帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪獣を飼う女」

「怪獣を飼う女 ー放電竜エレキング登場ー
ウルトラマンマックス』第2話
2005年7月9日放送(第2話)
脚本 梶研吾小林雄次
監督 金子修介
特技監督 鈴木健二

 

放電竜エレキング
身長 26cm~56m
体重 1,3kg~4万2千t
ヤドカリの如く体を小型化して昼間は葉山と言う女性の部屋を隠れ蓑にして夜になると街に現れて電気を食べていた。
尻尾を巻き付けて放電攻撃を行い、口の部分から三日月状の電気エネルギーを発する。
マクシウムソードで電気エネルギーを司る角を切り落とされ、マクシウムカノンで止めを刺された。
電気エネルギーを吸収して卵を産んでいたが本体のエレキングが倒されると卵も消滅した。
ヒジカタ隊長の推測によると「遠い宇宙からやって来て葉山の孤独な心に付け込んだ」との事。

 

物語
停電した街に現れた謎の怪獣。調査を開始したDASHは葉山と言う女性に辿り着くが……。

 

感想
昭和ウルトラシリーズの有名怪獣が「伝説怪獣」として復活。
マックスがセブンタイプだからか、伝説怪獣第1号はエレキングであった。
ピット星人に飼われている印象が強いのを逆手に取って、逆に人間の女性を利用していたのが面白い。
葉山の飼っている犬の名前が「タロウ」だったのはエレキングが再登場した『T』繋がりだろうか?(「怪獣エレキング満月に吼える!」)

 

最初に怪獣が出て謎を提示し、それを特別チームが様々な装備を投入して解いていき、最後に巨大な怪獣が出現してあわやとなったところでウルトラマンが出ると言ったウルトラシリーズの定番話となっている。

 

調査を開始したDASHの辿り着いた先がごく普通のマンションであったところは『セブン』ぽかった。
マンションから出てきた女性の正体はピット星人かと思われたが、実はエレキングが女性を利用していたと言う逆転の展開であった。
説明役の宇宙人がいなかった事でエレキングの謎を最後のヒジカタ隊長の説明台詞のみで終えてしまったのは残念。葉山のドラマも説明不足なところが多く、全体的に不満の残る話であった。

 

今回は最初だからかDASHメカの発進シーンが丁寧に描かれている。
やはりウルトラシリーズにメカは必要なんだなぁと改めて思う場面。

 

エレキングが突然消えたのを「消失マジックだ!」とジョークを言うコバ隊員。
論理的ではないと指摘するエリーに対して人間にはジョークが必要だと返すが、そもそもエリーは機械ではない人間に潤滑油が必要な事が理解できていなかった。ここで言われている潤滑油が精神的なものである事をエリーが理解するようになるのはこれからのお話。
その後も綺麗な女性に鼻を伸ばす男性と、それに苛立つ女性を見て、人間とは本当に面倒なものだと評する等、エリーは感情面への理解が無い事を示す描写がある。
最後の病室の場面でエリーは「ジェラシー」と言う感情をインプットしている。このようにエリーは作品を通して様々な感情をインプットしていく事になる。因みに今回の話でエリーがインプットした「ジェラシー」の感情は「スペシャルフィナーレ ウルトラの未来へ」で見られる事になる。

 

夜の司令室でスリープ状態になっていたり、ベース・タイタンの機能の殆どを担当している等、エリーは人間ではないと言う事を示した場面がいくつか見られる。
対照的にミズキ隊員は葉山に鼻の下を伸ばす男性陣に苛立ったり、子犬を見て無邪気に可愛いと声を上げる等、喜怒哀楽の激しい人間らしい存在として描かれている。

 

『初代マン』の「侵略者を撃て」を思い出す隊員の寝ぼけネタ。
この場面でDASHのカラーが何となく決まった感じがする。
前作『ネクサス』のナイトレイダーとの差別化が為された場面でもある。

 

マックスの変身シーンはカイトがマックススパークを装着すると胸にパワータイマーが現れ、そこから全身をプロテクターが覆っていくと言うセブンを思わせるもので、ウルトラシリーズの中でも珍しいタイプとなっている。

 

前回は昼間の山と海と舞台にし、今回は夜の街を舞台にする等、毎回の戦闘場所が違っているのが嬉しい。『コスモス』や『ネクサス』の制作状況を考えると、こんなに大盤振る舞いをして大丈夫なのかとつい心配してしまうが……。

 

分かり易さを目指してか、ナレーションで特別チームやマックスの紹介が行われ、3分間の活動時間についても説明されている。

 

 

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  • メディア: DVD