帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「世界中がオレを待っている」

「世界中がオレを待っている」
ウルトラマンR/B』第8話
2018年8月25日放送(第8話)
脚本 中野貴雄
監督 辻本貴則

 

大蟻超獣アリブンタ
身長 57m
体重 6万2千t
愛染マコトがアリブンタクリスタルで召喚した超獣。
地下から現れて蟻地獄と口から吐く蟻酸と腕から出す火炎で街を破壊した。
ロッソウインドとブルフレイムの合体技ファイヤートルネードで倒された。

 

ウルトラマンオーブダーク
身長 50m
体重 5万t
愛染マコトがオーブオリジンクリスタルで変身した。
ダークオリジウム光線やダークストビュームダイナマイトを使う他、オーブダークカリバーでエレメントの力を使った攻撃も出来る。
圧倒的な強さでロッソとブルを寄せ付けなかった。
フルネームは「ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ」!

 

物語
アリブンタを倒したロッソとブルはネットやTVでも取り上げられるほどの人気者となっていた。
そんなある日、カツミとイサミは愛染マコトから「ウルトラ通信簿」と言うものを渡されて……。

 

感想
アサヒの学生生活が描かれる。
アサヒの友達二人はアサヒの誕生日をすぐに言えなかった。これは忘れてしまったのか覚えていなかったのか、それとも最初から知らなかったのか……。
最後はアサヒの誕生日が「3月3日」と言う覚えやすい日であった事が語られるのだが、これは友達二人の頭に3月3日と言う日付が入り込んだのか、それとも友達が適当に挙げた3月3日と言う日付をアサヒが乗っかって認めたのか、それとも……。

 

怪獣より強い超獣のアリブンタが登場するがロッソとブルも戦い慣れたのか特に苦戦する事も無く勝利する事が出来た。
一方で余裕が出てきたからか、女子高生と一緒に写真を撮ったりするようになって、愛染マコトの怒りを買う事になる。
アリブンタによって町は結構な被害を受けているのだが、その一方で女子高生が逃げずにウルトラマン達の戦いを見て記念写真を撮ろうとする等、段々と怪獣が出る事が日常の一部になってきている。

 

愛染マコトが見付けたオーブオリジンクリスタルは腐食していて、それを修復する為に愛染マコトはウルトラマンオーブ(クレナイ・ガイ)を思わせる地球人を揃えて、その生体エネルギーを利用していた。
力を失ったウルトラマンが地球人達の力を与えられて復活すると言うシチュエーションは『ティガ』以降何度か見られるが今回は地球人達の意思を無視して強制的に力を搾り取っている。

 

今回の話で現在の愛染マコトの体を動かしているのはチェレーザと言う宇宙生命体である事が判明する。
宇宙人が地球で活動する為に地球人の体に乗り移ると言うのは昭和からの伝統であるが、チェレーザはそれを「愛染マコトと言うちっぽけな地球人に閉じ込められている状態」と説明した。これは初代マンやジャックやジョーニアスやコスモスやゼロは絶対に言わない台詞であろう。

 

チェレーザが乗っ取った愛染マコトはメガネを掛けた真面目な人で、チェレーザの意識が愛染マコトの体を動かす時はメガネを外すようになる。これは前作『ジード』のレイトとゼロと同じ。ただし、ゼロと違ってチェレーザは自分の都合のみで愛染マコトの体を乗っ取ったし、愛染マコトとは一切のコミュニケーションを取っていない。

 

オーブダークは「外見はウルトラマンだが、内面はウルトラマンではない」と言うキャラクターで、オーブダークで間違ったウルトラマン像を描く事で逆に正しいウルトラマン像を浮かび上がらせている。

 

「自分の方が正しいウルトラマンになれる」と言うのは過去にも『ティガ』に登場したマサキ・ケイゴ等がいるが、オーブダークはメタネタやパロディを多く使っている事で視聴者に近いキャラになり、「ウルトラマンになりたい人物」と言うより「ウルトラマンのオタク」になっている。
その愛染マコトが使うウルトラネタは『オーブ』関連が多いが、その他にも「ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って」と言う『ガイア』のオープニングネタやオーブダークに変身した後に池の水で手を洗うと言う『ゼアス』ネタもある。これらは偶然なのか、それともチェレーザはオーブ以外のウルトラマン達の事も色々知っていたのだろうか。
又、カツミとイサミに渡したウルトラ通信簿は昭和の児童誌でウルトラ兄弟の設定が通信簿形式で紹介されていたのが元ネタと思われる。

 

オーブダークは「一流のヒーローは悩まない」「最近のウルトラマンはペラペラ喋りすぎて神秘性が無くなっている」「名乗りの最中と変身の最中に攻撃するのは言語道断のルール違反」とロッソとブルに次々駄目出ししてくる。
オーブダークは「ウルトラマンのオタク」っぽいが、自分なりのウルトラマン像を作って周りに押しつけてしまうかなり厄介なタイプのオタクと言える。
「最近のウルトラマンは……」の台詞でオーブダークは昔のヒーローを賛美して今のヒーローを叩く、いわゆる「老害オタク・懐古厨」に見えるが、そのオーブダークが賛美しているウルトラマンが『R/B』から2年前に放送されたばかりのオーブなので、「今だ昔だ」とか「老害だニワカだ」と言う話ではなく「どの時代のものでも、それに熱中しすぎてしまうと周りに害をなすようになってしまう恐れがある」と言う事なのかなと思う。

 

「一流のヒーローは悩まない」と言っているがオーブだって色々悩んでいたぞとか、カツミとイサミへの通信簿に「人命第一で行動する」と言う項目を作っていながら、それを確かめる為に平気で人命を危険にさらしたりとか、ウルトラマンがペラペラ喋ると神秘性が無くなるとペラペラ喋ったりとか、オーブダークの言っている事は間違い・矛盾だらけなのだが、それでも本人は「自分は正しい」と言い切れているのが実にタチが悪い。

 

ウルトラマンによくあるシチュエーションを二週間もぐずぐず悩みやがって」とか「もっと前に出ないと客にアピールできない」とかウルトラシリーズでは珍しいメタな台詞。『列伝』関係やクロニクルシリーズだと何度かあるが。
ただし、メカゴモラ戦からグルジオボーン戦まで二週間経っていたとか、愛染マコトはTVにも出ているので客の目線を常に意識していたとか実はメタネタではなかった可能性もある。

 

オーブダークは全身が黒かったり技の名前に「インフェルノ」を使ったりとちょっと中二病っぽいところがある。

 

愛染マコト自体もかなり強烈なキャラクターであったが歴代ウルトラマンのパロディやメタネタまでしてしまうオーブダークのキャラは更に強烈であった。
愛染マコトを担当した深水元基さんの上から目線で自分以外の事はまるで考えていないのに面白くて憎みきれない演技が最高であった。

 

 

 

 

*愛染マコトがフリーダムすぎるw


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第8話「世界中がオレを待っている」

 

 

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