帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「明日なき世界」

「明日なき世界」
ウルトラマンR/B』第18話
2018年11月3日放送(第18話)
脚本 勝冶京子
監督 神谷誠

 

悪質宇宙人メフィラス星人
身長 2m~60m
体重 40t~2万t
NPTVのディレクターで「熱闘! 情熱惑星」を担当している。上司のチブル星人に色々と無理難題を押しつけられているが自分も部下のザラブ星人に色々と無理難題を押しつけている。
打ち切りが決まった為に番組作りが迷走し、遂に自ら巨大化してウルトラマンと戦う事になり、最後は企画も失敗してトリプルオリジウム光線で倒された。が、後日、番組は無事に放送されたらしい。

 

凶悪宇宙人ザラブ星人
身長 180cm~40m
体重 30t~2万t
NPTVのADでメフィラス星人に無理難題を押しつけられている。
変身能力があるのでヤラセ……演出が色々と出来る。
メフィラス星人の企画でアサヒの代わりに人質になってしまうがウシオに助けられる。

 

頭脳星人チブル星人
身長 2m
体重 500kg
NPTVのプロデューサーで今一番注目を集めている地球を題材に視聴率が取れる番組を作るよう指示を出す。視聴率低迷によるスポンサー降板で「熱闘! 情熱惑星」が打ち切りになった事をメフィラス星人に伝える。

 

変身怪人ピット星人
「突撃! 隣の銀河系」のキャスター。

 

宇宙帝王バド星人
「突撃! 隣の銀河系」で取材を受けていた宇宙人。 
因みにバド星では一枚のうちゅーんTシャツを巡って国が二分して宇宙戦争が起きたらしい。

 

暗殺宇宙人ナックル星人
「突撃! 隣の銀河系」で取材を受けていた宇宙人。 地球が消滅する前に子供達と観光に行こうと考えていた。

 

三面怪人ダダ
身長 190cm~40m
体重 70kg~7千t
メフィラス星人ザラブ星人にカツミとイサミがウルトラマンである事を伝える。
前回の「みんなが友だち」に登場した個体かな?

 

物語
美剣サキの地球爆破宣言で地球は大騒ぎになり他の星でも話題になっていた。
「熱闘! 情熱惑星」のディレクターであるメフィラス星人は地球を舞台に高い視聴率が取れる番組を作るよう上司に指示されていた。

 

感想
地球爆破宣言なんかした後にどうやってコミカルな日常編をするのかなと思ったが他の星の宇宙人をゲストにしたのはなるほどであった。確かに当事者である地球人にとってはとんでもない事だけれど、異星人にとっては「遠い星の出来事」なんだよね。どこかの星が消滅しても自分達に直接の影響が及ばない限り平凡な日常は続いていく。

 

 「たとえ世界がどうなろうと、私は船が港に帰るのを待ちます! だから明日もTシャツを作るだけです!」。
街頭インタビューでTVカメラに向かって叫んだウシオさんの言葉だが、ここで言う「船」は妻のミオ(漢字は不明だが「澪」だとすると「船が通った後。航跡」と言う意味になる)の事で、「港」は湊家を意味していると考えられる。つまりウシオさんはTVに向かってどこかにいるであろう妻に帰って来るまで家で待っていると訴えたのだ。

 

爆破宣言で地球は宇宙でも一番注目を集めている星になり、侵略に飽きていた宇宙人達も爆破前に一度地球を観光しようとたくさん訪れるようになった。
そう言えば『R/B』はウルトラシリーズでは珍しい「地球侵略を企む宇宙人」がいない作品であった。

 

ウシオさんが作った「うちゅーんTシャツ」は宇宙で大ヒットしていて、「ウシオブランド」と言うものが確立していたらしく、バド星では一枚のうちゅーんTシャツを巡って国が二分して宇宙戦争が起きたらしい。何をやっているんだ、あの宇宙帝王は……。

 

今回の話は宇宙人がメインであるがやっている事は地球のTV番組作りと同じ。
この「宇宙人や怪獣が人間っぽい事をするギャップが笑いになる」と言うのは『ウルトラゾーン』や『怪獣散歩』や『怪獣酒場』を引き継いだものと言える。(因みに『怪獣散歩』のMCはメフィラス星人

 

ザラブ星人が変身した自分の偽物の映像を見た美剣サキは「私はあんな吊り目じゃない!」と激怒。いや、怒るところそこかい?
この後、アサヒが宇宙人に捕らわれると言う展開があるが美剣サキが全く動かなかったのはこの時点で「吊り目=偽物」と言うのを分かっていたからであろう。
「宇宙人が変身した巨大な女性が街を破壊する」と言うシチュエーションは『初代マン』の「遊星から来た兄弟」のにせウルトラマンと「禁じられた言葉」の巨大フジ隊員を合わせたものかな。

 

今回の話にあった「エンタメでもありドキュメンタリーでもある番組が視聴率を追い求めて演出の名の下にヤラセをしたり出演者をわざと追い詰めて過激な展開を生み出そうとしたりする」と言うのは地球の番組でも度々起こっている問題。人の人生を弄んじゃいけない。

 

ふと思ったのだが、ひょっとしてカツミとイサミがウルトラマンに変身しているのって宇宙規模でバレちゃったのかな?

 

『R/B』も段々と火力重視の戦いになってきたが、今回戦ったメフィラス星人はそれほどの強敵ではなかったらしく、ルーブにならずに決着を付けている。

 

実は父親のTシャツのデザインは嫌いじゃないと告白するカツミ。
まぁ、メザシイヌのデザインを見たらカツミの方向性って実はウシオに近い感じがするしね。

 

最後に再び「熱闘! 情熱惑星」の場面が出てくると言う事はメフィラス星人ザラブ星人も無事だったと言う事かな。番組の打ち切りが回避されたかどうかまでは分からないが。

 

『R/B』前半の日常編ではゲストは怪獣や宇宙人とは無関係の存在で、カツミやイサミもウルトラマン以外の草野球チームやら大学やらで話を展開する事が多かったが、『R/B』後半の日常編ではゲストが怪獣や宇宙人になり、カツミやイサミもウルトラマンに変身する人物として話を展開する事が多くなった。

 

ウルトラシリーズは前半と後半で話の作りが大きく変わる作品があるが、例えば『A』は第24話でヤプールが全滅して第28話で南夕子が月に帰還してと初期メンバーを整理した後に第29話から追加メンバーのウルトラ6番目の弟を登場させたし、『ネクサス』も第25話で姫矢編が終わって次の第26話から憐編を始めたと言うように話の作りが変わるポイントが分かりやすかったのだが、『R/B』は前半のヴィランである愛染マコトと後半のヴィランである美剣サキが同時に出ている期間があったり、アサヒが普通の人間ではない事が判明していく過程を第1話からやっていく等、『A』や『ネクサス』と違って話の作りが変わるポイントを明確にしておらず少しずつ変えていったので、気付いたら話の作りが大きく変わっていたと言う作品になっている。

 

今回の話は神谷誠さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第18話「明日なき世界」

 

 

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