「遠い町・ウクバール ー守護獣ルクー登場ー」
『ウルトラマンガイア』第29話
1999年3月27日放送（第29話）
脚本 太田愛
監督・特技監督 原田昌樹
守護獣ルクーリオン
身長 52m
体重 4万8千t
いつも風が吹いている「ウクバール」と言う町から永田を迎えに来たらしい。
その正体は謎であったが永田が生まれ育った空き家に貼られてあった1966年のカレンダーにその姿が描かれていた。
物語
吉田リーダーの友人である庄司はバイト先で永田と言う男性と組む事になった。
永田はベテランであったが「ウクバール」と言う町についてずっと語り続けるところがあって……。
感想
『初代マン』以降のウルトラシリーズは基本的に「怪獣」「宇宙人」「ウルトラマン」のどれかを軸に話が作られているのだが今回は上に挙げた三つの要素ではなくウクバールと言う「場所」を軸に話が作られている。
おそらくやろうと思えばルクーもガイアも登場させずに話を成立させる事も可能だったと思われる作りになっていて、ウルトラシリーズでもかなり異色回である。
ウルトラマンと言うヒーローを出さなければいけないのでウルトラシリーズで「怪獣」「宇宙人」「ウルトラマン」を使わずに話を作るのは非常に難しいが、『Q倶楽部』『Qdf』『ネオ・Q』と言った『Q』の派生作品では上の三つの要素を使わずに作られた話もいくつかある。そう考えると今回は異色回に見えて実はウルトラシリーズの原点である『Q』に回帰した話と考える事も出来る。
髭を生やした吉田リーダーが似合いすぎ！
らくだ便にいる右頬に傷がある清水は「野獣包囲網」でウルフガスに戦いを挑むが返り討ちに遭った人。
バラエティ編でガイア・スプリームヴァージョンが登場しないのは今回のみ。
「ウクバール」の名前はホルヘ・ルイス・ボルヘスの『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』から採られたらしい。
永田が生まれ育った空き家に貼られてあったウクバールが描かれているカレンダーは1966年のものとなっている。もちろんこれはウルトラシリーズが始まった年である。
「永田は、幼い頃に見たカレンダーの中の町を自分の故郷だと思い込んでいた、ただの風変わりな男だったのかもしれない。でも……もしかしたら、ウクバールはどこかに本当にあって、永田はようやくそこに戻ったのかもしれない」。
