその存在を知られている宇宙人。
猛曰く、他の生物の知能を吸い取って高級生命体になろうとするエゴな宇宙人。地球人の若い知能を狙って地球に侵入した。
実体が無くなりつつある為、地球上では青山博士の体を乗っ取って活動するが影はアルゴ星人のまま。
白い泡で地球人を襲う。又、白い泡は宇宙服のようにアルゴ星人を保護する役割もある。ビルの材料を利用して実体、巨大化した。
目から光線を放ち、口から溶解泡を吐き、全身からミサイルを撃つ。強い光が苦手。サクシウム光線を受けて泡となって消滅した。
白い泡は火には強いが水には洗い流される特性を持っている。

 

物語
次々に白い泡に飲み込まれて消えていく人々。UGMは青山博士に意見を求めるが、どこか様子がおかしい。
既に青山博士は白い泡の正体であるアルゴ星人に乗っ取られていたのだった!

 

感想
今回からフジモリ隊員とイケダ隊員が登場。劇中テロップ付きで紹介される。
フジモリ隊員はUGM養成所の3期生、イケダ隊員は6期生との事。
先輩になったからか、今まで基地内にいる事が多かった城野隊員が現場に出るようになった。

 

写真部の人間が急病になったらしく、ピンチヒッターでセラ広報員が写真を撮る事になる。って、地球防衛軍の写真部は1人しかいないのか?

 

青山博士が語るアルゴ星人の秘密。
アルゴ星は今から100万年前に死滅して縮小を続け、遂にブラックホールとなった。その後、アルゴ星人は地球人にとって酸素に等しい炭酸ガスを求めて宇宙を彷徨うようになり、排気ガス等の炭酸ガスが満ち溢れている地球にやって来たらしい。
宇宙の高級生命体の進化の最後の姿は実体の無い想念だけの生物となると言われていて、アルゴ星人はその進化の途上で既に実体が無くなりつつあるとの事。
今回の話は正統派の侵略ものとなっているが、アルゴ星人の設定はウルトラシリーズでは斬新なものだった。

 

ただし、この時の青山博士は既にアルゴ星人に乗っ取られていて「アルゴ星人は戦いを好まない平和な宇宙人で人間消失は別の宇宙人の可能性がある」と言ったりしてUGMの調査を撹乱させようとしていたので、どこまで真実かはちょっと疑わしい。
他にも「地球人がどんなに背伸びしても勝てない」とか「怒るとこの宇宙で一番強い」とか、かなりアルゴ星人の事を持ち上げている。

 

今回の話で面白いのは青山博士。
アルゴ星人に乗っ取られるのだが、アルゴ星人の知識を求めて自分から協力を申し出た節もある。もっとも後悔する事になるんだが……。
「アルゴ星人は神のような大きな知識を持つ星人だと聞いていた。だが、奴は神ではなかった。悪魔よりずっと悪賢いエイリアンだった!」。

 

アルゴ星人は猛をバリアーの中に閉じ込めて80に変身できなくさせるが、猛は気力を集中させてバリアーを破壊して変身する。
「気力」と言うのが凄いなぁ。

 

アルゴ星人の本当の目的は地球人の若い知能を吸い取る事。これから育とうとする地球人の若いエネルギーは宇宙でも数少ない栄養源らしい。
この話を聞いて思い出したのが、かつて週刊少年ジャンプに連載されていた『レベルE』。
地球人自身が気付いていない宇宙でも優秀な生物に進化する可能性がある遺伝子を狙って宇宙人が地球にやって来ると言う話がある。
ウルトラシリーズで数多くの宇宙人が地球にやって来るのも、宇宙人が地球人の未知の可能性を狙って(あるいは恐れて)いるのかもしれない。(地球人は他の宇宙人と違って変身も巨大化も出来ず光線も撃てないが、まだ進化の途中だと考えれば説明はつく)

 

「この宇宙にはもっと恐ろしい奴がいる。いつ、また襲ってくるか分からない……」。

 

今回の話は『80』で唯一の南川竜脚本作品。
南川竜は野長瀬監督のペンネームだが、野長瀬監督が自分の監督作品以外の脚本を担当したのはウルトラシリーズでは今回のみとなっている。