帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ひとつきりの命」

「ひとつきりの命 ー火山怪鳥バードン登場ー
ウルトラマンメビウス』第3話
2006年4月22日放送(第3話)
脚本 赤星政尚
監督・特技監督 村石宏實

 

火山怪鳥バードン
身長 62m
体重 3万3千t
大熊山に現れた怪獣で、ドキュメントZATに同種族の記録がある。かつて現れた同種族はタロウとゾフィー二人のウルトラマンの命を奪っている。
羽ばたきで突風を起こし、クチバシと炎の二弾攻撃で相手を倒す。テッペイによって、クチバシで相手を突く事で毒袋にある即効性の毒を相手に送っていた事が判明した。
CREW GUYSによって毒袋の毒を体内に逆流されて苦しんでいるところをメビウスのメビュームシュートを受けて倒された。

 

高次元捕食体ボガール
大熊山の噴火を見て、バードンの活動を感知して長い舌を舐めずる。
CREW GUYSの到着を見て「来た」と不敵に笑い、CREW GUYSがバードンを倒すのを見ていた。

 

物語
大熊山に現れたバードンに戦いを挑むメビウスだったが、クチバシ攻撃の前に退却を余儀なくされる。
生物であるウルトラマンは決して不死身ではないと言う事に気付いたテッペイは過去のアーカイブを検索して、ウルトラマンが命を落とした事例を突き止める。

 

感想
ウルトラマンって死んだ事があるんですか?」と言うコノミの台詞が今回のテーマ。
『初代マン』の最終回「さらばウルトラマン」でゾフィーが命を二つ持って来て初代マンとハヤタ隊員の命を救った事がある。これは『初代マン』単独で考えた場合、物語の結末として、作品全体のテーマからして納得の展開であったのだが、ウルトラシリーズが続いてバトル要素が強くなってくると、この「死んだ主人公が生き返る」と言うのが非常に厄介な設定になってしまった。
バトル作品を盛り上げる要素の一つに「負けたら終わり」と言うのがあり、「負けたら優勝できない」「何かを賭けていて負けたらそれを失う」等と負けた場合のリスクが課される事がある。「負けたら死ぬ」もその一つなのだが、死んでも簡単に生き返る事が出来るのなら、リスクが失われてバトルも盛り上がりに欠けてしまう。
そこで『メビウス』では「ウルトラマンは新たな命を貰って生き返る事もあるが、絶対に生き返れる保証は無い奇跡的な事」として、生き返りの乱用をしないよう歯止めをかけた。

 

バードンの毒の影響を受けた事でメビウスが生物である事が判明する。平成のウルトラマンの多くが光の具現化であったが、メビウスは昭和のウルトラマン達と同じ宇宙人と言う生物である事が示された。

 

ジョージは受け入れてもらえるチームが無くて引退の危機と報道される。ここでしつこく取材を申し込んでいたのはヒルカワかな?
コノミはGUYSが休みの日はみやま保育園に手伝いに来ている。これは『80』の学園編を思い出させる設定。
テッペイはCREW GUYSに参加した事を家族に黙っていたのだが、よく隠せたものだと思う。クゼ家のメイドの萌さんが登場。個人的にはメイドよりじいやが付いてほしい。

 

ミライがバードンの毒の影響を受けたので、代わってテッペイが初搭乗。
前回の「俺達の翼」でマリナが意識を失ったマニューバモードに耐えたのには驚いた。
CREW GUYSに参加してマニューバモードに耐える練習を受けたのだろうか?

 

ウルトラマンに倒せないからと言って自分達に倒せない道理は無いと語るリュウ
メテオールバードンを追い詰めるも今回も時間切れ。登場2回目にして使用時間を2分にしてよ!と言いたくなる展開。まぁ、実際にそれをしたら歯止めがきかなくなって危険な方向に進んでしまいそうなので、時間制限が付けられているのは仕方が無いかな。
それでも今回のCREW GUYSは毒袋の静脈を切断して毒を逆流させる事でバードンを苦しめ、メテオールカートリッジのキャプチャー・キューブでバードンが爆発しても周囲に毒が飛び散らないようにすると見事にメビウスを援護した。
それにしても使用許可を貰わなくてもメテオールを使用する事が出来たのには驚いた。リュウの性格を考えるに何かロックを掛けないと今後も勝手に使いそうな気がする。

 

ウルトラシリーズに限らず多くの作品では序盤は主人公ヒーローは強めに描かれるのだが、メビウスは第3話で早くも負けてしまった。しかし、メビウス一人ではなくCREW GUYSと一緒に戦って勝つ事で本作の方向性が明確になった。

 

テッペイの考察により、カラータイマーは単に危険信号を伝える器官ではなく、その輝きこそがウルトラマンが生きている証であり、ウルトラマンはわずか3分間の命を削りながら戦っている事が判明した。
「カラータイマー」と「3分間の時間制限」はウルトラシリーズの基本設定なのだが、殆どの作品はナレーションが視聴者に向けて説明するのみで、今回のようにそれを軸にした話を作る事は少なかった。このように色々なものに対して細かな設定や解説が付け加えられているのが『メビウス』の特徴。

 

ウルトラマンのカラータイマーの秘密を知ったリュウは「おい、ウルトラマン! 俺はなぁ、たった一つしかねぇ自分の命を粗末にするような奴にこの星を守ってもらおうなんて思わない! 絶対に思ってねぇからな!」と言ってメビウスを援護する。
戦いが終わった後、テッペイは「ウルトラマンにカラータイマーがある意味が分かった気がする」と言い、それを聞いたミライは「一緒に戦っている人に自分の状態を知ってもらえるのは心強い」と語る。
このように地球人がウルトラマンの事を少しずつ理解していくのが『メビウス』の基本的な流れ。

 

カラータイマーと言えば、メビウスのカラータイマーのデザインには驚いた。外から体に取り付けるのではなく、体の中に入れてしまうと言う逆転の発想が凄い。

 

バードンとの戦いは漁港が舞台となっていて、羽ばたきによる突風の威力がよく分かった。
今回の話でバードンのクチバシ攻撃には毒が含まれている事が判明したが、『T』の「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」でデッパラスの牙に串刺しにされても平気だったタロウが「ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!」でバードンのクチバシ攻撃で命を落としかけた理由はこれだったのかな。

 

リュウはジョージやマリナに向かってやたらと「命令すんな!」と噛み付いている。
先輩である自分が皆を引っ張って行かなければいけないと言う気負いなのだろうが、この頃のリュウは自分の事で精一杯で、あまり皆を引っ張れる感じはしない。

 

今回のミライは戦闘中にいきなり姿を消したり、メビウスと同じようにバードンの毒の影響を受けたり、ウルトラマンの心情を代弁したり、「ウルトラマンメビウス」の名前を不用意に出したりと、これでは正体を怪しまれるだろう!と突っ込みたくなる危なっかしさであった。

 

リュウメビウスの事を「自分達が一緒に戦ってやらないと危なっかしい奴だ」と評する。
それを聞いたジョージやマリナは自分達がCREW GUYSに参加した意義に気付き、コノミはCREW GUYSとしてメビウスと一緒に戦う事は過去に地球を守ってくれたウルトラマンへの恩返しになるとして、「そして、いつかウルトラマンメビウスに「ありがとう」って、そう言うの」と語る。このコノミの台詞に対して、サコミズ隊長の反応が描かれている一方、リュウの表情はあえて映されていないのがポイント。

 

 

ウルトラマンメビウス TV & OV COMPLETE DVD-BOX

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