帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「幻の疾走」

「幻の疾走 ーガゾートⅡ登場ー
ウルトラマンティガ』第15話
1996年12月14日放送(第15話)
脚本 武上純希(原案 円谷一夫)
監督 川崎郷太
特技監督 高野宏一・川崎郷太

 

変形怪獣ガゾートⅡ
身長 59m
体重 5万t
前回現れたガゾートはクリッターに戻って電離層に帰ったが、宇宙発電所からマイクロ波受信施設に送られるマイクロ波が巣を直撃した事で前よりもっと凶暴なガゾートになってしまった。今回は繭を作らないで巣の中から直接現れた。
以前より強力なプラズマエネルギーを持っていて半径10km以内の計器を全て狂わせてしまう。強力なマイクロ波を受けて帯電体質になっていて、マイクロ波に異常に神経質になっている。
ゴリガン航空206便を襲った後、マイクロ波受信施設を襲おうとしたがGUTSによって別の場所に誘導される。最後は口から放った光弾をティガ・パワータイプに受け止められた後にデラシウム光流を当てられて爆発炎上した。

 

物語
マユミの恋人である拓磨が日本グランプリの為に帰国する事になった。
拓磨の帰国にはしゃぐマユミとうろたえるシンジョウ。
その頃、拓磨の乗った飛行機が奇妙な雲の中で消息を絶った。果たして拓磨の運命は……?

 

感想
今回からオープニングの映像が変わって昭和後期のシリーズのようにGUTSのメカが映し出されるようになった。アートデッセイ号やピーパーやドルファー202だけでなくテスト機のスノーホワイトまで出ているのが驚き。

 

太陽の光で起こした電気をマイクロ波にして地上に送ると言う今回のシステムはクリーンなエネルギーが謳い文句だったが結局はクリッターの眠りを妨げる事になった。
この世の全てが何かしら影響し合っているのなら人間が何をしても必ず何かに影響を及ぼす事になる。ここで大事なのはそれらをどう調整していくかだが、それは次の「うたかたの…」での話。

 

冒頭からいきなり墜落する墜落コンビ。シンジョウは左足を、ダイゴは左手を負傷するが、これは長野さんが負傷したのに合わせた展開らしい。
左手を負傷したダイゴだったがティガに変身すると痛くなくなるらしい。光になるからなのかな?
因みに二人が墜落したのは「石の神話」の舞台となった久良々島。採石場の人達は元気かな。

 

ガッツウイングが墜落したと聞く度に心配していたと泣くマユミにシンジョウはマユミがウェディングドレスを着るまでは死なないと元気付けるが、それを聞いたマユミは「もうすぐ死ねるかも」と答える。オイオイ、嘘泣きか……。
拓磨の帰国を嬉しそうに報告するマユミ。うろたえ、何とか逃げようとするが逃げられなかったシンジョウが可愛い。因みに劇中では描かれていないが『テレビマガジン特別編集 ウルトラマンティガ』に収録されている企画設定書にはマユミと拓磨の出会いが書かれている。
マユミが去った後、シンジョウはマユミとの思い出を語り出す。もし、マユミと拓磨が結婚していたら、しばらくの間GUTSはシンジョウの思い出話を聞かされていたんだろうなぁ。
その後、拓磨の危機を知ったシンジョウはマユミの泣き顔はもう見たくないと言って怪我を押して出撃する。このマユミの泣き顔とは両親が死んだ時の事なのかな。

 

マユミが拓磨に早く会いたかったのは分かるが検問を突破して怪獣が出現している所に行くのは軽率すぎた。昭和の子供キャラがやりそうな行動だが、さすがにマユミは大人でシンジョウの仕事も十分に分かっている立場のはずなので、この行動を擁護するのは難しい。

 

何の考えも無く出撃して闇雲に弾を撃つのではなく、ちゃんと作戦を立てて行動するのがGUTSの特徴。
ガゾートの誘導を買って出るダイゴとシンジョウ。ガゾートの光弾をバリアーで防ぐシャーロックはウルトラ警備隊のポインターを思い出した。
ダイゴとシンジョウの負傷を受けてヤズミは前線への出撃をイルマ隊長に申し出るが流されてしまう。どうしてヤズミがそこまで追い詰められていたのか不思議だったが実は今回は首都圏壊滅の危機だったりする。

 

隣にシンジョウがいるのでダイゴが変身できないと言うシチュエーションが懐かしい。
そこに現れた拓磨がガゾートを誘導する。最後に拓磨はバイクごと消えたが、マイクロ波誘導装置も一緒に消滅してしまったのかな? まぁ、そないな事はどうでもええか。

 

ティガとガゾートの足元にシンジョウとマユミを合成した場面はティガの巨大感が出ていて良かった。

 

攻撃をバックジャンプで避けるガゾートの動きを見切ったティガの攻撃が上手かった。
ところでティガの光線って土で跳ね返るんだな。どんな成分なんだろう?

 

ガゾートは開く口がなんだか可愛かった。

 

霧の中でのマユミと拓磨の別れは拓磨からの一方的な別れになってしまってマユミはそれを受け入れられないまま終わってしまった。
拓磨に別れを言えず再び兄の胸に飛び込むマユミ。
これが後に「マユミ救済計画」である「うたかたの…」制作に繋がる。

 

「人間の霊魂はプラズマっちゅう説がある。ガゾートの強力なプラズマエネルギーが拓磨君の魂に反応したんやろ……。そないな理屈はどうでもええか……」。
ホリイらしさが詰まっている台詞で好き。

 

拓磨を演じる青木拓磨さんは当時の円谷レーシングチームのライダーだったらしい。