帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』

ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟
2006年9月16日公開
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 小中和哉

 

ウルトラ兄弟
ウルトラマン
身長 40m
体重 3万5千t
ウルトラ兄弟の二男で戦いではスペシウム光線や八つ裂き光輪を使用する。
Uキラーザウルスとの戦いの後は神戸空港の空港長ハヤタ・シンとして過ごしていた。

 

ウルトラセブン
身長 40m
体重 3万5千t
ウルトラ兄弟の三男で戦いではアイスラッガーエメリウム光線、ワイドショットを使用する。
Uキラーザウルスとの戦いの後は神戸市内の牧場主モロボシ・ダンとして過ごしていた。
『レオ』の円盤生物襲来以来、長らく生死不明になっていたが、ウルトラの母によって救出されていた事が明かされた。

 

ウルトラマンジャック
身長 40m
体重 3万5千t
ウルトラ兄弟の四男で戦いではスペシウム光線やウルトラブレスレットを使用する。
Uキラーザウルスとの戦いの後は郷秀樹として神戸市内のサーキットで少年レーサーの指導に当たっていた。

 

ウルトラマンエース
身長 40m
体重 4万5千t
ウルトラ兄弟の五男で戦いではメタリウム光線や様々な切断光線を使用する。
Uキラーザウルスとの戦いの後は北斗星司として神戸市内のホテルでオーナーシェフを務めていた。

 

ゾフィー
身長 45m
体重 4万5千t
ウルトラ兄弟の長男で宇宙警備隊の隊長。戦いではM87光線を使用する。
ウルトラサインで宇宙人連合の暗躍をメビウス達に知らせ、Uキラーザウルス・ネオ戦ではタロウと共に参戦してメビウス達のエネルギーを回復させた。

 

ウルトラマンタロウ
身長 53m
体重 5万5千t
ウルトラ兄弟の六男。宇宙警備隊で教官を務めていてメビウスの師匠に当たる。戦いではストリウム光線を使用する。
Uキラーザウルス・ネオ戦ではゾフィーと共に参戦してメビウス達のエネルギーを回復させた。

 

極悪宇宙人テンペラー星人
身長 54m
体重 3万9千t
ドキュメントZATに同族の記録が残されている。メビウスを倒して宇宙人連合のリーダーになろうとしていた。
両腕のハサミから火炎とウルトラ兄弟必殺光線を放ち、光のムチを振るう。
街を破壊してメビウスを誘き寄せるが、神戸沖上空での戦いでメビウスのメビュームシュートを受けて倒された。
メビウスの戦闘データを取ると言うザラブ星人の意見を「まどろっこしい」と一蹴していたが、結果的にメビウスの戦闘データをザラブ星人に与える事となった。

 

凶悪宇宙人ザラブ星人
身長 180cm~50m
体重 90kg~3万7千t
ドキュメントSSSPに同族の記録が残されている宇宙人連合の一人。
誘拐したジングウジ・アヤに変身してミライにしびれ薬を飲ませた後、ニセメビウスに変身して街を破壊するが、本物のメビウスが放ったメビュームシュートを受けて倒された。
しかし、この戦いでメビウスのエネルギーを消費させる事となった。

 

ニセウルトラマンメビウス
身長 49m
体重 3万7千t
ザラブ星人が変身した姿。
一見するとメビウスと瓜二つだが、目つきが悪くて爪先が尖がっている真っ赤な偽者。
街を破壊してメビウスの信用を落とそうとしたが、本物のメビウスのメビュームスラッシュを受けて正体を現した。

 

分身宇宙人ガッツ星人
身長 51m
体重 3万8千t
ドキュメントUGに同族の記録が残されている宇宙人連合の一人。
エネルギーを消費したメビウスを分身や金縛り光線や破壊光線で翻弄してクリスタルの十字架に捕らえた。
その後、ナックル星人と協力してウルトラ4兄弟もクリスタルの十字架に捕らえる事に成功したが、最後は気力で立ち上がったメビウスのメビュームシュートを受けて倒された。

 

暗殺宇宙人ナックル星人
身長 52m
体重 3万7千t
ドキュメントMATに同族の記録が残されている。宇宙人連合の実質的なリーダーでUキラーザウルスの復活を企んだ。
ヤプールの力を利用して特殊な隔離障壁で神戸市を包み込み、ガッツ星人と協力してエネルギーの少ないウルトラ4兄弟をクリスタルの十字架に捕らえた。
ウルトラ4兄弟の光エネルギーを宇宙船に集めてマイナスに変換し、神戸沖に照射してファイナル・クロスシールドを破壊すると、ヤプールは人間の恐怖を好むとして、Uキラーザウルスを早く復活させる為に街を破壊していく。
Uキラーザウルス・ネオを使って銀河連邦をも支配すると豪語したが、Uキラーザウルス・ネオによって倒されてしまう。

 

究極超獣Uキラーザウルス
身長 79m
体重 8万2千t
20年前にウルトラ4兄弟と戦った究極超獣。ヤプール全ての怨念が集まって生まれた存在で、ヤプールが一体化している。
「U(ウルトラ)キラー」の名の通り、全身から発するザウルス・スティンガーと言うミサイルやテリブルフラッシャーと言う光線でウルトラ4兄弟を苦しめる。
最後は神戸沖に撃墜され、ファイナル・クロスシールドで封印された。

 

究極超獣Uキラーザウルス・ネオ
身長 303m
体重 42万9千t
宇宙人連合によって20年振りに復活した究極超獣。以前よりさらにパワーアップしている。
目からキラーアイレイ、爪先からフィーラーショックを放ち、下半身部分からダイナマイト・イレイサーを撃ち、全身からキラー・ウォーヘッドと言うミサイルを発する。
ジングウジ・アヤを人質に取るも、ウルトラ6兄弟のエネルギーを受けて誕生したメビウスインフィニティーのコスモミラクルアタックで倒された。

 

異次元超人巨大ヤプール
身長 計測不能
体重 計測不能
ドキュメントTACから記録されている異次元人。暗黒から生まれ、全てを暗黒に染める悪魔。
侵略目的で接触してきた宇宙人達を逆に支配して自分が復活する為に利用した。
一体化していたUキラーザウルス・ネオが倒された事で自身も断末魔を上げて消え去るが……。
ミライによると、ヤプールを完全に消し去る事は不可能で、今回も封じ込めたに過ぎないとの事。

 

物語
神戸沖に異変を感じたミライは調査で神戸に向かう。
そこには20年前の戦いで変身能力を失い人間として暮らしていたウルトラ4兄弟がいた。
一方、20年前の戦いで封印されたヤプールを復活させようと宇宙人連合が暗躍を開始する。

 

感想
ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品」として遂にウルトラ兄弟が復活!
『平成セブン』のセブン、『ティガ』の初代マン、『ネオス』のゾフィーと言ったように個々での再登場はあったが一つの作品に複数人のウルトラ兄弟が再登場するのは平成では初めて。映像作品では1984年公開の『ウルトラマン物語』以来22年振りとなる。
特筆すべきはハヤタ、ダン、郷秀樹、北斗星司のウルトラ4兄弟が再登場した事。この4人が集結するのは『T』の「ウルトラの国大爆発5秒前!」「ウルトラ6兄弟最後の日!」以来、33年振りとなる。
タロウに関しては東光太郎役の篠田三郎さんは出ていないが『ウルトラマン物語』でタロウを担当した石丸博也さんが声を当てている。
今でこそウルトラシリーズ以外でも『海賊戦隊ゴーカイジャー』や『仮面ライダージオウ』と言った作品で役者を変更させずにレジェンドヒーローを出すようになったが、本作の公開時はウルトラ兄弟の復活はかなりの衝撃であった。
因みに「ウルトラ兄弟」とは全宇宙の平和を守る宇宙警備隊の中でも特に優れた隊員に与えられる特別な称号で、本当の兄弟ではないが兄弟同然の熱い絆を結んでいるので、そう呼ばれているとの事。

 

本作の公開前に発売されたゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution 0』は本作と連動した作りになっているらしい。

 

Uキラーザウルスとの戦いは大地での戦いと宇宙空間での戦いの順番は違うが「ウルトラ兄弟が力を合わせて戦う」「相手の怪獣がウルトラマン達より一回り大きい」「怪獣と創造主が一体化している」と『ウルトラマン物語』のグランドキング戦を思わせる内容となっている。
宇宙空間での戦いは板野サーカスによる高速戦闘が見られる。『ウルトラマン物語』と比べると技術の変化がよく分かる

 

ウルトラ4兄弟の光線が地球に直撃すると、かなりの被害が出るらしい。
今までポンポン撃っていたので、そんなに危険だったのかと驚く。

 

Uキラーザウルスを神戸沖に撃墜したウルトラ4兄弟はヤプールの強大なマイナスパワーを封印する為にファイナル・クロスシールドを使用。ヤプールを封じ込める事に成功したが、光エネルギーを大量に失ったウルトラ4兄弟は変身能力を失ってしまう。
この戦いは現在から20年前の出来事とされているので1986年の話となる。「運命の出逢い」のトリヤマ補佐官とマル秘書の会話から人間達は1981年に出現したマーゴドンを最後の怪獣と認識している事が分かるので、このウルトラ4兄弟とUキラーザウルスの戦いは人間には知られていない怪獣頻出期最後の戦いだったとなる。

 

『ULTRAMAN2 requiem』は「阪神大震災復興10周年」として神戸を舞台にする予定だったが制作中止になってしまった。その事もあって本作は神戸を舞台にしている。
松永神戸市長役の堀内正美さんは『ネクサス』を始めとするウルトラシリーズの常連役者であるが、本作では「がんばろう!! 神戸」を提唱して震災復興に携わった人物として起用された面もあると思われる。

 

冒頭にあるガンウインガーの着陸シーンがリアル。
ここは前作『ULTRAMAN』の方向性を受け継いでいる感じ。

 

タイトル画面は『初代マン』をイメージしたものとなっている。

 

14歳でGUYSのライセンスを取得した天才海洋学者のジングウジ・アヤ。
サコミズ隊長の事を「サコっち」と呼ぶ謎は「脅威のメビウスキラー」で明らかにされる。
噂話をされたサコミズ隊長は「風のマリナ」の時とは違ってくしゃみをしている。

 

アヤの弟のタカトはウルトラマンやGUYSが大好きだったのだが、怪獣と遭遇した時に恐怖して犬のアルトを助けに行く事が出来ず、その自責の念からウルトラマンに憧れる心やGUYSに入りたいと言う夢を失ってしまった。
このタカトが遭遇したケルビムは「総監の伝言」に登場したケルビムらしい。ケルビムと言えば、タカトの話はケルビムが初めて登場した「傷だらけの絆」で描かれたコノミの話に通じるものがあった。

 

風見しんごさんが演じる学芸員の広川さん。
ヒルカワと一文字違いだがこちらは正真正銘の良い人であった。

 

ゾフィーからメビウスとウルトラ4兄弟に向けてウルトラサインが発せられる。
内容は「何者かが封印を壊し、悪魔を解き放とうとしている」と言うものであった。
今回の映画ではゾフィーを始めとするウルトラ兄弟ヤプールと超獣、ウルトラサインが久し振りに登場している。これらは『A』から本格的に使われたもので、その為か要所要所で北斗が目立っている。

 

ウルトラ4兄弟が変身できない事を突いて、ヤプールを復活させて混乱させた隙に地球を侵略しようと考えた宇宙人連合。
ザラブ星人ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人で構成されていて、これにヤプールを加えると『初代マン』から『T』までの強豪宇宙人が集結した事になる。当時のウルトラシリーズでは複数の宇宙人が一緒に登場する事は大変珍しく映画ならではの特別感があった。
『マックス』から再登場する怪獣や宇宙人はオリジナルに近いデザインになってきたが、今回登場した宇宙人連合は現代風にアレンジされている。(特にナックル星人とテンペラー星人

 

テンペラー星人戦はウルトラマンを炙り出す為に破壊活動が行われると言った「ウルトラの国大爆発5秒前!」を思わせる展開があった。テンペラー星人が自信過剰なのも初代に似ていたが、意外と策を巡らせていた初代に比べて今回はあまり物事を深く考えないキャラになっている。このメビウステンペラー星人の戦いは地上戦に空中戦にと飽きない作りになっていた。
そう言えば、初代のテンペラー星人が登場した「ウルトラの国大爆発5秒前!」「ウルトラ6兄弟最後の日!」もウルトラ兄弟の人間態が勢揃いする話だった。
テンペラー星人はエンペラ星人に近い存在と言う設定がある他、今回復活したヤプールが後に暗黒四天王の邪将に就いているので、ひょっとしたら、今回の事件の真の黒幕はエンペラ星人だったのかもしれない。

 

ウルトラマンもGUYSも嫌いだ」と言うタカトの言葉にショックを受けるミライ。それを見たハヤタは「人間の心は複雑だ。それを宇宙警備隊で習わなかったのか?」と尋ねる。
この台詞は裏を返せば「ウルトラマンの心は人間に比べて単純」と言う事になる。言われてみれば、ウルトラマン達は人間に比べて分かり易い考え方をしている気がする。

 

ミライが地球に来たのは半年前で、タカトがケルビムと遭遇したのは3か月前の夏休みと説明されているので、今回の映画は10月から11月頃を舞台にしている事が分かる。『メビウス』は公開時期と劇中時間を合わせていると思っていたのでズレていた事にちょっと驚いた。
タカトが遭遇したケルビムは第20話の「総監の伝言」に登場した方となっているので、第1話から第20話までの劇中での時間経過は3ヶ月となる。ボガール・ツルギ編は連続物だったので、11話あったが劇中での時間経過は数週間でも不自然ではない。
第21話の「虚空の呼び声」でアランダスが遭難したのは半年前となっているので、第20話から第21話まで劇中で3ヶ月経過していたとなる。
さらに第37話の「父の背中」が冬の時期の話となっているので、今回の映画と直後の話である第24話から第37話までの劇中での時間経過は1ヶ月から2ヶ月となる。

 

ウルトラ4兄弟はハヤタは空港長、ダンは牧場主、郷はレーサー指導、北斗はオーナーシェフとしてヤプールの封印の監視をしながら人間と共に暮らしていた。
ハヤタは初代マンの変身した姿なのか再び人間のハヤタと一体化したのか説明されていないが、おそらく前者と思われる。
『レオ』から32年経ってようやくダンの生存が確認された。消息不明となった『レオ』の「MAC全滅! 円盤は生物だった!」を継いでか、髭を生やしている。他の3人に比べてダンが牧場主と言うのはちょっと想像が付かなかった。
因みにこの映画に出演したハヤタ、ダン、郷、北斗の4人を総称して「ダンディ4」と呼ぶ事がある。

 

ウルトラマンへの変身能力を失ったウルトラ4兄弟は人間として暮らす事になったが、後悔はしていない、むしろ、愛する星で愛する人々と暮らす日々は望んでいた事かもしれないと答える。
郷や北斗は今も自分達は人間として人間について学んでいると語る。これは人間である郷や北斗の意識ではなく、一体化したジャックやエースの意識が答えたものと思われる。郷とジャック、北斗とエースの意識の割合が現在どうなっているのか不明であるが、ウルトラマン側の意識が強いように見える。

 

メビウスはウルトラ4兄弟とUキラーザウルスの戦いをゾフィーやタロウから聞き、ウルトラ兄弟ほどの勇者がどうして命懸けで地球を守ろうとしたのか、どうしてそこまで人間を好きになったのか知りたくて地球に行ってみたいと決意したのだった。
今回のミライの様子を見ると、メビウスがウルトラ4兄弟と会ったのはここが初めてのようだ。ミライはウルトラ4兄弟が神戸にいた事やウルトラマンへの変身能力を捨てた事もここで知っている。
ところでメビウスゾフィーやタロウの教え子となっている。昭和のウルトラシリーズを見た後だと時代の流れを感じる。

 

自分が倒した怪獣によって不幸になっていた人間がいた事にミライは自信を無くすが、ハヤタは「我々ウルトラマンは決して神ではない。どんなに頑張ろうと救えない命もあれば届かない思いもある」と告げ、ダンは「大切なのは最後まで諦めない事。どんなに辛い状況でも未来を信じる心の強さが不可能を可能にする。信じる力が勇気になるんだ」と諭す。
因みにメビウスの師匠であるタロウも『T』の「ウルトラのクリスマスツリー」で似た問題に直面している。

 

ここで郷が語る「かつて自分も敵の卑劣な策略に心乱し、罠に落ちた経験がある」は『帰マン』の「ウルトラマン夕陽に死す」を知っていると重い台詞。
北斗の「自分の力を過信すれば必ずその力によって敗北する事になる」と言う忠告は『T』の「ウルトラ6兄弟最後の日!」を思わせるが、あの時の光太郎と違ってミライは素直に聞き入れた。

 

ウルトラ4兄弟の話を聞いたミライは再びタカトと向き合う。
ウルトラマンも一人で勝てなかったり戦うのが怖くなるような強敵がいたが助け合う仲間がいたから勝つ事が出来た。大切なのは諦めない事。信じる力が勇気になる」とウルトラ4兄弟から聞いた話を伝え、タカトの気持ちはきっとウルトラマンに伝わるとして、その証拠として次にメビウスが怪獣を倒したらタカトに向かってVサインをするようメビウスにお願いすると約束する。
この流れは第2期ウルトラシリーズっぽくて懐かしかった。

 

ザラブ星人はアヤに変身してミライにしびれ薬を飲ませる。う~ん。ここで毒を飲ませて殺していたら勝っていた気がする。宇宙人連合に必要なのはウルトラ4兄弟の方だったわけだし……。
ミライを動けなくしたザラブ星人はニセメビウスに変身して街を破壊。メビウスが街を破壊している事にCREW GUYSは衝撃を受けるが、サコミズ隊長は「よーく見ろ。目つきが悪い。真っ赤な偽者だ」と瞬時に見破る。
何とか変身出来たミライはしびれ薬のせいで動きが鈍くなっていたが、それでも力押しでザラブ星人に勝利する。しかし、怒りに駆られて冷静さを失っていた為、無駄にエネルギーを消費してしまい、この後の戦いで苦しむ事になる。

 

ニセメビウスが街を破壊している時に逃げ惑う二人組はお笑いコンビのアメリカザリガニ
又、ポートライナーの場面では松永神戸市長として堀内正美さん、コウダ助役として布川敏和さん、ミドリカワ秘書として山田まりやさんが出演している。3人とも小中監督がメイン監督を務めた『ダイナ』と『ネクサス』のレギュラー。
松永市長の携帯電話の着信音が『ネクサス』のナイトレイダー出撃BGMだったのに笑った。

 

ザラブ星人を倒したメビウスはタカトに向かってVサインをしようとしたところを背後からガッツ星人に襲われてクリスタルの十字架に閉じ込められてしまう。そしてナックル星人は十字架に囚われたメビウスを人々に見せつけながら勝利宣言を行う。
初代のガッツ星人が登場した「セブン暗殺計画 前篇」とナックル星人が登場した「ウルトラマン夕陽に死す」を思い出す展開。

 

「ここで戦ったら死ぬかもしれないが、それでもメビウスを放っておく事は出来ない」と訴える北斗。35年前と変わっていない北斗の熱い姿に感動して涙が出た。

 

ダン「大切なのは最後まで諦めず、立ち向かう事だ」、
郷「たとえわずかな希望でも勝利を信じて戦う事が……」、
北斗「信じる心。その心の強さが不可能を可能にする」、
ハヤタ「……それが、ウルトラマンだ!」。
そしてウルトラ4兄弟クアドラプル変身!
しかし、正直言って、ここの変身シーンの出来がイマイチだったのが残念。特に初代マンがAタイプだったのは個人的には不満がある。今回はウルトラ兄弟が集結する第2期ウルトラシリーズをベースにした話だったので、『初代マン』のみの存在であるAタイプはやめてほしかった。(同じ顔のゾフィーやジャックとの差別化と言う意味もあってのAタイプ使用ではあるのだが)

 

エネルギーが残り少ないウルトラ4兄弟はすぐにカラータイマーが点滅してしまうが、タカトの応援を受けてガッツ星人とナックル星人を撃破しメビウスを十字架から解放するが、それはナックル星人の罠で今度はウルトラ4兄弟がクリスタルの十字架に閉じ込められてしまう。
ウルトラ4兄弟の光エネルギーを自分達の宇宙船に集めたナックル星人はマイナスに変換してファイナル・クロスシールドを破壊。さらにヤプールは人間の恐怖を好むとして、より早く復活させる為に街を破壊していく。
人間の恐怖心を糧にするのは『ネクサス』のスペースビーストや『サーガ』のハイパーゼットンでも見られた。『80』のマイナスエネルギーもあるし、人間の負の感情には途轍もない力が秘められているようだ。

 

ウルトラ4兄弟は囚われてメビウスも敗北。しかし、タカトは閉じこもる事無く、アルトを助けに向かう。ウルトラ4兄弟からメビウスを経てタカトに伝えられた「最後まで諦めず、不可能を可能にする。それがウルトラマンだ」と言う言葉がタカトを奮い立たせる。
そして、そんなタカトの行動がメビウスを復活させてウルトラ4兄弟へと伝わっていく。
ハヤタ「メビウスは我々と同じように敗北の中で学んだのだ」、
ダン「憎しみや恐れを。そして真の勇気を」、
郷「彼はウルトラマンとして成長し、揺るぎない強さを手に入れた」、
北斗「もはや、邪悪な侵略者に負けたりはしない!」。
立ち上がるメビウスの姿にかつての自分達の姿を重ね合わせるウルトラ4兄弟。そして遂にメビウスガッツ星人を倒し、ナックル星人をノックアウトするのであった。
先の変身シーンとこの復活したメビウスを見てかつての自分達の戦いを振り返る場面はウルトラ4兄弟をオリジナルの役者が演じていたからこそ成立した、「ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品」と言う看板の通り、40年の歴史があるウルトラシリーズだからこそ作る事が出来た日本ヒーロー史の中でも屈指の名場面であった。

 

ここでメビウス達を応援しているのは本作の主題歌を歌っている氷川きよしさん。
前作の『ULTRAMAN』から劇場版のウルトラシリーズは特撮畑とは違う人が主題歌を手掛ける事が多くなった。
ULTRAMAN』はB'zの松本孝弘さん、本作は氷川きよしさん、『超ウルトラ8兄弟』はV6、『ウルトラ銀河伝説』はMISIAさん、『ベリアル銀河帝国』はGIRL NEXT DOOR、『サーガ』はAKB48の音楽ユニットDiVA。
仮面ライダーシリーズに比べるとウルトラシリーズの歌は昔ながらを守っている印象があるが、こうして挙げてみると意外と色々やっていた事が分かる。

 

遂に復活したUキラーザウルスはさらにパワーアップしてUキラーザウルス・ネオとなっていた。
宇宙人連合でただ一人生き残ったナックル星人はUキラーザウルス・ネオを使って銀河連邦をも支配すると豪語するが、実はヤプールは侵略目的で接触してきた宇宙人達を逆に支配して自分が復活する為に利用していて、Uキラーザウルス・ネオを使ってナックル星人を倒してしまう。
この辺りの利用し合いの展開は東映のヒーロー作品を彷彿させるものであった。ウルトラシリーズでは珍しいが、強豪宇宙人同士の駆け引きは非常に新鮮でワクワクさせられた。

 

エネルギーが残り少ないメビウス達は光線技を満足に使えず苦戦を強いられるが、タカトのウルトラマンを信じる気持ちが届いてゾフィーとタロウが地球に参上。ゾフィーとタロウによってメビウス達はエネルギーを回復し、遂にウルトラ7戦士による総力戦が始まる!
ここからの切断技の大盤振る舞いは見ていて爽快! タロウのストリウム光線発射は燃えた!
ただ、制作期間が短かったらしいので仕方が無いが、CGとスーツの違いが激しくて違和感を覚えるレベルだったのが残念。

 

勝利目前のウルトラ7戦士だったが、ヤプールはアヤを人質として出す。しかし、ウルトラ6兄弟のエネルギーを受けたメビウスメビウスインフィニティーにパワーアップ! コスモミラクルアタックでUキラーザウルス・ネオのミサイルの弾幕を潜り抜け、アヤを救出してUキラーザウルス・ネオを倒すのであった。
このメビウスインフィニティーの誕生はミライがタカトに語った「ウルトラマン全員が力を合わせたのが一番強い」を具現化したもの。
メビウスインフィニティーは設定上はスーパーウルトラマンになったタロウより強いはずだが、ウルトラ6兄弟が総がかりでも倒せなかったグランドキングを圧倒したスーパーウルトラマンタロウに比べて、Uキラーザウルス・ネオは人質が無ければウルトラ7戦士のままでも勝利できたように見えたので、メビウスインフィニティーの強さはイマイチ見せきれなかった感じがする。

 

戦いが終わり、メビウスはようやくタカトに向かってVサインが出来た。
助けられたアヤは「何でウルトラマンって命懸けで私達を守ってくれるのかな?」と問いかけ、ミライは「彼らはきっと人間が大好きなんですよ」と答える。この時のアヤはミライについて何か勘付いている様子で、この話は「脅威のメビウスキラー」に続く事となる。
ここでミライは「人間が大好き」と無邪気に答えているが、後にウルトラ4兄弟が再登場するTVシリーズ終盤でその気持ちに揺らぎが生じる事になる。
ミライとアヤが話をしている所にGUYSの隊服を着たタカトがアルトを連れてやって来て、いつか本物のGUYS隊員になってメビウスと一緒に戦う事を誓う。そしてミライに向かってVサインをして「ありがとう、約束を守ってくれて」とお礼を述べるのだった。

 

今回のCREW GUYSは出撃したと思ったら到着する前に決着が付いていたり、到着したと思ったら隔離障壁を展開されて戦いに参加できなかったりと活躍が無かった。
これはCREW GUYSのキャラクターが決定する前に映画の撮影を始めなければいけなかったから。その為か、TVシリーズ中盤でヤプールが復活した時は逆にウルトラ4兄弟は登場せずCREW GUYSが活躍する事となった。

 

ウルトラ4兄弟のこの後の話は詳しくは語られていないが、ヤプールが復活した「復活のヤプール」やインペライザーが襲撃してきた「別れの日」では地球にメビウス以外のウルトラマンはいない感じだったので、変身能力を取り戻したウルトラ4兄弟は光の国に帰還したと思われる。その後、暗黒四天王が動き出すのと前後して密かに地球に戻ってメビウスやCREW GUYSを見守っていたと思われる。

 

エンドロールはウルトラマンシリーズ誕生40周年記念パーティーの様子が収められている。懐かしい面々や映像が見られて嬉しい。

 

「未来に飛び立て ウルトラの光を信じて」。