帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「みんなが友だち」

「みんなが友だち」
ウルトラマンR/B』第17話
2018年10月27日放送(第17話)
脚本 皐月彩
監督 辻本貴則

 

三面怪人ダダ
身長 190cm~40m
体重 70kg~7千t
三つの顔を持つ宇宙人。
銀河系の宇宙人が一堂に会する大慰労会の世話役だが、ピグモンの連絡ミスで大御所様が一日違いでやって来る事になったので急いでパーティーのやり直しをしようとした。
目から光線を放つ。瞬間移動と言うチートな能力を持つ。
ウルトラマンであるカツミとイサミが会場にやって来た事を知って巨大化するが、ルーブのルーブボルテックバスターで弾き飛ばされたミクロ化器の縮小光線を浴びて人間大に戻る。
最後はウルトラマンや人間と喧嘩した事を大御所様に叱られ標本カプセルに閉じ込められてしまった。

 

友好珍獣ピグモン
身長 150cm
体重 60kg
銀河系の宇宙人が一堂に会する大慰労会の世話役であるが大御所様に日程を間違えて伝えてしまった。
ハロウィンのコスプレに紛れて街中に入り込み、コスプレした人間を宇宙人としてパーティーに参加させようとした。

 

快獣ブースカ
身長 だいたい2m
体重 おおよそ100kg
銀河系の宇宙人が一堂に会する大慰労会の特別ゲストである「大御所様」。
とても大きなバイブス波を発している。頭に付けているブー冠から特殊な光線を発する。「ブースカ語」と言う独特な言葉を使う。
昔からウルトラマンと怪獣が戦っている事を悲しんでいて、怪獣とウルトラマンと人間が皆ハッピーになれる事を望んでいる。

 

物語
10月31日の朝。銀河系の宇宙人達が一堂に会する大慰労会が無事に終了したと思いきや実は大御所様に日程を間違えて伝えていた事が判明する。
責任者のダダとピグモンは急いで宇宙人を集めてパーティーの準備をするのだが……。

 

感想
カツミ「アイツ(アサヒ)は俺達の大事な妹だ。それは変わらない」、
イサミ「だな」、
カツミ「それよりもあの美剣サキだよ! どうやったか知らないけど、アサヒもなんか懐いているしぃ!」、
イサミ「カツ兄ってさぁ、アサヒが彼氏とか連れて来たら絶対認めないタイプだよね」、
カツミ「アサヒに彼氏だとぉ!? お兄ちゃん聞いてないぞ!」、
イサミ「例え話だよ! 面倒臭いなぁ……」。
妹を持つ兄は過保護になると言うのは昔から色々な作品である設定。『R/B』の場合、アサヒの正体で色々と謎がある状態なのだが、このオープニングナレーションでのカツミの発言を聞くとそんなのどうでも良くなってしまうw いや、どうでも良くなっちゃダメなんだけれど。(なんとなくだが、キャラ中心に見ている人は今回のナレーションは楽しめて、逆にストーリー中心に見ている人は今回のナレーションは大事な謎をふざけて誤魔化したと感じてしまうかも)

 

今回はハロウィン回でオープニング曲も特別に「ハロウィンバージョン」となっている。
自分はこう言う季節イベントの話は好きなのだが、平成以降のウルトラシリーズでは段々と少なくなってきている。予算やらスケジュールやらの問題で大変だろうけれど、一作品に一回はこう言う話をしてほしいなぁと思う。

 

以前から自分は人間大の怪獣はコスプレとかと間違われる可能性は無いのかなと思っていたので今回の「ハロウィンのコスプレに紛れて本物の怪獣が街中に入り込む」と言うシチュエーションは楽しかった。

 

アサヒ達にコスプレと勘違いされたダダは体の模様を触られて「ちょっと、やめて。こちょばいじゃん。いや。やっぱり、やめないで」。
お前は一体何を言っているんだ……。

 

今回の話で美剣サキに兄がいた事が判明する。
「アサヒ達兄妹より仲は良くなかった」や「本当の敵は無能な身内。身内の失敗は身内が正す」と言う発言から複雑な関係が見え隠れするが、その辺りは『ウルトラマンR/B超全集』に収録されている「蒼い瞳の少女は灰色と名乗った」で語られている。

 

コスプレでえりなが着たのはゼットン、ななかが着たのはエレキングを模したものとなっている。
アサヒと美剣サキが着たのは『ウルトラ怪獣擬人化計画』の擬人化ガッツ星人で、設定は色々違うが「二人の女の子で光と影を描く」と言うのは『怪獣娘(第2期) ~ウルトラ怪獣擬人化計画~』のガッツ星人でも描かれていた。

 

カツミとイサミへの協力を拒む美剣サキに対してアサヒは頼みづらい事は可愛く頼めば大抵は通りますとアドバイスする。オープニングナレーションでのカツミを見ると確かに通りそうだ。
そんな知能の低い事はしないと言っていながらいざ練習となるとアサヒに言われた以上の事をしてしまう美剣サキに笑う。『R/B』の後半は状況がシリアスになっていくのだが、前半の雰囲気のままだったらクールなようで意外とノリが良い美剣サキをもっと見る事が出来たのかもしれない。

 

『R/B』の序盤は「話の前半は怪獣とは関係の無い人々の日常で、それらが話の後半で怪獣の登場によって破壊される」と言う展開だったが、今回は「話の前半は怪獣や宇宙人達の日常で、それが話の後半でウルトラマンの登場によって破壊される」となっている。

 

ダダの光線でブルの頭が燃えたのは『T』の「ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!」のパロディかな?

 

ミクロ化器を取り出したダダに「どっから出したんだよ!」とツッコミを入れるカツミとイサミ。いやいや、君達もいつもどこからルーブジャイロを出しているんだよ!

 

ダダが言っていた「大御所様」の正体はなんとブースカ
快獣ブースカ』の放送開始は1966年11月9日で今回の放送の時点でデビュー52年になる。それは確かに大御所様だ。と思ったが実はダダも初代が登場した『初代マン』の「人間標本5・6」の放送が1967年1月22日とブースカとはあまり違っていなかったりする。因みにピグモンは初代が登場した『初代マン』の「怪獣無法地帯」の放送が1966年9月4日となっていて実はデビューが一番先だったりする。

 

「怪獣もウルトラマンも人間も皆友達」と言うのを円谷プロを代表する怪獣でありながらウルトラマンと対立する存在ではなかったブースカに言わせたのは上手かった。
因みにブースカウルトラ怪獣ではないが『モーレツ大怪獣戦』や『アニメちゃん』や『ウルトラマンランド』や『新世紀2003ウルトラマン伝説』に登場している他、『新列伝』で使われた「秘伝の書」にはブースカとチャメゴンの姿が描かれていた。
又、『快獣ブースカ』の続編である『ブースカ! ブースカ!!』のブースカも『ダイナ』の『帰ってきたハネジロー』に登場している。

 

快獣ブースカ』のブースカの声優は『サザエさん』のカツオ役で有名な高橋和枝さんで、今回登場したブースカ冨永みーなさんがキャスティングされている。
冨永みーなさんと言えば『レオ』のカオルちゃんであるが、『サザエさん』のカツオ役を高橋和枝さんから引き継いでいるので今回のキャスティングもその流れだと思われる。

 

ブースカは本作の後に『ジェネクロ』にもナビゲーターとして登場している。

 

ダダが言った「誰かの友は言った。争いに限りは無い……。本当なら戦いではない方法で……」は『コスモス』の『THE FINAL BATLLE』でのコスモスの言葉。
そう言えばジュリ(ジャスティス)と美剣サキはキャラクターが近いかな。

 

『R/B』はニュージェネレーションシリーズの中でも長編ストーリーが長い作品であるが、その一方でこう言う遊び回も出来る懐の深さがある。

 

アイゼンテックの社長になった美剣サキは電波ジャックをすると、今から2ヶ月後、ある怪獣が1300年振りに地球に到達し、その怪獣への殲滅作戦で地球が木っ端微塵になって多くの犠牲者が出る事を宣告する。
アサヒに「頼みづらい事は可愛く言えば良い」と言われた美剣サキは人類の大半が死亡する作戦を可愛く言ってしまう。美剣サキはギャップを使った笑いが多いが今回はそのギャップがゾッとする怖いものとなってしまった。

 

今回の話は皐月彩さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第17話「みんなが友だち」

 

 

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