帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「こだま ~谺~」

episode3 こだま ~谺~」
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』第3話
2017年1月9日配信(第3話)
脚本 小林弘利
監督 小中和哉

 

ウルトラマンダイナ
身長 55m
体重 4万5千t
怪獣達を使って宇宙を混乱させている存在を知り、コスモスペースのムサシに助けを求め、自身は惑星ザインに降り立ってオリジン・ザ・ファーストの危機を救う。

 

ウルトラマンコスモス
身長 47m
体重 4万2千t
アスカからテレパシーで助けを求められ、アスカの位置を目標に時空を超えて行った。

 

遊星ジュランの怪獣達
リドリアスとボルギルスが元気に過ごしている。

 

クグツベムスター
身長 46m
体重 6万1千t
あらゆる物を吸収し、オリジン・ザ・ファーストのオリジウム光線も吸収するが、最後に吸収したオリジン・ザ・ファーストに体の内部から破壊されて倒された。

 

クグツバードン
身長 62m
体重 3万3千t
惑星ザインでベゼルブと共にオリジン・ザ・ファーストとダイナを迎え撃つ。

 

宇宙悪魔ベゼルブ
身長 2m~50m
体重 400kg~4万t
惑星ザインに近付いたスザーク号を待ち受けていた。
オリジン・ザ・ファーストのオリジウム光線で次々と倒されていくが、それでもまだ数多く残っている。

 

物語
苦戦の末にクグツベムスターを倒したオリジン・ザ・ファースト。
ミコットとリッカの話を聞いたガイは自分達も一緒に惑星ザインに向かう事を決める。
一方、他のウルトラマン達も怪獣達を使って宇宙を混乱させている存在を知り行動を開始する。

 

感想
初代マンの頃からウルトラマンは様々な能力を持っていて、『初代マン』の「科特隊宇宙へ」ではスペシウム光線が通用しないバルタン星人相手にいきなり新技の八つ裂き光輪とウルトラ眼光を使って勝利している。
このようにウルトラマン達は次々と能力を出して勝利する事が多いのだが、ガイが変身するオリジン・ザ・ファーストはまだ能力を完全に使う事が出来ず、光線技を吸収するクグツベムスターが相手でもオリジウム光線以外の攻撃が選択できず苦戦する事になる。
こうして見ると、オリジン・ザ・ファーストと同じく技が少なかった初期のレオを特訓して半年あまりで一人前のウルトラマンレベルに育て上げたダン隊長って凄かったんだなぁ。

 

ミコット「あの巨人、あなたの友達?」、
ジャグラー「……いや」、
ミコット「友達じゃない。でも、相棒でしょ」。
ミコットはジャグラーと会ったばかりなのだがジャグラーの心の中をズバズバと言い当てていく。
ミコット「あなたは心に穴が空いている人ですね。信じられたものに裏切られた顔。あなたを裏切ったのはやっぱり女性?」、
ジャグラー「確かに信じてたものに裏切られた。だが、女じゃない」、
ミコット「じゃ、友達? ガイさん?」、
ジャグラー「アイツは誰かを裏切るなんて思った事すら無い。不器用の見本だ」、
ミコット「じゃあ、誰に裏切られたの?」、
ジャグラー「……俺自身だ」。
ジャグラーはミコットが弟子入りを志願しても避けるのだが、それはおそらくミコットが自分の気付いていない認めたくない心の内の部分まで表にさらけ出してしまうのを恐れていたのかもしれない。

 

ジャグラーは自分自身に裏切られたと考えているらしい。おそらくこれは「光に選ばれなかった自分自身」に失望してしまったのだろう。
ジャグラーはミコットに「自分を認めてやるのは大事な事だ。自分を信じない奴はヘマばかりだ」と言っている。この時のジャグラーの言葉は自分がウルトラマンに認められた事に不安なガイに向けてのものだったと思われるが、実はこの発言の時点でジャグラー自身も自分を認められず信じられなくなっていた。そんなジャグラーは後に最大のヘマを犯してしまう事になる。

 

光に選ばれなかったジャグラーはその原因と責任を自分自身に求めていた。
自分に厳しいジャグラーらしいが、これでは光に選ばれない限りジャグラーは自分自身を責め続ける事になってしまう。
TVシリーズジャグラーは光は大した事が無いとして自分が得た闇を誇示するようになっていたが、これはジャグラーの心が自分自身に責め続けられる苦しみから逃れる為に、光に選ばれなかった自分が悪いのではない、自分を選ばなかった光は実は大した事が無かったと考えるようになったのか、それとも自分自身を責め続けた結果、元々のジャグラーの心は既に壊れてしまい、それがかつて求めていた光を否定する事になってしまったのだろうか。

 

テレパシーで連絡を取り合うムサシとアスカ。
時空を超えてアナザーユニバースに行く等、前にムサシとアスカが共演した『サーガ』の話を引き継いでいる。
アスカは今も時空を超えて旅をしているが、アスカがある宇宙で事件を察知し、テレパシーで他のウルトラマン達と連絡を取り、そのウルトラマン達がアスカの位置を目標に時空を超えると、今のアスカは光の国のウルトラ兄弟達とは別のウルトラマン・チームの中心的人物になっている。

 

海底の超古代遺跡から発見された石碑には北欧神話に登場する世界樹ユグドラシル)が記されていた。
命の木の種や世界樹を記した石碑に触れた翔平は異世界のアマテと繋がる。
同じ回でムサシとアスカがテレパシーで時空を超えて繋がっていたが、ウルトラマンと言う存在が無い翔平の世界では遠い星からアマテが助けを求めていると言う翔平の言動は妄想に取り憑かれたホラーとなってしまう。
こう言う同じような能力でも世界によって受け取られ方が全く違ってしまうと言うのは様々な世界を舞台にしている本作ならではである。

 

「戦いは平和を生まないと言う信念を捨てる事は自分の心を殺す事」と言うアマテに向かってライゴウは「女王は民を守る者。ご自身の考えは必要ありません」と告げる。
惑星カノンとアマテの悲劇の始まりは「戦神と言う最終兵器が心を持つ人間の変身によるもの」「戦神への変身は自分の意思ではなく血筋によって生まれながらに強制的に決められる」であろう。
こうして見ると戦神の設定は戦士の頂のシステムとは真逆である。因みに本作にはウルトラマンが5人いるが、その全員が「自分の意思で光を掴んでウルトラマンになった」と言う共通点がある。

 

「争いは感情から始まる。憎い、誰かを守りたい、そんな感情だ。だが、戦いのまっただ中において感情なんて邪魔になるだけだ」。
今回の話でジャグラーはガイに感情が戦いの邪魔になる事を忠告している、実際、TVシリーズジャグラーはガイの感情を揺さぶる事でガイを倒そうとする事がかなりあった。

 

ミコットに剣捌きを褒められたジャグラーだが「所詮は他人の命を奪う技術」と答えている。「きらぼし ~煌星~」でガイは救助隊にいた事が明らかになっているが、ジャグラーはその救助隊とは別の組織にいたようだ。

 

ダイナ登場!
アレンジされているけれどTVシリーズで定番だった曲が流れるとテンションが上がる。
ダイナはガイから見たら正体不明の巨人だが、全体的なデザインがオリジン・ザ・ファーストと似ているので仲間だと判断できたのかな。ダイナはO-50出身ではないが、これまでのガイとジャグラーの会話で戦士の頂によって以前にもウルトラマンが誕生している事、ガイとジャグラーはそのウルトラマンの存在を知っている事は分かるので。

 

 

 

 

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