帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「約束の炎」

「約束の炎 ー無双鉄神インペライザー登場ー
ウルトラマンメビウス』第30話
2006年10月28日放送(第30話)
脚本 赤星政尚
監督 佐野智樹
特技監督 鈴木健二

 

ウルトラマンタロウ
身長 53m
体重 5万5千t
インペライザーが4時間後に青沢峡谷に現れる事をGUYS総本部に教え、迎撃準備を整わせた。
ストリウム光線の他、かつて自ら封印したウルトラダイナマイトを繰り出してインペライザーと戦う。
メビウスを戦わせまいとしていたが、メビウスとCREW GUYSの訴えを聞いて考えを改め、最後は一緒に戦った。
戦いの後、メビウスと仲間達ならどんな試練でも乗り越えられるだろうと告げて光の国に帰って行った。

 

無双鉄神インペライザー
身長 60m
体重 6万t
地球を狙う何者かによって送り込まれた侵略兵器。
タロウの予告通りに青沢峡谷に現れてCREW GUYSの迎撃作戦を受ける事になる。
空間転移と復元能力と回転による全方位攻撃でCREW GUYSとタロウを苦しめるが、最後はメビウスバーニングブレイブのメビュームバーストで倒された。

 

マケット怪獣リムエレキング
身長 40cm
体重 4kg
落ち込むCREW GUYSの皆を励ます。

 

物語
皆の前から姿を消したミライ。
ミライは本当に光の国に帰還してしまったのか?
そんな中、タロウとインペライザーの再戦が始まる!

 

感想
他の作品だと今回の話で最終回になってもおかしくないのだが、『メビウス』はここから新たな話が始まる。

 

前回の「別れの日」のラストで瓦礫の下敷きになったと思われたミライとリュウだったが、どうやらリュウが何とかしたようだ。
次回への引きとして用意したのだろうが、この流れなら瓦礫が落ちてくる場面は無くても良かった気もする。

 

病院で意識を取り戻したミライは自分のGUYSメモリーディスプレイとリュウへのお守りを残して姿を消す。
翌朝、ミライとリュウは二人の出会いの場所となった高台で再び出会う。
光の国への帰還命令を受けながら、それでも地球の為に戦いたいと訴えるミライに対し、リュウはある事を尋ねる。「どうしてウルトラマンはそこまでして地球を守ってくれているのか?」。

 

リュウの疑問に対して、ミライは「ウルトラマンもかつては人間と同じ姿をしていたから」と答える。
「ある時、偶然に、僕らの一族はウルトラマンの力を手に入れました。それは決して望んで手に入れた力ではありません。でも、力を手に入れたと言う事は果たすべき何かがあるはずだって考えたんです。守れるものがあるはずだって」。
ウルトラマンが自分達の一族について語った貴重な場面。ウルトラ一族の設定は児童誌等で紹介されているのでファンには知られた内容となっているが劇中で触れられる事は極めて稀。実は今回も具体的な説明は避けられていて、かなり抽象的な説明になっている。これらがハッキリと映像付きで説明されるのはこれより後の『ウルトラ銀河伝説』での事である。
ウルトラの星は地球から300万光年離れた場所にあり、地球から見えるウルトラの星の輝きはウルトラ一族がまだ人間だった頃の輝きであった。
ウルトラ一族は大昔の人間だった頃の自分達の星を重ね合わせて地球の為に命を懸けているとミライは語る。全宇宙の平和と秩序を守る存在としては私情を挟んでいるとも言えるが、ウルトラ一族が地球に思い入れしている謎は解けた。

 

GUYSが負けたら地球はインペライザーを送り込んだ何者かの思いのままにされるとして、リュウは「地球は俺達だけの星じゃないんだ」と決意を新たにする。当然、これはミライを始めとするウルトラ一族を含めての言葉。
「ミライ。地球はちゃんと俺達の手で守る」と決意し、援護に現れたタロウに向かって「自分達にまかせておけ」と言ってのけるリュウ。これは「戦力不足」と宣告されて地球を離れる事になったミライの事を思い、現在のウルトラマンと特別チームである自分達の力をタロウに向かって証明したかったのだろう。

 

CREW GUYSはGUYSスペーシーとの共同作戦を実施。
重力偏向板でインペライザーを高度80kmに放り出し、敷設していたライトンR30マインで爆破しようとするが、インペライザーは空間転移によって重力偏向板の影響から逃れてしまう。

 

タロウはインペライザーが4時間後に青沢峡谷に現れるとGUYS総本部に知らせてくる。この青沢峡谷は『セブン』の「地震源Xを倒せ」でシャプレー星人がギラドラスを送り込んだ場所で、インペライザーもシャプレー星人と同じくウルトニウムを狙って現れた可能性がある。エンペラ軍団がウルトニウムを狙う理由がイマイチよく分からないが、ウルトニウムを採取していたギラドラスは天候を操る能力を持っていたので、ウルトニウムには地球の自然を司る力が秘められているのかもしれない。

 

変身して戦おうとするミライに対し、タロウは「今は光の国に戻って来たるべき戦いの為に力を蓄えるんだ」と警告する。
「来たるべき戦い」とは「誓いのフォーメーション」でヒカリが地球を離れる時にメビウスに告げた言葉でもある。この時のヒカリは具体的な相手を想定していなかったが、その相手がエンペラ軍団と判明した事で、いよいよ光の国はエンペラ軍団との決戦に向けて動く事となる。

 

自ら封印した危険技ウルトラダイナマイトを再び使う事を決断したタロウ。心配するミライを「私を見くびるな!」と一喝。かつては末っ子キャラであったが知らないうちにすっかり教官キャラになっていて時代の流れを感じる。
ウルトラダイナマイトは『T』では「必殺! タロウ怒りの一撃!」で一度使っただけで、内容もカタン星人の目潰し攻撃を受けたので相手にしがみついてから発動できる技を選択したと言う感じだったが、児童誌や内山まもるさんの漫画で一か八かの最後の大技的な扱いになり、『メビウス』でもそれに則った描写になっている。
しかし、今回はウルトラダイナマイトでインペライザーを粉々にしても復元されてしまった。メビュームバーストで倒せたところを見ると、インペライザー相手にはウルトラダイナマイトで粉々にするよりファイヤーダッシュで燃やし尽くした方が良かったのかもしれない。

 

ジョージとマリナはタロウと会話をしているミライを発見。
CREW GUYS全員がミライの所に集まり、リュウはミライに向かって告げる。
「ミライ、行け! 行って、お前の強さを、ウルトラマンメビウスの強さをタロウに証明して来い!」。
この台詞とミライの左腕に装着されたメビウスブレスを見て、CREW GUYSはミライの正体を知る事になる。
「ミライ。お前はGUYSのクルーだろう。地球を守るのが俺達GUYSの使命だ。今、お前がやんなきゃなんねぇのは俺達と一緒に戦う事のはずだ! けど、絶対に忘れるな。俺達が今まで何の為に命を懸けて戦って来たのか。また、笑顔で会う為だぜ、仲間に。絶対、絶対に生きて帰って来い! 約束だぞ!」。
ウルトラシリーズで主人公の正体がバレた時は皆との別れとなる事が多かったが、リュウは正体が判明したミライ=メビウスもCREW GUYSの仲間だと宣言した。この流れは昭和ウルトラシリーズではなく平成ウルトラシリーズの流れを受けていると言える。
「命を懸けて戦うのは仲間と笑顔で会う為」「絶対に生きて帰って来い」はかつて仲間を失ったリュウが言うからこその説得力。
リュウの言葉にミライは「G・I・G」と答えてメビウスに変身。そしてCREW GUYSもメビウスと一緒に戦う!
ウルトラシリーズは『初代マン』の頃から「地球の平和は地球人の手で守る」と言う結論が多かったが、『メビウス』では地球人もウルトラマンも同じ仲間として一緒に地球の平和を守る事になる。

 

一人で戦おうとするタロウに向かってメビウスは「絶対に死んではいけない」「命を懸けて戦うのは笑顔でまた仲間達と会う為」と訴え、その言葉に感銘を受けたタロウは考えを改め、メビウスとタロウとCREW GUYSが一緒に戦う事になる。
しかし、メテオールが破られ、CREW GUYSを守ろうとしてメビウスも倒れる。
目から光が消えたメビウスに向かってCREW GUYSはスペインリーグの復帰戦を、世界選手権を見に来い、この戦いが終わったらミライの怪我は自分が診る、保育園の皆が待っていると訴え、リュウは「必ず生きて帰って来るって約束しただろう!」と叫ぶ。
仲間達との約束を糧に再び立ち上がったメビウスは自分の胸にファイヤーシンボルを描き、メビウスバーニングブレイブにパワーアップ。タロウがストリウム光線でインペライザーの三連装ガトリングガンを相殺している間にメビウスバーニングブレイブは炎エネルギーを溜め、新技メビュームバーストでインペライザーを倒すのだった。
勝利したメビウスバーニングブレイブを見てリュウはファイヤーシンボルが描かれた自分のGUYSディスプレイに手をやって喜ぶ。「それでこそ俺達のウルトラマンだ!」。

 

戦いが終わり、リュウはタロウに向かって「メビウスは俺達の仲間なんだよ。これからも一緒に地球を守りてぇんだ。頼む。一生のお願いだ。ミライを、メビウスを帰さないでくれ」と頼む。
リュウの頼みにタロウは頷き「メビウスと仲間達ならどんな試練でも乗り越えられるだろう」と告げて光の国に帰って行った。

 

皆の所に帰って来たミライ。
リュウは自分のと同じようにファイヤーシンボルを描いたミライのGUYSメモリーディスプレイを渡す。
ミライが皆に渡していたお守りにも同じようにファイヤーシンボルが描かれていた。
フェニックスネストに帰る事になった皆。一緒に帰って行くミライの後姿に向かってリュウは「ミライ、ありがとな」と心の中でお礼を述べるのだった。

 

「この日、僕達は新たな一歩を踏み出した」。