帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「邪悪の光」

「邪悪の光 ーカオスウルトラマン登場ー
ウルトラマンコスモス』第39話
2002年3月30日放送(第39話)
脚本 大西信介
監督 根本実樹
特技監督 佐川和夫

 

カオスウルトラマン
身長 47m
体重 4万2千t
実体カオスヘッダーの新たな姿。
カオスヘッダーはコスモスとムサシの関係に気付いてムサシを執拗に狙うようになる。
光の状態では赤い光弾を放ち、光の触手で目標を捕らえる。
ムサシがコスモスに変身する瞬間にコスモスの情報を得てカオスウルトラマンに変身する。
インベーディングウェーブやダノキングショット等、コスモスからコピーした技を使う。
死角を突いてコスモスを倒すと光の状態に戻ってムサシを飲み込んだ。

 

物語
カオスヘッダーに対抗する為に協力体制を採る事になったEYESと防衛軍。
一方、カオスヘッダーはムサシにターゲットを絞ってくる。

 

感想
今回はこれまでのカオスヘッダーに関するまとめをして且つ新たな要素も盛り込む等、かなり重要な話となっている。

 

これまでのウルトラシリーズでは偽や悪のウルトラマンは殆ど1話限りの登場だったが『コスモス』のカオスウルトラマンは今回の前後編の後も最終7部作で再登場し、コスモスに対抗してモードチェンジまでするようになった。

 

魔法の石」での実験を経て開発中だった新型パーツを取り付けたコアテックシステム最新鋭機テックスピナー1号が満を持して登場。
テックブースターに採用されたテクノプラズマを小型化したテクノプラズマSエンジンを搭載。最高速度マッハ9を出しても機体が安定している優れもの。ドイガキ隊員によると後部パーツにまだ仕掛けがあるようだが、それは次回のお楽しみ。
尚、今回よりトレジャーベースにテックスピナー用の滑走路が追加されている。

 

テックスピナー1号のテスト飛行中に現れたカオスヘッダーはテックスピナーを無視してムサシを狙うがコスモスの光に迎撃される。
ヒウラキャップはカオスヘッダーはテックサンダーを狙ってきたと言うがやや無理がある。気付いていないのか、わざと違う事を言ったのか……。
コスモスとムサシの関係を知ったカオスヘッダーはコスモスだけでなくムサシも邪魔者だとして両者を狙うようになった。おそらくムサシの勇気がコスモスのエクリプスモードを誕生させた事が原因だと思われる。

 

防衛軍に新たにカオスヘッダー対策班が設立される。逆に今まで無かったのが不思議。
防衛軍はカオスヘッダーに関するデータはEYESの方が持っているとして教えを請う事に。
EYESに対してやたらと高圧的な態度で接しているイメージがある防衛軍だが今回登場したカオスヘッダー対策班の竹内班長は落ち着いた雰囲気でEYESにも敬意を払っていた。振り返ってみれば『THE FIRST CONTACT』のシゲムラ参謀とTVシリーズの西条武官以外で防衛軍で高圧的な人物はいなかったりする。それだけ二人のイメージが強すぎたと言う事かな。

 

防衛軍にレクチャーすると言う形でカオスヘッダーの話を整理したのが上手かった。
カオスヘッダーはこれまで怪獣に憑依して暴れさせたり、生態エネルギーを吸収してコピー体を作ったり、人間の精神を乗っ取って怪獣化させたりしてきた。さらに人間の肉体や精神を分析して実体カオスヘッダーを作り出した事で憑依やコピーする事無しに実体化する事が可能となった。
現在、複数の生命体なのか元々一つのものなのかも不明だが、人間に乗り移る事を覚えてから意思を持ち始め、得た情報を交換しつつ何らかの目的を持って動いているように思われる。
これがドイガキ隊員のカオスヘッダーに関する現時点での情報と認識。
過去の戦いの映像が資料として使われているが「どこからどのように撮ったんだ?」とツッコみたくなる映像が混じっているのはご愛嬌。

 

なんといきなりトレジャーベース内に侵入してきたカオスヘッダー。
神出鬼没とは言え、いきなりここまで入り込んでくるとは思わなかったのでかなり驚いた。

 

カオスヘッダーに取り憑かれた怪獣はその体内にカオスヘッダーに対する免疫を持つ。それを応用したのが今回登場のカオスヘッダー抗体で、カオスヘッダーを倒す事は出来ないが追い散らす事は出来る。
一方、アヤノ隊員はカオスヘッダーの移動経路から高エネルギーを発するソアッグ鉱石を避けている事を突き止め、EYESはムサシを囮にしてカオスヘッダーをソアッグ鉱石の部屋に誘き寄せてカオスヘッダー抗体で止めを刺す作戦を立てる。
今までカオスヘッダーに対して為す術が無くてコスモスの力を借りるしかなかった人類がいよいよ反撃に転じる事となった。

 

カオスヘッダーにEYESが立てた作戦を利用されてムサシはまたもや乗っ取られてしまう。遂にコスモスが変身を促し、カオスヘッダーの光を打ち破ってコスモスが出現するが、打ち破られたカオスヘッダーの光が集まってカオスウルトラマンが誕生してしまう。
コスモスの登場シーンが初代マンタイプなのに対してカオスウルトラマンの登場シーンはセブンを思わせるものになっている。
カオスウルトラマンはルナモードのカラーリングとコロナモードのデザインを融合させた感じでコロナモードの構えを取る。対ウルトラマン用なので戦闘能力を突出させているのかどちらかと言うとコロナモードの要素が強くなっている。

 

コロナモードにモードチェンジしたコスモスとカオスウルトラマンは一進一退の攻防を繰り広げる。
さすがカオスウルトラマンはカオスヘッダー・メビュートと比べると身軽でスピーディーになっている。
共にカラータイマーが点滅する激闘であったが、コロナモードの死角を突いてカオスウルトラマンが勝利する。
今回の戦いはコスモスが対カオスヘッダー用のエクリプスモードにモードチェンジしなかったのが不自然で残念だった。

 

エネルギー切れで敗れたコスモスがムサシの姿に戻ったところを狙い、光の状態に戻ったカオスヘッダーは逃げるムサシを飲み込んでしまう。
ムサシが断末魔を残して消えてしまう展開に驚き。まさか『コスモス』でこういうシーンがくるとは……。
と言う事で次回「邪悪の巨人」に続きます。

 

ところで各書籍によると光の状態のカオスヘッダーはカオスダークネスの姿をとっているとの事だが、見る限り、カオスヘッダー・メビュートの姿をとっているように見えるのだが……。