帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「YOUR SONG」

Episode7 YOUR SONG」
ULTRASEVEN X』第7話
2007年11月16日放送(第7話)
脚本 林壮太郎
監督 梶研吾

 

ヴァイロ星人
身長 166cm~180cm
体重 47kg~70kg
地球侵略の調査にやって来たエイリアン。
惑星の侵略に赴く兵隊は最高権力者自らの手で白い仮面を手渡され、白い仮面を外す事は星に対する反逆を意味する。調査隊のナタルは地球人の音楽とエージェント・ディーを愛し白い仮面を外した事で裏切り者として仲間に命を狙われる事となった。
ナタルとエージェント達によって調査隊は全滅したが最後に残った一人が宇宙船からバドリュードを起動させる。
口に当たる部分から衝撃波を発する。白い仮面を外したナタルは二丁拳銃を駆使して戦った。

 

生物機械兵器バドリュード
身長 45m
体重 6万5千t
ヴァイロ星人の調査隊の最後の一人が宇宙船から起動させた生物機械兵器。
口に当たる部分から超音波光線を発する。
セブンXのアイスラッガーによって切断され、宇宙船もエメリウム光線で破壊された。

 

物語
ひょんな事からジンはエイリアンでありながら地球人として過ごす女性ナタルと出会う。ナタルはジンに問う。「異星の女が地球人に恋をするのって変かな?」。
一方、エスとケイはかつて殉職したエージェント・ディーと再会していた。ナタルを守る為にDEUSから姿を消していたディーは問う。「異星の女を愛するのは変か?」。

 

感想
ラヴ&ピースにアクションを加えた話で格好良い絵もいくつかあったのだが全体的に薄味でちょっと物足りなかったかな。

 

エージェント・ディーはDEUSから離れたので武器は電磁棒のみとなってる。他とは違った武器によってアクションに変化が付いたのが面白い。
DEUSのエージェントの武器はウルトラガンと格闘能力であるが、ディーの電磁棒やナタルの二丁拳銃を見たらそれぞれに個人武器を与えても良かったかなと思った。

 

今回は設定だけ見ればかなり緊迫した話なのだが実際に見るとその緊迫感がイマイチ表現されていなかった。
ナタルはヴァイロ星から追われ、ディーもDEUSから離れていて事情が判明したらDEUSにも追われかねない状況なのだが、ナタルが素顔を晒したまま街中で呑気にストリートライブをしているので追われている感じが伝わってこなかった。
話の後半でナタルがディーに守られているだけでなく自分も戦うと決意するが、そもそも話の前半でディーがナタルを守っている描写が無かったのは残念。ナタルを何度も歌わせるならナタルとディーが追っ手と戦っている場面を入れてほしかった。

 

ヴァイロ星人は軍服に白い仮面を付けていると言うウルトラシリーズでは異質なデザイン。『セブン』のフック星人やゴース星人の系譜と言っても良いかもしれない。
白い仮面は遠くからだと目の部分が見えなくて感情が無いように思えるが、近付くと目の部分が見えて感情が伝わるようになっている。他にも口に当たる部分には何か仕掛けが施されていて「声を出せない=自分の意見を述べられない」と言う意味に見える一方で、拡声器にも見える事から「本当は自分の声を出したい」「意見を大声で延べたい」と言う心情を表しているようにも見える。このようにヴァイロ星人は色々と深読みできるデザインになっていて面白かった。

 

バドリュードとの戦いがいくらなんでも短すぎる。あれなら宇宙船と直接戦った方が良かった。色々な事情で本格的な巨大戦を組めないのかもしれないが巨大怪獣を出して即終了はあまりにも勿体無い。ここは何らかの工夫をしてほしかったところ。

 

戦いが終わり、ストリートライブをしているナタルの音楽に人々が耳を傾ける。その光景を見てジン達は地球人とエイリアンが共存出来る未来を夢見る。
これは『セブン』からのテーマであるが『SEVEN X』ではジンもエレアも地球人だったので、このテーマはメインストーリーに組み込まれる事は無かった。(最終回のダンとアンヌの場面に繋がっているが)