帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「遙かなる友人」

「遥かなる友人 -友好異星人ネリル星人キーフ 巨大異星人ゴドレイ星人登場-
ウルトラマンマックス』第25話
2005年12月17日放送(第25話)
脚本 太田愛
監督 八木毅
特技監督 鈴木健二

 

友好異星人ネリル星人キーフ
身長 190cm~49m
体重 75kg~3万2千t
ネリル星の宇宙飛行士。故郷の惑星の寿命が尽きかけていたので移住できる星を求めて宇宙探査に出たが、発見する前にネリル星が消滅してしまい宇宙を放浪する事となり、命ある惑星である地球に辿り着いて駈と出会う。
雑誌を参考に地球人に擬態するが、地球人の異星人に対する捉え方を知り、自分の後に地球を訪れるであろう友好的な異星人達の為に自らUDFに出頭して調査研究を受けた。
光量子体となってゴドレイ星人の攻撃から地球人達を守り、そのまま大気に溶けてしまったが、その意志はカイト、DASH、駈の心へと遺った。

 

巨大異星人ゴドレイ星人
身長 50m
体重 5万t
突然現れて破壊行為を開始した。
両手を合わせて強烈な目くらましをし、胸から放つ破壊光線で街を破壊する。
マクシウムカノンで両腕を破壊されても再生させる事が出来る。
破壊光線の乱射でマックスを追い詰めるが、光量子体になったキーフが人々を守って出来た時間を使ってマックスギャラクシーを召還したマックスのギャラクシーカノンで倒された。
コミュニケーションが一切取れず、その正体も目的も不明のままであった。
『ネオス』のザム星人の着ぐるみを改造している。

 

物語
ある夜、駈の部屋に異星人キーフが現れた。
ネリル星の事情を知った駈はキーフに地球で暮らす事を提案するが、地球での異星人の捉われ方を知ったキーフはある決断をする。

 

感想
地球人の少年と宇宙人の交流を描いたヒューマンな話であるが、ウルトラシリーズにおける異星人の状況に踏み込んでいて、疑心暗鬼から生じる地球人の暗部も描いた話となっている。

 

駈が宇宙から来たキーフを迎え入れて地球を紹介しようとする場面は『ダイナ』の「少年宇宙人」で宇宙に飛び立つ友人と共に地球を調べ直す展開と対になっていて興味深い。

 

キーフが公園で手にした異星人による被害を伝える新聞。
写真の異星人はゴドレイ星人に見えるがスタッフによるとスラン星人のようだ。
東京タワーをバックにした構図がなかなかにカッコ良い。そう言えば『マックス』で東京タワーをバックにした話は無かったかな?
因みに記事には民間人によるボランティア団体としてカイトが所属していたKBNの名前が出ている。

 

「彼の名前は「キーフ」です。「あのエイリアン」じゃない」とショーン隊員が訴える場面があるが、そう言うショーン隊員自身が以前に異星人の事をエイリアン呼ばわりしていた。
他にも初期ではマックスすら警戒して調査研究の必要があると言っていたヨシナガ教授がキーフの体調を終止気にかけていたりと、カイトはともかく、他のDASHがどうしてキーフの事をそこまで庇うのかやや不自然さを感じた。

 

「キーフが弱って死んじまったら、アンタの責任だぞ」とダッシュライザーでプレッシャーをかけるコバ隊員がかなりカッコ良かった。
今回は他にも駈に暴力を振るおうとしたとした学生を追い散らしたりと、さり気にコバ隊員がカッコ良い話であった。

 

「僕の後にもこの美しい惑星を好きになって心から人間と友達になりたいと思う異星人がきっと現れる。でも、彼らは僕のように人間の姿になれるとは限らない。彼らは異星人の姿をしているせいで侵略者だと思われてしまう。そんな時、もし、過去に一人でも人間の信頼を得て本当の友達になれる異星人がいたら少しは違うと思うんだ。僕はね、駈、その最初の一人になろうと決めたんだ」。
これがキーフの目的。なので光量子体になって逃げ出す事が出来ても人間からの信頼を得る為にあえて拘留される事を選択したのだった。
「初めてキーフが見ている途轍もない未来の事を知った。それは色んな種類の友好的な宇宙人がありのままの姿で人間と友達になっている未来だ。キーフはそんな途轍もない未来の為に自分の一生を賭けたんだ」。
キーフの目的を知った駈。駈自身は「途轍もない未来」と言っているが、それは実現可能な未来である。何故なら、キーフとの出会いで駈は友好的な宇宙人をありのままの姿で友達として受け入れる事が出来るようになったのだから。

 

いきなり現れたゴドレイ星人を見て調査団はキーフが呼び寄せたと考えるが実際は全くの無関係であった。ウルトラシリーズで一つの話の中に全く接点の無い二種類の異星人が登場するのは珍しい。
ゴドレイ星人はキーフと違って、人間に大きさを合わせる事も姿を変える事もせず、コミュニケーションも一切取らない、触れ合う機会を一切排した、ただ暴力のみを行使する存在であった。
他にもキーフがネリル星人と言う種族名の他に「キーフ」と言う個人名があったのに対してゴドレイ星人は個人名が無かったりと両者は徹底的に対比されていた。

 

大多数の人間はキーフも数多くいるエイリアンの一人だと先入観と見た目で判断したが、駈は実際に触れ合った事でキーフと言う個人を判断する事が出来た。
とは言え、これは難しい話。と言うのも、キーフが本当に良い人だったので良かったのだが、『初代マン』の「遊星から来た兄弟」に登場したザラブ星人のように表向きは良い人を装って裏で侵略行為を進めている可能性もあるのだ。(そう言えば、ネリル星人のデザインはザラブ星人に似ているなぁ……)
他人との付き合い方に正しい一つだけの答えは無い。その時その時で正しいと思った行動を取るしかないのだ。

 

話のテーマ上、仕方が無いかもしれないが、調査団が単なる悪として扱われていたのが残念。上に書いたように「良い人を装って実は侵略者」と言う可能性もあるので、調査団の対応も一概に間違っているとは言えないと思う。

 

真の姿を隠して地球で暮らしている異星人=マックス=カイトと言う構図の為、今回もカイト=マックスとして話が進められている。
そう言えば、キーフをエイリアンと断じた人々はマックスの事をどう捉えているのか聞いてみたい。

 

キーフがゴドレイ星人の攻撃から守った地球人の中には囚われたキーフを見て心配する女の子もいた。今は「異星人は地球人の敵」と言う認識が強いが、この女の子のように異星人に守られた記憶を持った人達が成長した時、地球人の異星人観は変わるかもしれない。
又、現在の地球は異星人であるマックスに守られている。地球人がその事にしっかりと向き合い考えていけば、キーフの目指した未来がいずれ訪れるのかもしれない。

 

サ・ヌーシュ。ネリル星の言葉で「憧れ」と言う意味。
「憧れは僕達の手と足を動かす。躓いても倒れても、あの遥かな地平に辿り着こうと僕達は歩き続ける……」。
キーフの言葉を聞いた駈は思う。
「俺は……キーフが憧れた遥かな地球の未来を思った……。大気に溶けたキーフはきっとこの地球の風の中にいる。そして大地を吹き当たりながらキーフはこの惑星の未来を見つめている。……そう思った」。

 

 

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  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD