帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ベリアロク」

「ベリアロク」
ウルトラマンZ』第17話
2020年10月17日放送(第17話)
脚本 中野貴雄
監督 越知靖

 

海賊宇宙人バロッサ星人(2代目)
身長 2m~53m
体重 110kg~2万5千t
かつてキングジョーを使って地球を襲撃したバロッサ星人の弟。
今回も色々なアイテムを使って戦い、落ちていたメツボロスの鉄の爪も拾って使った。ベリアロクも手にするが結果として振り回される事になる。
ジュランの種で巨大化する。
地球人への復讐が目的だからか今回は地球の言葉(日本語)をマスターしている。
最後はデスシウムファングで喰われて爆発した。

 

物語
メツボロスとの戦いを終えたゼットの前にバロッサ星人が襲来!
戦いの中、ベリアロクはゼットとハルキから離れてバロッサ星人やジャグラーの所に行ってしまう。

 

感想
何故かパロディネタが多い回で、
バロッサ星人が攻撃を始める時の「派手に行くぜ!」が今回のバロッサ星人の声を担当している関智一さんがナレーションを務めた『海賊戦隊ゴーカイジャー』の決め台詞から。バロッサ星人がベリアロクを使って放った技「ファイナルブレイク」も『ゴーカイジャー』の「ファイナルウェーブ」が元ネタだと思われる。関さんで宇宙海賊なのでグレンファイヤーネタが来るかなと思ったらまさかの東映の宇宙海賊が出てきた。
バロッサ星人が巨大化した時の「いかが?」は関さんが声を担当したギンガシリーズのイカルス星人かもしれない。
バロッサ星人だけでなくウインダムのアンリミテッドモードで繰り出される「ウインダムヨウコインパクト」が相手の頭部を掴むのも関さんが主人公ドモン・カッシュの声を担当した『機動武闘伝Gガンダム』の「爆熱ゴッドフィンガー」が元ネタ。
他にはバロッサ星人がジャグラーと戦う時に言った「行くぜ行くぜ行くぜ!」は『仮面ライダー電王』のモモタロスだと思われる。因みにモモタロスの声優は「きれいな方の関さん」である。
今回はガンダムネタが多く、バロッサ星人が宇宙から地球に降りてくる時の羽を展開した姿が『∀ガンダム』の月光蝶で、自分は見ていないがネットで調べてみると他にも『機動戦士ガンダム00』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のネタがあったらしい。
ウルトラシリーズ関係のネタも当然あって、「卑怯もラッキョウもあるか!」は『T』の「出た! メフィラス星人だ!」から。因みにこちらのメフィラス星人も初代の弟と言う設定だった。ヨウコインパクトでバロッサ星人の頭が燃えるのは『T』の「ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!」のゾフィーかな?
他にも様々なネタがあるらしく調べてみるのも面白いと思う。

 

今回も街に一般人がいないが、メツボロスやバロッサ星人が暴れた直後なのでまだ周辺が危険だとして閉鎖されているのかな。

 

ベリアロクの「俺様を手にしてお前は何をする?」と言う質問にジャグラーは「俺はこの宇宙がどうなろうと関わり無いし、光だの闇だのに興味も無い。風の吹くまま気の向くままさ……。だが、斬ってみたい奴らはいる」と答える。
回答の前半部分はガイと似たような感じなのだが最後の「斬ってみたい奴らはいる」がガイとは決定的に異なっている。ガイは倒したい相手はいないと思う。
誰かは明かされなかったがジャグラーの「斬ってみたい相手」は『オリジンサーガ』で色々あったアスカだと思われる。相手が一人ではなく複数になっているがジャグラーの否定したい相手がアスカだけでなくウルトラマンそのものにまで広がっている事が後に分かる。

 

ベリアロクの「俺様を手にしてお前は何をする?」と言う質問にハルキは「分かんない」と答える。
「俺達に何が出来るか全然分かんない。分かんないけど! 俺達に力を貸してください」と言うハルキの言葉をベリアロクは「未熟」としながら「だからこそ、いつか大きくて面白いものを斬るかもしれない。それを見てみる気になった。さぁ、俺様を手に取れ」と告げる。
今回の話を見るとバロッサ星人は常に何かしらのアイテムを使っているが、ゼットやハルキはいざとなったら自分の肉体で戦っていた。ベリアロクがバロッサ星人を評価しないでハルキ達を評価したのは武器に依存していないからなのかもしれない。
そんなベリアロクだがハルキの評価とゼットの評価も違っていて、ハルキに比べてゼットの評価が低いところがある。ハルキはベリアロクを使って何をするのか具体的に説明できなかったがそれでもやりたい事があると言う気持ちは確かにあった。それは父親との話を経て「四次元狂騒曲」で得たものだと思われる。一方のゼットは「全宇宙の平和を……」とすぐに具体的な答えを出せたのだが、おそらくこの答えは宇宙警備隊で得たものだと思われる。ベリアロクはそういう組織から与えられた答えより個人の想いから生まれた答えの方に面白さを感じたのかもしれない。そう考えると、ベリアロクがジャグラーを気に入ったのも彼の行動が組織に属したものではなかったからなのかな。

 

色々あったベリアル本人は『ジード』で過去に縛られていた事が明らかになったが、生まれたばかりで過去が無いベリアロクは「いつか」と言う未来を見ていると言う対比が面白い。
又、ベリアル本人はゼロに執着しているところがあったがベリアロクはゼロの弟子であるゼットにあまり興味が無いところもベリアルとベリアロクは別人であると言うのを示していたと思う。

 

「宇宙の理を乱す奴らは俺達が叩き斬る」と言った直後に噛み砕いて相手を倒したのには思わず「オイオイ!」とツッコんでしまったw 何故にその技を選択した?

 

ベリアロクを見て「良いも悪いも使い手次第って事かな」と呟くジャグラー。ボイスドラマの「頼もしいぜ、ロボット!」でゼットも「道具は使う人の心持ち次第」と言っていたので、この辺りが『Z』のテーマなのかな。

 

ヘビクラ隊長と違ってセレブロは人間社会に溶け込む気が全く無かった為、遂に服務規律違反として追われる事になる。まぁ、カブラギの体が限界と思ったらあっさりと他の人の体に乗り換えているので人間社会に溶け込む必要が無かったのであろう。ここは一度決めた人間態を中々変えないウルトラマン達とは違う。

 

新しい体を手に入れたセレブロだったが既にジャグラーにバレていた。これまでセレブロは自分の存在を知っている者にゲームを妨害された事が無かったのか、ジャグラーへの対策が無さ過ぎる。

 

ウルトラマンゼロ10周年」として『タイガ』の「激突! ウルトラビッグマッチ!」からゼロとベリアルを取り上げた話がいくつか作られたが、まさか最終的にはなんか日本語がおかしいゼロの弟子とベリアルの顔が付いた剣が一緒に戦う事になるとはさすがに予想できなかった。

 

 

 

 

「黒いウルトラマン
ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』第17回
脚本 足木淳一郎
CG 渋谷怜央加
編集 坂口俊昭

 

タイタスの筋肉を見て「さすがにここまでならなくて良いって言うか、なりたくないって言うか……」と呟くゼット。先輩をdisっちゃうウルトラマンも珍しい。
因みに「ここまでの筋肉はいらない」と言っていたゼットだが後に筋肉ムキムキなベータスマッシュに変身するようになる。しかも結構ノリノリな感じで。

 

ベリアルについてゼロと話をするゼットだが、まさか後にベリアルの顔が付いている剣を使う事になるとは思ってもいなかっただろうなぁ。

 

帰ってきた男!」でゼットがジードの前で「ベリアルをぶっ倒して」ととんでもない事を言っていたが実は今回の話でゼロが「ベリアルの本体はジードがぶっ倒した」と説明している。ゼット、「頼もしいぜ、ロボット!」でゼロに聞いた事をそのまま他の人に伝えたらダメだと注意されたでしょ……。