「イジゲンセカイ ー装甲怪獣レッドキング 幻影宇宙人シャマー星人 電脳珍獣ピグモン登場ー」
『ウルトラマンマックス』第36話
2006年3月4日放送(第36話)
脚本 福田卓郎
監督 金子修介
特技監督 鈴木健二
幻影宇宙人シャマー星人
身長 13cm~170cm
体重 210g~68kg
前回の戦いで一人だけ地球に残された事を逆恨みしてマックスへの復讐を誓った。
DASHのディメンション・フォース実験を利用して異次元からレッドキングを召還して代わりにマックスを異次元に送り込もうとしたが、間違ってピグモンも召喚してしまった事で計画が露呈した。
へっぽこ発明家と馬鹿にしていたショーン隊員が発明したブラックメイションで実体を暴かれた事で作戦は失敗に終わり、最後は夜道で猫に襲われて……。
装甲怪獣レッドキング
身長 61m
体重 7万3千t
かつてマックスと戦ったのとは別の個体。シャマー星人によってサブジェクト・ファントムに封印されていた生体エネルギーを呼び寄せられて実体化した。
爆発する岩石を大量に飲み込んでいるので爆発すると半径5kmが壊滅状態になる。
口から爆発する岩石を吐き出し、圧倒的なパワーでマックスを苦しめるが、マックスギャラクシーでバリアーに閉じ込められた後にギャラクシーカノンで倒された。
電脳珍獣ピグモン
身長 150cm
体重 95kg
レッドキングと同じく、シャマー星人によってサブジェクト・ファントムに封印されていた生体エネルギーを呼び寄せられて実体化した。カイトの事が好きでベッタリと引っ付いている。
シャマー星人によってエリーの体の中に入る事になり、その奔放な言動で周りを混乱させてしまう。
最後はマックスを庇って異次元に送り返されるが、ピグモンの感情はエリーの中に残された。
物語
異次元バリアーであるディメンション・フォースの実験が進むが担当者である四谷博士には不可解な行動があった。
そんなある日、ベース・タイタンにピグモンが現れ、街中にはレッドキングが現れる。
全てはシャマー星人の復讐だった!
感想
今回の話で一番インパクトがあったのはエリーの体の中に入ったピグモン。
ピグモンの言動は歴代ウルトラシリーズに登場したものとさほど変わりが無いが、人間の女の子に演じさせるとこうなるのかと驚いた。そう言えば、ピグモンの性別って今まであまり気にしていなかったなぁ……。
カイトがピグモンの指に巻いた包装紙がピグモンエリーの状態になると左手の薬指に巻かれているのがミソw
これで『マックス』はゼットンの娘が登場し、キングジョーを宇宙くの一?が操縦し、バルタン星人が僕っ娘魔法少女になり、ピグモンがアンドロイド少女と一体化すると言う何とも凄い作品となった。
カイトはピグモンの事を「友好珍獣ピグモンですよ」と『初代マン』の時の肩書で説明している。
ある者の能力によって街中にレッドキングが召喚されるのは『80』の「恐れていたレッドキングの復活宣言」を思い出すシチュエーション。
怪獣を復活させようとしたらピグモンまで間違って復活させてしまった挙句、それが原因で作戦が失敗してしまうのは『初代マン』の「小さな英雄」を思い出すシチュエーション。
前回の「アカルイセカイ」と同じく今回もシャマー星人の人間態のキャラが濃い。
嫌味なのはどちらも同じだが今回は天才系の嫌味人間となっている。
本物の四谷博士は自宅の地下室に閉じ込められていたらしいが、本物の性格はどのようなものだったのか気になる。
ピグモンは怪獣の中でも仕草の可愛いキャラクターとして有名だが、今回のレッドキングも仕草がかなり可愛い。
それだけにマクシウムソードでお腹を斬られてしまうのはちょっと可哀想だった。
四谷博士にバカにされたり、ピグモンの処遇に困ったり、ピグモンエリーにイライラしたりと、コメディ編でのヒジカタ隊長はやっぱり輝いている。
カイトに懐くピグモンエリーを見てコバ隊員は「動物が甘えているだけだと思えば良い」と言うがミズキ隊員は「思えないけどね」と返す。怖いw
ピグモンエリーのカイトへの接し方が接し方だっただけに今回のミズキ隊員はかなり怖い態度を取っている。
エリーがいないとベース・タイタンの機能は半分止まったも同然らしい。
過去にも何度かエリー絡みでベース・タイタンが機能停止に陥ったのだから、いい加減に対策を取ってほしい。(最終回を見ると50年後もあまり改善されていないようだが……)
コバ隊員はレッドキングの尻尾に叩き落されそうになるが、当たる直前にレッドキングが異次元に戻ったので何とか生還。「今日は墜落しなかったぜ」とホッとしているが、そんな自慢できる事ではない。
ピグモンと一体化していた時の記憶は全て残っているエリー。
言葉では表現できない分析不可能な不可思議なデータとは「好き」と言う感情だと思われる。
ところでピグモンの記憶が残っていると言う事はマックスの正体がカイトだと言う事も知ってしまったのだろうか?
レッドキングが暴れる中、「マジ、やべぇ」と言って避難している男性は徳山秀典さん。金子監督が総監督を務めた『ホーリーランド』の縁で今回の出演となった。
徳山さんは後に『仮面ライダーカブト』と『炎神戦隊ゴーオンジャー』にレギュラー出演して仮面ライダーとスーパー戦隊と言う二大ヒーローを演じる事となる。
素朴な疑問なのだが、生体エネルギーの無いエリーは異次元に送られなかったのに、どうしてビルは異次元に送られてしまったんだろう?
今回の話は金子監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。