帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ギギVSゴン」

「ギギVSゴン ーギギドクター 三面異次元人ギギ クレバーゴン クレバーゴンジャイアント登場ー
ウルトラマンコスモス』第44話
2002年5月4日放送(第44話)
脚本 武上純希
監督・特技監督 村石宏實

 

三面異次元人ギギプログレス)
身長 52m
体重 4万7千t
武闘派の軍人で次元崩壊の危機に際し地球人の住む次元の侵略を提案した。
数千億人を一度に移送できる巨大システムを完成させて総攻撃の準備を進めるがギギ・ドクターによって別の次元に移送されて失敗に終わった。
赤、青、黄の光弾を撃つ。超高速で相手の攻撃を避ける。弱点である頭部をシールドで保護している。3人が合体して巨大化するが、巨大な状態のまま3人に分離する事も可能。
グラビトンビームでコスモスを追い詰めるが、クレバーゴン・ジャイアントの加勢で形勢を逆転されると最後は自ら放った光線をルナモードに撥ね返されて崩壊した。

 

異次元人ギギ・ドクター(XX01)
身長 175cm
体重 55kg
科学者の代表格で種族全員を別の新しい次元に移転する案を提案した。
サワグチ女史によると大雑把なヒウラキャップと違って繊細との事。
軍人ギギの地球総攻撃を阻止して新しい次元へと旅立った。
ヒウラキャップは男性だと思っていたが実は女性。
真実の証として愛する人から貰った指輪をサワグチ女史に差し出していた。
サワグチ女史は「XX」と呼称。女性の染色体が由来。

 

スーパーハイテクロボットクレバーゴン
身長 60cm~130cm
体重 9kg
故障しておもちゃ病院で治療を受けた帰りに事件に巻き込まれる。
ギギ・ドクターの縮小光線銃で巨大化してギギに苦戦するコスモスを助けた。
最後はルナモードのコスモカウサーで元の姿に戻った。

 

クレバーゴン・ジャイアン
身長 48m
体重 7万t
クレバーゴンがギギ・ドクターの縮小光線銃で巨大化させられた姿。
ギギに苦戦するコスモスを助けた後、ルナモードのコスモカウサーで元の姿に戻された。

 

物語
以前のギギ事件で手に入れた移動システムを研究していたサワグチ女史の所にギギ・ドクターが姿を現す。
ギギの地球総攻撃が迫る中、ギギ・ドクターが提案した事とは……。

 

感想
異次元の罠」の続編。前回の設定の活用が上手くて続編物としてかなり上位に入る。

 

最近連絡が取れないサワグチ女史の事が気になったヒウラキャップはムサシを派遣するが、心配が収まらない事をシノブリーダーに見抜かれて結局自分も行く事になる。
あまりにバレバレな態度にEYESの皆も笑い半分呆れ半分。
だが、ムサシだけは気付かないでヒウラキャップの前でサワグチ女史の事を「カミナリおばさん」と呼んでしまう。今日もムサシは見事に空気が読めない。(特に恋愛関係)

 

何かあって故障したがおもちゃ病院で治療を受けたらしいゴン。
今回のゴンは潜伏していたギギを発見し、縮小光線銃で縮小されたヒウラキャップ達を内部に入れて移動し、最後は縮小光線銃で巨大化してギギの攻撃からコスモスを助けてと大活躍であった。
よく考えたらゴンってEYESの装備に匹敵する能力を秘めているんだよな。やはり木本博士は凄かった。

 

サワグチ女史の研究所に辿り着いたヒウラキャップはサワグチ女史が自分の指輪の代わりにギギ・ドクターの指輪を付けている事に気付いて二人の仲を怪しむ。その後の次元を超えた奇妙な三角関係がこそばゆくて面白い。

 

ヒウラキャップ達がゴンの中に隠れて逃げる時、シノブリーダーがギギ・ドクターのお面を被って囮になっているが一体いつ作ったのだろうか?
夜中作っている場面を想像するとなんか可笑しい。

 

今回のギギは弱点だった頭部にもシールドを展開するなど前回の反省をちゃんと生かしているのが良い。
三面に顔があるので体を動かす事無く360度攻撃してコスモスを右往左往させたのは凄かった。

 

今回もEYESは他の話に比べて攻撃的だった。
ギギが倒されてしまうのは『コスモス』では違和感があるので、倒さないでギギ・ドクターと一緒に別の次元に送った方が良かったと思う。

 

ギギを倒したコスモスに向かってギギ・ドクターは自分達にもう一度チャンスを与えてほしいと訴える。
それを聞いたヒウラキャップは「彼を信じよう! サワグチ君が信頼した男だ」と格好良く語るが、その後のサワグチ女史とギギ・ドクターの会話の最中の居辛そうな落ち着きの無さが見ていて笑える。
そしてギギ・ドクターが無事に別の次元に旅立った後、
ヒウラ「あいつの事。何故信じたんだ? その……あ、愛ってやつか?」、
サワグチ「まさか妬いてるの?」、
ヒウラ「いや、そ、そんな……」、
サワグチ「私が彼女を信じたのは……」、
ヒウラ「……彼女?」。
男性の声は翻訳機の声だったと言うオチが秀逸。これには見事騙された。真実が分かってから見直すと男性に見えたギギ・ドクターが女性に見えてくるのが面白い。因みに翻訳機の声は「異次元の罠」を含めて全て遠藤守哉さんが担当しているらしい。
ギギ・ドクターを信じた理由を話した後、サワグチ女史は心配しないでとヒウラキャップの指輪をはめて見せる。それを見たヒウラキャップは「全て上手くいった! 一件落着だ!」と上機嫌で帰還。実に分かりやすい人だ。これだけ分かりやすいのに気付かないムサシはある意味凄い。
見終わってから考えてみると今回の話は男性陣は皆鈍感で不器用で逆に女性陣は皆鋭かった。異次元でも女性は強い?