『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』
2014年3月15日公開
脚本 赤星政尚
監督 原口智生
カオスウルトラマン(バグレー)
ウルトライブのシミュレーション空間に突如現れた謎の存在。ヒカルがウルトライブしたギンガと戦い倒される。
カオスロイドT(バグレー)
ウルトライブのシミュレーション空間に突如現れた謎の存在。美鈴がウルトライブしたタロウと戦い倒される。
カオスロイドT、カオスロイドS、カオスロイドUの3人は元々は『ウルトラマン Fighting Evolution REBIRTH』に登場したキャラクターで、メフィラス星人がカオスヘッダーを使って作り出したウルトラ兄弟のコピーと言う設定らしい。
イーヴィルティガ(バグレー)
ウルトライブのシミュレーション空間に突如現れた謎の存在。千草がウルトライブしたティガと戦い倒される。
カオスロイドS(バグレー)
ウルトライブのシミュレーション空間に突如現れた謎の存在。健太がウルトライブしたセブンと戦い倒される。
カオスロイドU(バグレー)
ウルトライブのシミュレーション空間に突如現れた謎の存在。友也がウルトライブしたウルトラマンと戦い倒される。
ウルトラマンタロウ(SDI)
美鈴がウルトライブした「新ウルトラ5兄弟」の一人。カオスロイドTを倒した。
ウルトラマンティガ(SDI)
千草がウルトライブした「新ウルトラ5兄弟」の一人。イーヴィルティガを倒した。
ウルトラセブン(SDI)
健太がウルトライブした「新ウルトラ5兄弟」の一人。カオスロイドSを倒した。
ウルトラマン(SDI)
友也がウルトライブした「新ウルトラ5兄弟」の一人。カオスロイドUを倒した。
物語
ガンパッドに収められているウルトラ怪獣のデータを研究していた友也は久し振りに皆を集めてシミュレート用に作ったプログラムの中でウルトライブの疑似体験をさせる。
せっかくの機会なので最強のウルトラ怪獣を決めようと言う話になり、それぞれ様々なウルトラ怪獣にウルトライブしていく。
感想
色々な怪獣が次々と出てくる娯楽編。原口監督が言うには「目で見る怪獣図鑑」との事。内容的には『メビウス』の「激闘の覇者」に近い作りになっている。
2代目やパワード版まで紹介し、赤いレッドキングとしてパワード版やEXレッドキング等も取り上げ、カプセル怪獣でセブンガーも出す等、マニアックなところまで配慮されているのが嬉しい。登場怪獣もマニアックなものが選ばれていて、ミラクル星人登場には大いに驚いた。(しかも『T』当時の着ぐるみ!)
尚、本作はミニシアターランキングで3週連続観客動員数第1位を記録した。
ヒカル達がウルトラ怪獣に対して様々なツッコミをしたり、「映画が終わっちゃう」と言う台詞や登場人物が観客に向かって話しかけると言ったメタな要素も取り入れられていて、『新列伝』のスパークドールズ劇場みたいなノリになっている。
全体的にカメラが近過ぎる上に動きすぎていて見辛いのが難点。
怪獣同士の戦いも照明が暗くて見辛い。赤いレッドキングとしてEXレッドキングが紹介されたのに暗すぎてEXレッドキングが赤く見えないと言うのは問題。
友也が描いた絵が実体化したので怪獣紹介場面に使われた怪獣の写真が動かないのは分かるが、それでもウルトラマン達の登場シーンは写真じゃなくて動かしてほしかった。
カネゴンとミラクル星人は「小さい」とはっきりと台詞で言っているのに、それが表現できていないのも残念。
ストーリーが無いからこそ、しっかりとした演出をしてほしかった。
ガンパッドには全てのウルトラ怪獣のデータが収められていて、それを研究した友也はシミュレート用のプログラムの中でライブパッドを使ってウルトライブを疑似体験できるようにした。
友也はどのようにしてスパークドールズを集めたかだが、どうやら『初代マン』の「恐怖の宇宙線」でガヴァドンの絵を実体化させた宇宙線が今度は友也が描いた怪獣図鑑の絵をスパークドールズとして実体化させたらしい。その為、今回の話に登場するスパークドールズは「SDI(スパークドールズイミテーション)」とされている。
絵が滅茶苦茶上手い友也。さすが自分は何でも簡単に出来てしまうと豪語しただけの事はある。
何でも出来てしまうが故に熱中できるものが無かった友也だったが、まさかウルトラ怪獣にハマって怪獣博士になるとは思わなかった。
ウルトラシリーズにおいて怪獣博士は『メビウス』のテッペイや大怪獣バトルシリーズのオキがいたが、二人がハイテンション系なのに対して友也は淡々とした語り口で長々と説明すると前二人との差別化がされている。
それぞれがウルトライブした怪獣は以下の通り。
ヒカル…ゾアムルチ、カネゴン、ミラクル星人、ゴモラ。
カネゴンにミラクル星人と意外と戦闘に関わっていない。ゾアムルチでザムシャーに負けたのは仕方が無い気がする。最後にノーマルゴモラで他のゴモラに勝利したのはさすがと言うべきか。
美鈴…レッドキング、スノーゴン、モチロン、EXゴモラ。
印象深いのはモチロンの時にジャンケン対決でバルタン星人に勝ったところかな?
健太…ドラゴリー、ミクラス、ドラコ、バルタン星人、ガンQ、ゴモラ(レイオニックバースト)。
敗北が多いが、リベンジする為に他の怪獣を使ったので今回最も多くの怪獣にウルトライブした事になる。久し振りにバルタン星人に目立つ場面が作られたのは特筆したい。
千草…ザムシャー、テレスドン、アクマニヤ星人、メカゴモラ、ヤメタランス。
ウルトラ怪獣に詳しくないのに(逆に詳しくなかったからか?)強敵クラスにウルトライブしていった。使い方によっては最強のヤメタランスをチョイスするとは油断が出来ない。戦績は良いが、それでもメカゴモラの時のゴモラ3体による総攻撃は気の毒だった……。
友也…ゼットン、EXレッドキング。
今回は司会進行のような立場だからか最初の説明以外は戦闘には殆ど参加していない。これまでジャンナインがいたので、友也がウルトライブするのは今回が初めてである。
頭が悪いところがレッドキングと同じだと言ったり、可愛い顔して怖いところがスノーゴンと同じだと言ったり、ヒカルの美鈴評が酷すぎる……。
ミラクル星人のビー玉は見たいものを見せてくれると説明されたヒカルは美鈴とのキスシーンを考えるが友也にツッコまれる。
これはガンパッドとライブパッドを持っている友也にだけ見られたのか、それとも美鈴達にも見られたのか、それによってヒカルの今後の運命が変わりそう……。
ウルトラマンにもライブ出来ると言う事でそれぞれがウルトラマンにライブするが、ウルトラマン同士で戦うのは変だと言う事でウルトラマン最強決定戦は実現しなかった。
しかし、そこにカオスロイド達が現れ、本物のウルトラマンと偽者のウルトラマンの戦いが始まる事に。このカオスロイド達はどうして現れたのか劇中では明かされていないが、どうやらプログラムのバグが原因だったらしい。
『新列伝』の第37話「スパークドールズ劇団A」ではブラックキングの妄想でカオスロイド達が出現している。なんと、妄想とは言え、公開前に映画のラスボスが倒されると言う衝撃の展開が起きている……!
今回の話は赤星さんと原口監督の現時点でのウルトラシリーズ最終作となっている。
『大怪獣ラッシュ』の「VEROKRON hunting」が同時上映された。