「星屑の記憶」
『ウルトラマンR/B』第20話
2018年11月17日放送(第20話)
脚本 小林雄次
監督 伊藤良一
古代怪獣ゴモラ
身長 40m
体重 2万t
アイゼンテックの地下にある第四エネルギー貯蔵庫の熱上昇が古い地層を刺激した事で眠りから覚めた野生の怪獣。
超振動波を放ち、怪獣拘束システムを弾き返す事が出来る。
グランドキングメガロスに倒された。
超弩級怪獣グランドキングメガロス
身長 78m
体重 21万7千t
美剣サキがグランドキングメガロスクリスタルで変身した。
メガロスヘルブレード、メガロスブラスター、メガロスサンダーブレイク、メガロスグランレーザー、スパインビーム、スパインイレーザー、メガロスデストロイドと言った多彩な攻撃でゴモラを倒し、ロッソとブルを追い詰める。
火炎骨獣グルジオボーン
身長 60m
体重 6万2千t
1300年前の変身者は美剣サキで先代ロッソと先代ブルと一緒にルーゴサイトと戦った。
ルーゴサイトとの戦いで先代ロッソと先代ブルを失う。
コスモイータールーゴサイト
ガス状の生命体で、1300年前に先代ロッソと先代ブルと美剣サキが変身していたグルジオボーンと戦った。
物語
美剣サキにルーブジャイロを奪われたイサミは取り戻そうとするが、美剣サキが先代ウルトラマンの妹である事を聞いたカツミは話をしようと考える。
一方、美剣サキは三つのルーブジャイロを一人で起動させようとするが……。
感想
1300年前に先代ロッソと先代ブルと美剣サキが変身したグルジオボーンがルーゴサイトと戦った時の出来事が回想シーンで描かれる。
仮面ライダーと違ってウルトラマンは変身者が死ぬイメージがあまり無い。映像作品でウルトラマンが怪獣に倒されて変身者がそのまま死亡すると言うのは実は先代ロッソと先代ブルだけではないだろうか。
美剣サキと連絡を取るアサヒを見て彼氏と連絡を取っているのではないかと勘違いするウシオさん。
取り乱したウシオさんをカツミがなだめるが、そう言うカツ兄も「みんなが友だち」のオープニングナレーションでは今回のウシオさん並に取り乱していたりする。
前回に続いて今回もアサヒの絵を使って1300年前の出来事が説明される。
シリアスな展開をコミカルに説明してしまう是非はあると思うが自分はアリだった。
『忍たま乱太郎』を見ると、子供が退屈しそうな説明場面になるとギャグを入れたり演出を変えたりと子供が飽きない工夫が色々されていて、今回の1300年前の出来事の説明も子供の興味を離さない為の工夫だったと思う。(ただ、美剣サキの悲劇をアサヒが楽しそうに説明するのは違和感あったが)
「善人と悪人」で各国政府が美剣サキの発言の真意を確かめていると言う報道があったが今回遂に太陽系に飛来する未知の物質が発見される。
太陽系に飛来する未知の物質のニュースを聞いたウシオさんは「どうせスレスレで地球にはぶつからない」「いざとなれば地球にはウルトラマンがいるから大丈夫」と発言。
確かにこれまでの作品ではそうだったのだが、今回は「未知の物質の正体は怪獣なので必ず地球にやって来る」「先代のウルトラマンが倒されているので今回勝てるかどうか分からない」となっていて、視聴者やカツミ達は楽観的な推測が出来ない状況となっている。
美剣サキは三つのルーブジャイロの力を使ってルーゴサイトをガス状から実体へと変異させようとするが、美剣サキ一人の生命エネルギーで三つのルーブジャイロを起動させるのは命の危険があった。
『R/B』後半の構図は「ルーゴサイトを倒すと言う最終目的は同じだが、誰がどのように倒すかでカツミとイサミと美剣サキが対立を繰り広げる」と言う構図になっている。
本当は3人が協力するのが一番良いのだが、美剣サキは先代ウルトラマンであった兄達への想いがある為にカツミやイサミに協力を申し出る事が出来ず、イサミは美剣サキを愛染マコト(オーブダーク)と同じ悪人だと思っているので協力する気が起きないとなっている。
美剣サキやイサミに比べてカツミは自分の感情よりも自分に与えられた役目や使命を優先するので今回は美剣サキと話し合うと言う選択をする事が出来た。そしてO-50の戦士の頂は個人の感情よりも使命を優先するところがあるので今回は個人の感情よりもウルトラマンのとしての使命を優先したカツミ達の所にルーブジャイロがやって来る事となった。
美剣サキは変身しなくても特殊能力を使えるが、おそらくこれは戦士の頂から力を与えられた事で身に付いたもので、兄二人も美剣サキと同じように変身前でも特殊能力を使えたと考えられる。
しかし、カツミとイサミはウルトラマンに変身するようになっても変身前の状態で特殊能力を使えるようにはならなかった。この辺りも美剣サキがカツミとイサミを認めない理由の一つかもしれない。
ゴモラは『大怪獣バトル』や『X』では主人公の仲間であったが今回は主人公の敵となっている。
今回のゴモラは主人公達の敵であるがグランドキングメガロスに倒される可哀相な怪獣でもあって、次に登場する『Z』の「生中継! 怪獣輸送大作戦」では主人公達の敵で劇中では倒されても可哀相とは思われなかった怪獣と言う扱いになっている。
グランドキングメガロスに変身した美剣サキはその強大なパワーで暴走してしまう。「自分の無力を思い知り、それを克服する為に強大な怪獣の力に頼ってしまう」と言うのは「お前は誰だ」での愛染マコトと同じ。
かつて愛染マコトに怪獣の力を与えて破滅へと追いやった美剣サキが今度は自分が怪獣の力を使って破滅に向かってしまうと言うのはなんとも皮肉だ。
美剣サキが大切な人を失った後に地球各地を旅して回っていたのは『オーブ』のクレナイ・ガイと同じ。ただし、ガイは「自分の無力さを痛感しても人を助ける事は諦めなかった」のに対し、美剣サキは「自分の無力さを痛感し、人を助ける事も諦めてしまった」と言う違いがある。
愛染マコトが「ヒーロー好きだった朝倉リクのアナザー」であったように美剣サキは「大切な人を失って心に傷を負ったクレナイ・ガイのアナザー」と言う存在だったと言える。
ツルちゃん曰く。
— ウルトラマンブレーザー公式 (@ultraman_series) 2018年11月17日
むか~し むかし、大体1300年くらいまえ…🏯
(って奈良時代くらいですか?)
「ルーゴサイト」なる、かな~りヤバめな怪獣がおったそうな……つづく。#アサヒの絵日記 #ウルトラマンルーブ #イラスト #湊アサヒ pic.twitter.com/HNvK61Dvlg
…そしてツルちゃんと、お兄さんのウルトラマンたちは、
— ウルトラマンブレーザー公式 (@ultraman_series) 2018年11月19日
がんばってルーゴサイトを追い払ったのだけれども……
ああ、なんということでしょう!
二人のウルトラマンは妹をかばって、力尽きてしまったのです…😢#アサヒの絵日記 #ウルトラマンルーブ #イラスト #湊アサヒ pic.twitter.com/gvGk8Q11mX
#美剣サキ の、古き友は言った────
— ウルトラマンブレーザー公式 (@ultraman_series) 2018年11月17日
あらゆる生あるものの
目指すところは、死である。と─────
ジークムント・フロイト(1856-1939) #ウルトラマンルーブ #美剣サキの古き友 pic.twitter.com/bJBFDdo6zR
【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第20話「星屑の記憶」